北陸大学の正常化を目指す教職員有志の会会報 号外号(1998.2.4発行)
教職員の皆様へ
号 外
第19回全学教授会(2月3日)
学長任用規程:教員案(12.5 修正案) が可決される
第19回全学教授会が2月3日に開かれ、前回佐々木議長のもとでは採決されなかった学長任用規程(案)についてあらためて採決が行われた。その結果は以下のようになりました。
|
採決した案 |
賛成 |
反対 |
白票 |
1 |
教員案(12.5 修正案) |
10 |
3 |
3 |
2 |
常任理事会案 |
2 |
10 |
4 |
(HP注:教員案と常任理事会案をこのページの最後に付加掲載します.)
全学教授会委員:
佐々木(学長・議長)、山本(薬学部長)、高田(外国語学部長)、
松本(法学部長)、毛利(学生部長)、正宗(学術資料部長)、
桐山、紺谷、澤西(いずれも薬学部選出委員)
岡野、櫻田、林(いずれも外国語学部選出委員)
飯塚、島崎、初谷、三谷(いずれも法学部選出委員)<敬称を省略>
この結果、全学教授会は、この教員案を学長任用規程(案)として承認しました。佐々木学長はこの議決を理事会に報告するとしました。
昨年10月より全学教授会で審議されていた学長選考にかかわる規程案作成は、12月17日の第18回全学教授会にて、教員案(12.5 修正案)並びに常任理事会案について採決の動議が出された。佐々木議長は採決を拒否して退席したが、構成メンバーの3分の2以上の教授らが残って採決に至り、教員案(12.5 修正案)が可決されていたのである。しかし、この取り扱いについて、佐々木議長は「議事無効である」との主張を続け、一方、10名の学部選出メンバーは、誠実に議事進行をすると昨年10月に約束した佐々木議長のこの行為に抗議し、以後の全学教授会欠席を議長宛に通知した。このことが全学的に報告され、外国語学部、法学部の教授会では、学部選出メンバーの主張や行動が支持された。また、学部選出メンバーは2月3日の全学教授会開催通知には、議長の交代を事前に要求した。一方、私達有志の会がこれに同調して実施した「議長交代の要望」には、100名を越える教員が名を連ねて賛同した。
2月3日の第19回全学教授会はT期入試の合否判定が議題にあり、審議拒否は社会的影響が大きく、学部選出メンバーは苦慮したが、会議の冒頭で議長の交代を要求することで出席することにした。この要求に対しやりとりがあった後、佐々木議長は学長任用規程案の審議を次回教授会で再開し、採決もありうることを提案した。議論のすえ、大多数の意見で、学長任用規程案の採決を本日行う、それも入試の判定に先立って行うことで決着し、任用規程の両案について投票し、上記に記載した結果になったのである。
有志の会では、全学教授会で一応の結果を出せたことを高く評価しています。私共教員の意思を尊重し、勇気を持って頑張っていただいた学部選出メンバーには大きな拍手をおくります。
理事会には、この結果を受けて速やかに学長選挙を実施すべく準備を要望したい。
「議長交代の要望書」を佐々木氏に提出する
101名の教員が署名する
2月2日より有志の会で行いました緊急アピール「議長の交代」の署名がわずか一日の短時間であったにもかかわらず、3日正午までに101名に達しました。ご協力を心から感謝いたします。ありがとうございました。
有志世話人は、皆様の「議長の交代」要望書を、全学教授会開催時刻前の3日午後3時に佐々木議長へ届けました。佐々木氏は、全学教授会規程に拠り議長は学長であり、議長交代は規程上の根拠がないとの主張であったが、署名簿は受理しました。席上、学長との間でいろいろやりとりがありましたが、世話人は、次の主張を行いました。
1) 学長任用規程案については昨年末までに結論が出ている。佐々木氏が採決を拒否し、全学教授会を混乱させたことが議長交代要求の最大の動機である。
2) 先日の理事長・学長文書などから明らかなように、理事会は“理事会に背反する学長は認められない”とし、そのような学長が選挙で選ばれることを前提にしている。これを回避するために常任理事会案、とくに候補者選考会議の構成案ができている。理事会のこの“前提”が協働関係確立の障害になっている。
