任命制から二段階選挙制に移行した北陸大(金沢市)の学長選挙は14日、理事会で行われ、新学長に理事側が推す薬学部教授(前同学部長)の河島進氏(58)が選ばれた。12日に行われた専任教員による投票では、教授有志らが推す法学部長の初谷良彦氏(57)の得票が河島氏を上回っていたが、理事会投票で逆転した。河島氏の任期は来年1月1日から4年間で、年内は佐々木吉男学長が努める。
学長選挙は先に河島氏と初谷氏について、講師以上の専任教員による1回目の投票が行われ、初谷氏が81票、河島氏が41票を獲得した。ともに有効投票数128票の2割を上回ったため、新しい規定に基づき14日に理事会で理事10人が投票、河島氏の得票が初谷氏を上回った。理事側は「得票数については公表を差し控えたい」としている。初谷氏は理事会が開催される直前に、候補者の辞退を理事会側に伝えていた。
河島氏は昭和41年金大薬学部卒業後、金大がん研附属病院薬局長、北陸大薬学部講師、助教授、教授を経て平成5年から9年3月まで薬学部長。専門は薬剤学。
北陸大の学長選出は従来、理事会で候補者を決め、理事長が選任する形をとっていた。しかし、教授有志グループが教授会の意向が無視されていると反発、争いは法廷に持ち込まれた。このため、理事会、全学教授会が正常化に向けて協議した結果、任命制から二段階の選挙制への意向が決まった。
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