北陸大学教職員組合ニュース28号(1996.9.4 発行) 

教員個人研究室「無断捜索」について

北野理事−質問を無視

 雑誌に掲載された記事中に、学生のビラ配布事件に関連して、教員の個人 研究室を「無断捜索」したという記述がありましたが、8月7日にこの件について北野理事に対して右の質問書を出しました。しかし、未だになんらの 回答もありません。

 最近では、「この部屋でこんな話をして大丈夫か」、「電話でそんなことを喋って大丈夫ですか」、「この書類を教授室に置いて帰っていいんですか」、「これは部屋に置かずに毎日持ち帰るほうが良い」、「鍵を二重に」などの会話を頻繁に聞く。特に、組合役員をしている教員の都屋を訪れる人達にこれらの会話が多い。以前からも、会議等の発言もチェックされ理事や学長から「注意または指導」されたり、いわゆる「要注意人物」として扱われることは多かったが、それでもこのような会話は殆どなかった。
 説明するまでもないが、これは、教授室や助教授室などの個室に無断で誰かが入り調べられる、または、盗聴されていないかである。度々配布される学生のビラ対策として、様々な監視の手段が学内のみならず学生寮にまでとられていると、学生達も指摘している。これらのことが実際に行われているか否かはさておいても、教職員や学生が学内でこのような疑惑と危惧の念を抱かざるをえないことが問題である。質問書にも記載したように、教育と研究にも決してよい影響を及ぼさない。

 このような疑惑と危惧の念を抱かざるを得なくなった直接の原因が、上記理事ら によって行われたこの「無断捜索」といっても過言ではない。これに対して、なんらの反応もないのは、失札なことであるが、自分の行動に説明もできない、責任も持てないと解釈せざるを得ない。このような解釈をせざるを得ないことは誠に残念である。

平成8年8月7日
学校法人北陸大学理事 法学部教授 北野 与一 殿
北陸大学教職員組合 執行委員長 土屋 隆

質問書

 雑誌「時局と真相」第16号に掲載された本学に関する記事中に、学生のビラ配布事件 に関連した「Y課長とK理事による」教員個人研究室の「無断捜索」の記載があります。同記事が記載する「無断捜索」事件の頃に、理事である貴殿と山花課長が教員個人研究室に無断で立ち入ったことは、何人もの目撃者などにより当時学内では公然たる事実となり、無断立ち入りの被害者の一人である教員(記事にある入試問題を置いていた教員)から抗議が行われた経緯もあるところです。そのため、教員の多くは本件に重大な関心と疑念を抱いております。個人研究室にいつ無断で立ち入られるかもしれないし、また、調べられるかもしれないと不安です。大学の個人研究室内で、文書等の機密保持やプライバシーの保全に絶えず気を配らねばならないようでは、教育と研究にも支障をきたします。
 今後類似の無断立ち入りや捜索が再び繰り返されないために、また、教員がその不安や疑念から解放されるためにも、貴殿に次の質問を致します。

「教員個人研究室への無断捜索について」
質問 1 貴殿は記事の内容にある「教員個人研究室への無断立ち入り捜索」を行いましたか。
質問 2 行ったとすれば誰の指示で何の目的で行ったのですか。
質問 3 貴殿の研究室が無断で調べられたならば、貴殿はどうしますか。
質問 4 個人研究室への無断立ち入りまたは捜索することについての貴殿の見解。  
この質問に対する回答は8月23日迄に文書にてお願い致します。なお、この質問書お よび貴殿からの回答は公開として組合ニュースに掲載いたします。   以上