3) 学長並びに理事会は、大学の正常な発展を願う多くの教員の意思を尊重されたい。
これに対し、佐々木学長は、
1) 今日の全学教授会で審議再開を提案したい。任用規程案の採決に至るも致し方ない。
2) 常任理事会案には、確かにそのような“前提”があることを認める。
3) 至急学長選挙をしなければならないという認識をもっている。
などと述べた。
[教員案]
北陸大学学長任用規程(修正案、12月5日)
(目 的)
第1条 この規程は、北陸大学運営規程第7条に基づき北陸大学学長(以下「学長」という。)の選考・任用に関し必要な事項を定める。
(選考の基準)
第2条 学長は、学長、教授、又は教授経験者、若しくはこれに準ずる者で、かつ人格高潔にして、学識に富む者とする。
2 前項に規定する学長は、北陸大学(以下「本学」という。)の内外を問わず選ぶことができる。
(選考の事由及び時期)
第3条 全学教授会及び理事会は、次の各号の一に該当する事由が生じたときに学長の選考を行う。
(1) 学長の任期が満了するとき。
(2) 学長の辞任が受理されたとき。
(3) 学長が欠員となったとき。
2 学長の選考は、前項第1号に該当する場合においては任期満了の3か月以前に、前項第2号又は第3号に該当する場合においては、速やかに行うものとする。
(選考の方法)
第4条 学長の選考は、学長候補者の推薦及び選挙によりこれを行う。
(学長候補者選考会議)
第5条 第3条に定める事由が生じたとき、本学に学長候補者選考会議(以下「選考会議」という。)を設置する。
2 選考会議は、学長を含む常勤の理事6名並びに各学部から2名ずつ選出された教授、計12名の委員をもって構成する。
3 前項に定める学部委員の選出は、各学部に所属する教育職員全員による単記無記名の投票をもって行うものとする。
4 選考会議は、委員の互選により議長及び副議長を置く。
5 議長は会議を召集し、その議長となる。副議長は議長を補佐し、議長に事故があるときはその職務を代行する。
6 選考会議は、委員の三分の二以上の出席により成立し、議事は出席委員の過半数により決する。
7 選考会議は、学長候補者(学外者の場合は、略歴、連絡先及び承諾書を添付)として適任と思われる者について、委員による単記無記名の推薦投票を行う。
8 選考会議は、前項の推薦投票において2票以上の票を得たすべての者を学長候補者とし、その同意を得た上で学長選挙管理委員会(以下「選挙管理委員会」という。)に報告する。
9 学長候補者の氏名は50音順に発表する。ただし、推薦投票における得票数及び順位は公表しない。
10 選考会議委員が本条第8項によって学長候補者となった場合でも委員を辞任する必要はない。
(選 挙)
第6条 学長並びに専任の教育職員は選挙権を有する。
2 学長の選挙は、第5条第8項によって報告された者について単記無記名投票によって行う。
3 前項に定める選挙は全選挙権者の三分の二以上の投票をもって成立する。
4 前項の選挙において有効投票総数の三分の一以上の得票者のうち最高得票者を当選者とする。
5 前項において、最高得票者が2名以上いるときには、全員を暫定当選者とする。
6 本条第3項により選挙が成立しなかった場合、又は第4項に定める三分の一以上の得票者がいない場合には、選考会議は速やかに再推薦投票を行い、再選挙を行う。その後も同様とする。
7 本条第2項に定める選挙及び前項に定める再選挙の結果は公表する。
(不在者投票)
第7条 選挙権者であって、出張(海外を含む。)、やむを得ない用務、事故、疾病等のため、選挙の当日、自ら投票所に行き投票することができない者(休職中の者を除く。)については不在者投票を認める。
2 不在者投票の方法等については別に定める。
(選挙管理委員会)
第8条 全学教授会は、前条に規定する学長選挙を管理するため、選挙管理委員会を設ける。
2 選挙管理委員会は、各学部から3名ずつ選出された教育職員計9名の委員をもって組織する。
3 選挙管理委員会は、委員の互選により選挙管理委員長を選出する。
4 選挙管理委員会は、委員の三分の二以上の出席により成立し、議事は、出席委員の過半数により決する。
5 第5条第8項において、選挙管理委員が学長候補者に推薦された場合には、委員を辞任し、その委員の所属学部において速やかにこれに代わる委員を選出しなければならない。
