北陸大学教職員組合ニュース第20号(1996.7.10 発行)
”学生監禁事件”学長 回答せず!
なぜ真実を隠そうとするのか
学長は,”学生監禁事件”の説明要求に対し,回答しなかった。
北陸大学の長たる学長は,学内で起こった学生監禁事件について,学生,父兄,そして我々教職員に対して,明確な説明をしなければならない立場にあるにもかかわらず,無言でいるのはまったくの不誠実,無責任である。理事長自ら査問したとされるハレンチな監禁事件を口にしたくない気持ちは察するが,これではますます不信を招くばかりであり,学長もその事件にかかわっていたのではないか,黙認していたのではないかと疑われても仕方がない。それも甘んじて受けるという消極的な態度は,自らの職務を放棄するに等しく,常識を逸脱している。
自由にものが言え行動できる明るいキャンパスは当たり前の大学である。本学はその基本的な要素さえない。あのような雑誌に大学の実状があばかれること自体,そして今日種々の混乱が生まれていること自体,学長として反省すべきことがあるのではないでしょうか。我々は北陸大学を"その程 度"の大学にはしたくない。やはり,学長には頑張っていただきたい。勇気を持って発言していただきたい。
我々の職場環境は教育の現場である。学生達ばかりでなく,安心できる勉学生活を願う父母の気持ちを思うと,我々は二度とあのような事件を起こしてはいけない,起こさせてはならないと誓うものである。
学長ヘ新たな質問書を提出する
私たちの職場環境の改善につながる大学改革は急務ですが,その方法として大学の「自己点検・自己評価」があります。この実施の責任者である学長に質問いたしました。
平成8年7月10日
北陸大学学長 久野栄進殿
北陸大学教職員組合
質問書
自己点検・自己評価はどこまで進んでいますか?
文部省の大学大綱化政策に伴って実施が要請された「自己点検・自己評価」について,本学も学長の積極的な取り組みで,早い段階(平成4年)に,全学の「自己点検・評価の ための運営委員会」,「実施委員会」,そして学長の私的な「専門委員会」が設置され,教員側は,教育理念の確立,教育研究の活性化,カリキュラム改正等教育システム改革,シラバスの作成,授業評価(学生アンケート),卒後教育,公開講座,など種々の項目で点検し,改革してまいりました。しかし,教員側の努力だけでは大学は改革されるはずはなく,すべての項目で自己点検・評価を行わなければ意味がありません。
しかるに,法人は学長の意思を尊重せず,上記委員会を無視して学長抜きの法人主体の「教育研究充実向上特別委員会」(略「向上委員会」)をつくり,シラバスの作成,予算の査定,そして教員の合意を待たずして授業評価(学生アンケート)を実施しました。大学審議会が求める自己点検・評価の項目は,教育研究活動から大学の管理・運営・財政,更には自己点検・評価体制そのものの点検・評価にいたるまで多岐にわたるもので,その実施は大学改革の成否の鍵であるにもかかわらず,向上委員会の役割はそれをリードするものではなく,例えば「授業評価」は,向上委員会設置原案段階で「教員評価」と書かれていたものの書き換えであったごとく,我々に対する”管理強化”ぐらいにしかとれるものではありません。
文部省は,それぞれの大学の自己点検・評価の結果を公表するよう求めていますが,大学で働く我々としても教育と労働環境の改善につながる自己点検・評価の進行・結果に大きな関心があります。実施の責任者である学長に総括的に次の点を質問いたします。
1.北陸大学の自己点検・自己評価はどの程度進んでいますか
2.自己点検・自己評価の北陸大学におけるあり方に対する学長の見解
以上について,平成8年7月24日までに文書で回答くださいますようお願いいたします。また,この質問書及び回答は公開として組合ニュースに掲載いたします。