北陸大学の正常化を目指す教職員有志の会会報第9号(1997.10.1発行)
教職員の皆様へ
有志の会の父兄への手紙に関し
法人や学長の行為に疑問あり
前回もお知らせいたしましたが、有志の会の父兄への手紙に対し、父兄からの問い合わせや激励の手紙が今も寄せられています。新聞紙上をにぎわせた北陸大学の問題について、大学からの本当の情報がいかに不足していたか、あるいは、本学の教育体制のあり方にかなりの父兄が不満を持っておられる様子がはっきりしてまいりました。それにしても、地区別懇談会の前後に、佐々木学長や法人当局がとった行動は不可解であり、何のためにやっているのか理解できません。
まず、父母会の地区別懇談会の席上で、佐々木学長名の「ご父母の皆様へ」と題する文書が配布されたのにつづき、9月20日の金沢地区の懇談会の直前には、「ご父母が何よりも望むことは」という文書(With Plus)を今度は教職員に配布するという対応が行われました。これらの文書には、有志の会はあたかも一部の教員がやっているかのようなイメージを植えつけるような書き方がなされており、みんなを憤慨させました。
皆様に、多くのご意見をお聞きしましたが、一致していることは、「北陸大学が明るく正常な大学であれば、有志の会も、父兄への手紙も不要であろう。このことを考えない学長らの文書には最も重要なことが欠けている。」ということでした。
さらに、9月24日には、有志の会代表の中山教授に対して、中川専務理事名義の「通知書」が配達証明郵便として送付され、厳重な注意と警告が行われた。法人が行ったこの「通知書」は、教職員に対する処分であると考えられ、有志の会世話人は、法人に対して強い不信感を抱いています。
中山代表は、「通知書」については、その形式と内容、並びに根拠について、不明確な点をただすために質問をし、正確な理解を得た上で、有志の会としてきっちりとした対応をしたいと述べておられます。これについては、今後、皆様には詳しく報告し、有志の会として新たな活動の出発点にしたいと考えています。
(佐々木学長が、父兄に配付した文書)
父母の皆様へ
照りつける太陽が穏やかな日差しに変わり、日々すがすがしさを増す頃となりました。ご父母の皆様には、日頃、本学の教育にご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。毎年、懇談会において皆様からお聞きするご子女の勉学、進路等に関する様々なご意見や思いは、私たち教職員にとつて授業や学生指導を行う上で貴重な指針となります。今回も、どうぞ宜しくお願い致します。
教育の基本方針としては、従来どおり各学部において、本学の特色である少人数を対象としたきめ細かい指導を徹底させ、国家試験をはじめ各種検定、資格試験の合格率を高め、卒業後の就職、進路の指導を徹底させることに全力を傾注しております。
こうした教育の推進には、当然、教学と学校法人の緊密な二人三脚の体制がなくてはならず、この体制を強固なものにするため、現在、教学の最高審議機関である全学教授会を軸に協働関係の確立に向けて真摯な議論と努力を続けています。かかる時に、教職員の任意の会の代表の名前による手紙が、一部のご父母に送付されました。この会は、学内規程上の根拠を持たない教職員の集まりであります。内容については、こうした協働関係構築の努力に水を差すもので、一方的な批判や誤解を招く表現に満ちています。本来、教職員と父母との共通のテーマは、学生の教育、研究をおいて他にはないはずです。教育の本筋とかけ離れた私見や主張を、いたずらに学外に持ち出す行為は、到底、教職員としてあるべき姿とは考えられません。ご父母の皆様に不要なご心配をおかけして誠に申し訳けなく存じますが、北陸大学の教職員は教育こそ第一義であると考え、皆様からお預かりしたご子女の育成に最大限の力を尽くす所存であります。
教育の目標を達成するには教職員、学生、父母の心のつながりが不可欠であり、この懇談会は、ご父母と教職員が直接顔を合わせて話し合い、理解を深める貴重な機会であります。私たち教職員は、ご子女に対する皆様の期待や本学への要望を真摯に受け止め、この懇談会を実りあるものにしたいと願っております。皆様におかれましては、こうした本学の熱意や努力にご理解を頂き、変わらぬご支援を賜りますようお願い致します。
北陸大学学長 佐々木吉男