6 選挙管理委員会の運営に関する事項は、別に定める。
(当選者の決定)
第9条 選挙管理委員会は、当選者を選考会議、全学教授会及び各学部教授会に報告する。
2 第6条第5項の場合、選挙管理委員会は、暫定当選者を選考会議に通知する。
3 前項の場合、選考会議は、暫定当選者につき単記無記名投票を行い、得票上位の者を当選者とし、投票結果を選挙管理委員会、全学教授会及び各学部教授会に報告する。
4 選考会議は、本条第1項又は第3項の当選者を理事長に報告する。
(信任投票)
第10条 第5条第8項による学長候補者が1名の場合、信任投票を行う。
2 信任投票においては、第6条乃至第9条の規定を準用する。
(任 命)
第11条 理事長は、第9条第4項により報告された当選者を、理事会に推薦し、理事会の議を経て、学長に任命する。
(任 期)
第12条 学長の任期は、4年とし、再任を妨げない。ただし、再任の任期は2年とし、引き続き6年を超えることはできない。
(定 年)
第13条 学長の定年は、次のとおりとする。
(1) 任用時に、満65歳を超えているとき又は任期満了前に満65歳を超えているときは、任期満了の日に退職する。
(2) 任期満了の日に満65歳に達しないときは、学校法人北陸大学就業規則第24条及び第25条による。
(専 任)
第14条 学長は、原則として専任とする。
(改 正)
第15条 この規程の改正は、全学教授会及び理事会の議決を経て、理事長がこれを行う。
附 則
1.この規程は、平成 年 月 日から施行する。
2.この規程の施行により、昭和63年9月16日施行の「北陸大学学長任用規程」は、これを廃止する。
[常任理事会案]
(12月10日全学教授会に佐々木学長から出された「常任理事会案」)
北陸大学学長任用規程 改正案
第1章 総 則
(目 的)
第1条 この規程は、北陸大学運営規程第7条に基づき、北陸大学学長候補者の選出及び任用に関し必要な事項を定める。
第2章 学 長
(選考の基準)
第2条 この規程により選出される学長は、人格高潔にして学識に富み、教学面における学校法人の教育研究方針実現の責任者であるとともに、理事として学校法人経営に参画する資質を備える適任者でなければならない。
2 前項に規定する学長は、北陸大学の内外を問わず選ぶことができる。
(任 命)
第3条 この規程の定めにより、北陸大学学長候補者を選出し、理事会の議において、適任と認められたとき、理事長は、これを学長に任命する。
(任 期)
第4条 学長の任期は4年とし、再任を妨げない。但し、再任の任期は2年とし、引き続き6年を超えることはできない。
2 学長は、原則として専任とする。
(定 年)
第5条 学長の定年は、次のとおりとする。
(1)任用時に、満65歳を超えているとき又は任期満了前に満65歳を超えているときは、任期満了の日に退職する。
(2)任期満了の日に満65厳に達しないときは、学校法人北陸大学就業規則第24条及び第25条による。
第3章 選 考 会 議
(選考会議)
第6条 北陸大学学長候補者を選出する選挙(以下「学長選挙」という。)において被選挙権を付与される適任者(以下「被選挙権者」という。)を複数選出するため、選考会議(以下「会議」という。)を置く。
(構 成)
→「附則第3項」参照第7条 会議は、理事及び各学部教授(以下「教授委員」という。)各1名をもって構成し、理事長がこれを招集し、議長となる。
(定足数等)
第8条 会議は、構成員の3分の2以上の出席がなければ、これを開催することができない。
2 議事は、出席構成員の過半数をもって、これを決定する。
(会議の開催)
→「附則第4項」参照第9条 理事長は、次の各号の事由が生じたとき、会議を招集し、開催するものとする。
(1)学長の任期が満了するとき
(2)学長の辞任が受理されたとき
(3)学長に事故があったとき又は欠員となったとき
2 前項第1号の場合は、任期満了の90日以前に、被選挙権者の選出を行う。
3 本条第1項第2号及び第3号の場合は、事由の生じた日から60日以内に、被選挙権者の選出を行う。
(構成員の任務)
