北陸大学教職員組合ニュース第138号(1999. 6.17発行)

 

法人は文部省の行政指導を遵守せよ!!

 

学部長を評議員・理事にせよ!

 

 学校法人北陸大学が文部省より異例の行政指導をうけて2年以上がたった。その行政指導では「理事会等の運営体制の見直しと法人の管理運営の適正化」、「教学との協働関係の確立」や「内部監査機能の強化」などが求められた。しかし、現在の法人理事会の運営を見ているととても文部省の行政指導を遵守する意思があるとは思えないようなことばかりである。

 たとえば、経理公開がそうである。前回のニュースでも指摘したように、評議委員会においてすら経理に関してはまともな審議を行っていない。「内部監査機能の強化」の指導などどこ吹く風といった感がある。

 さらに今回見逃せないのは、新しい学部長である吉藤、櫻田の両教授を評議員に任命しなかったことである。これは慣例にないことである。少なくともこれまでは必ず学部長は評議員に任命されていた。ところが教員の選挙で選ばれた者が学部長になったとたん学部長を評議員に入れるのをやめるとはいったいどういうことか。監査のための資料を教員の代表に見られるのがおそろしいということなのだろうか。それこそおそろしい話である。

 「教学との協働関係の確立」という指導も法人理事会が本気で取り組んでいるとはとうてい思えない。現在なお、理事会は学部長を理事にすることを頑として拒否し続けている。これについては特に文部省の方から再三再四の指導があったのにもかかわらずである。

 それだけではない。エクステンション・センターの件など、法人理事会の教学無視が露骨にあらわれていると言ってよいだろう。With 紙の説明によれば、それは「新世紀に向け、本学学生の教養の充実・涵養を図り」「知識と教養の融合を目指した新しい事業」であり「本学の諸活動を集大成する場であるとともに、これを更に大きく育む土壌」だそうである。しかし、With紙にいうような、学生の教育に関わるだけでなく大学全体の将来に関わるような重要事項が、教授会には一切知らされず審議もされず、実際にことが始まってしまってから、教員に広報紙のみで事後承諾として知らせられるというのははたして正常な大学運営だろうか。「教学との協働関係の確立」はいったいどこへ行ってしまったのか。教員抜きでの大学運営はありえない。

 法人理事会は、いったいどこへ行こうとしているのか。文部省の行政指導をないがしろにし、教学組織を軽んじて、過去に対する反省は一切見られない。文部省と教員を軽んじるとはすなわち教育の軽視、学生の軽視である。そして学生軽視の大学に未来はない。

 

 法人は謙虚にならなければならない。教学の代表である学部長を評議員・理事にして、教学の声を真に運営に生かす努力をしなければならない。そこからしか、北陸大学の未来は生まれない。

 

 

尾崎氏、萩原氏に対する異動内容変更される!

 

―組合と法人との交渉の結果、7月1日付で、3月に行われた尾崎氏と萩原氏の人事異動内容が変更されることになりました。―

 

まず、萩原氏については、学事本部付部長待遇(入試担当)ということで、学事本部長の下に配属されて、机・椅子・その配置等すべて部長待遇に戻ります。

次に、尾崎氏については、薬学総務部次長直属の施設担当ということで、薬学部の地下室から薬学部2階事務室へ異動になります。

 

組合は、今回の交渉結果については、100%ではないにしても、かなりの程度本人の意向を汲んだものであることから、法人側の対応についてもそれなりの評価をしたいと思います。

 

しかし、3月18日に行われた、事務局の大幅な人事異動は、見る人が見れば、それがどんな意味を有しているのかは一目瞭然でした。

この異動で、組合員であることを公表し、積極的に組合活動をしている事務職員の処遇はどうだったでしょうか?他方、積極的に組合対策をしている職員、法人上層部と密接な関係を有する部署の職員はどうだったでしょうか?両者を比較するとあまりの差に怒りを禁じ得ません。

不当労働行為は、何も給料面でだけ見られるものではありません。年令、学歴、経歴、能力等のすべてを考慮した上で、職場内の格付けが著しく落ちたとみられる場合も含まれるのです。組合は、今回、不利益取り扱いがはなはだしく、明白な不当労働行為の被害者であった萩原氏、尾崎氏の件についてのみ取り上げましたが、他の組合員に対する処遇にも問題が山積しており、法人側の経営感覚が問われるようなものが多々あります。それらの問題を根底から解決するために組合がとることのできる方法は、いくつかに限られています。それが何なのかを、ひとりひとりの組合員が初心に返って考えてみることが求められています。大学正常化に向けた今後の理事会の対応を注意深く見守りましょう。

 


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