北陸大学教職員組合ニュース30号(1996.9.10 発行)
理事長に再質問および要求書を提出
雑誌記事に関する組合の質問に対して、理事長から納得のいく回答が得られませんでしたので、改めて、以下の様な再質問および要求書を提出しました。
平成8年9月10日
学技法人北陸大学 理事長北元喜朗殿
北陸大学教職員組合 委員長 土屋 隆
再質問および要求
組合が7月25日付けで提出した雑誌記事問題に関する質問書に対して、期日の7月31日までには何らの回答がなされず、8月28日に至って、突然「教職員の皆様へ」という文書が、学内の気がつきにくい場所に掲示され、それをもって組合の質問書に対する回答とする旨の連絡がありました。しかし、誠に遺憾ながら、そこに書かれたことは、組合の質問に対する、誠意ある回答として受け入れられるようなものではありませんでした。ここに改めて、質問と要求をする次第です。
まず、理事長回答において、「前理事長、現理事長に関する部分は、全くの中傷であり、論評するまでもありません」ときわめて明確に断言をしていますが、ここまで断言するなら、なぜ、早々に断固たる指置を取らないのでしようか。特に、現理事長に関する部分では、現在の大学の状況に深く関わる部分が多々あります。大学は「公教育を担い、教育研究について社会的責任を負う」のですから、社会から、疑いの目で見られるようなことはあってはなりません。もしも大学が何らかの疑惑を持たれ、 それが公にされるようなことがあり、さらに、それが、回答に言うように「中傷」で あるとすれば、当然、大学は何らかの措置を取らねばなりません。それが大学の社会的責任というものです。回答では、「このような記事を無視することによって、無用な混乱を未然に最小限にとどめ」るとしていますが、本当に、混乱を未然に最小限にとどめようとするならば、記事に書かれたことが事実とどう違うのかについて、全教職員に対して納得のいく説明をすると同時に、しかるべき手続きをして、名誉と信頼の回復を図るというのが理事長としての見識ある態度というものではないでしようか。言い換えるなら、事態を放置しておくのは、学校法人北陸大学の代表としての職責を放棄したも同然であり、無責任のそしりを免れません。「入試シーズンも近づいてい るこの重要な時期」であれば、なおさらです。このままでは、北陸大学の名誉と信頼 は大きな打撃を被ったままということになります。真摯に大学の社会的責任と将来を考えるのであれば、毅然とした対応があってしかるべきです。
北陸大学教職員組合は、北元理事長が、北陸大学の名誉と信頼の回復を図るために、雑誌記事に対して、何らかの断固たる措置を取ることを要求します。
質問書では、特に教職員の労働環境に関わる記事内容の事実関係について、明快な説明を求めました。しかし、理事長回答においては、そのほとんどが無視され、わずかに、教員個人研究室の無断捜索についてのみ、「教育環境(労働環境)につながる教員個人研究室は、今後とも平穏維持を保障する」とあっただけです。これが、回答になっていないことは、小児の目にも明らかです。質問しましたのは、これからのことではなくて、そういう事実が過去にあったのか、なかったのか、あったとすれば、 実際にどういうことが行われたのかということです。組合が求めたのは、事実関係の説明です。
大学は「公教育を担い、教育研究について社会的責任を負う」のですから、そこに働く教職員が、心安んじて、本分に打ち込むことのできるような環境を作り、維持していくことは、経営者としての最優先事項の一つでありましょう。雑誌記事に書かれていた内容の多くは、教育環境・労働環境の双方に深く関わっています。「中傷であ り、論評するまでもない」と言ってすませてしまうのは、あまりに安易であり無責任です。真に、北陸大学の発展を願い、その社会的責任の大きさを思うならば、やはり、事実ははっきりさせておくべきです。
改めて、雑誌記事で言及されていた、以下の事項について北元理事長に質問いたします。
(l)「前理事長が3億円近くの退職金をもらった」という部分の事実関係。
(2)「理事長の出張手当てが1日3万円」であり、「職員の平均給与の10倍の高給をもらっている」とする部分の事実関係。
(3)理事長による、職員に対する暴行に関する部分の事実関係。
(4)女子職員に対する「差別」と「区別」に関する部分に対する理事長見解。
(5)学生の逮捕・監禁に関する部分についての事実関係。回答では「あらゆる面で決着がついている」としていますが、記事から察するかぎり、きわめて重大な事件と思われるのに、教員は何も知らされていません。これについては、久野学長にも説明を求めていますが、法人の立場から理事長にも、説明をお願いいたします。学生の名前は匿名でお願いいたします。
(6)教員研究室捜索に関する部分の事実関係。これについては、北野理事に質問をいたしましたが、残念ながら、回答を拒否されましたので、法人の最高責任者として理事長に回答をお願いいたします。
以上について、平成8年9月30日までに文書で回答をお願いいたします。なお、この質問書および回答は公開し、組合ニュースに掲載いたします。