第10条 構成員は、被選挙権者として適任と考える者を会議において推薦し、審議する。
2 被選挙権者として適任と考える者が学外者のときは、略歴及び連絡先並びに構成員の推薦書を添付することを要する。
(教授委員)
第11条 教授委員は、各学部において、当該学部に所属する講師以上の専任教育職員が行う単記無記名投票による選挙(以下「委員選挙」という。)によって、これを選出する。
2 委員選挙によって最多得票を得たものを教授委員とする。
3 前項において、最多得票を得たものが複数ある場合は、その者について再度投票を行い、最多得票を得たものを教授委員とする。
4 本条により教授委員が決定したときは、学部長は学長(北陸大学運営規程第8条に定める「学長事務取扱」を含む。以下同じ。)に文書よりこれを報告する。
5 学長は、学部長から前項の報告を受けたときは、直ちにその旨を理事長に報告する。
6 教授委員が候補者に推薦されたときは、会議において議決に加わることができない。
第4章 学 長 選 挙
(被選挙権者)
第12条 会議において選出された複数の被選挙権者を学長選挙に付する。
(選挙管理委員会への通知)
第13条 議長は、被選挙権者が決定したときは、直ちに選挙管理委員長に文書によりその氏名及び略歴を通知しなければならない。
(有権者)
第14条 学長選挙は、講師以上の専任教育職員(以下「有権者」という。)により行う。
(投 票)
第15条 学長選挙において、投票は次の各号による。
(1)投票は単記無記名により、これを行う。
(2)代理投票及び不在投票は、これを認めない。
(3)選挙実施について、この規程に定めのない事項は、学長選挙実施細則において定める。
(成立要件)
第16条 学長選挙は、有権者総数の過半数の投票によって成立する。
(再選挙)
第17条 前条の定めにより、選挙が成立しないときは、相当期間をおいて、再度選挙を実施する。
2 前項によって再度選挙が実施されたにも関わらず選挙が成立しないときは、会議において候補者を決定する。
(選挙管理委員会)
第18条 学長選挙を実施するため、選挙管理委員会を置く。
2 選挙管理委員会は、助教授・講師を含む学部教員会において選出された教授1名及び助教授又は講師1名の委員計6名をもって構成する。
3 選挙管理委員が被選挙権者となったときは、選挙管理委員の資格を喪失し、本条により
補充する。
4 選挙管理委員長は、前項により選出された教授のうちから、互選により、これを選出する。
5 投票に関し疑義が生じたときは、選挙管理委員会が決定する。
第5章 候 補 者 の 決 定
(候補者の決定)
第19条 学長選挙において、最多得票を得た者(最多得票を得たものが複数のときは、その得た者全員)又は第17条第2項により決定された者を候補者とする。但し、第22条に定める同意を得なければならない。
(選挙結果報告)
第20条 選挙管理委員長は、前条の候補者を文書により学長に報告し、学長はその旨を理事長に報告する。
2 選挙管理委員長は、前項の報告後、直ちに選挙結果を公示することを要する。
(会議への報告)
第21条 理事長は、学長の申請に基づき会議を招集する。
(同 意)
第22条 理事長は、前条に定める会議終了後、候補者の同意を得るものとする。
2 前項において候補者の同意を得ることかできないときは、この規程により、改めて候補者を決定しなければならない。
(付 議)
第23条 理事長は、同意を得た候補者を北陸大学学長候補者として、これを理事会の議に付する。
第6章 改 廃
(改 廃)
第24条 この規程の改廃は、全学教授会において審議し、理事会の議を経て、理事長がこれを行う。
附 則
1.この規程は、平成 年 月 日から施行する。
2.この規程の施行により、昭和63年9月16日施行の「北陸大学学長任用規程」は、これを廃止する。
3.この規程の適用によりはじめて任用される学長の選出手続においては、第7条の定めに関わらず、常任理事及び各学部長並びに各学部から選出する教授委員各1名をもって会議を構成し、理事長がこれを招集し、議長となる。
4.この規程の適用によりはじめて任用される学長の選出手続においては、第9条第2項及び第3項の定めに関わらず、理事会が決定するところによる。