北陸大学教職員組合ニュース第137号(1999. 5. 31発行)

  

経理の公明正大な公開を!!

 虚偽報告の反省なし!?

いよいよ経理公開が行われるはずである。組合は設立以来一貫して経理公開を要求してきたが、それが実現することになる。喜ばしいかぎりである。しかし、私たちには一抹の不安もある。それは真に公明正大な経理公開とされるかどうかということである。

たとえば過去において、わが北陸大学の法人理事会は文部省に対して体育施設に関して虚偽の報告をし、異例の厳しい行政指導を受けているという事実がある。真理の追究の場であるはずの大学の法人理事会が虚偽の事実を2度にわたって報告し、監督官庁の目を欺こうとしたことは北陸大学の威信を大きく傷付け、社会的信頼を失墜せしめ、少子化にともなう大学間のサバイバル競争の激化を乗り切る上で、じつに重い軛となっている。しかも、ことの真相はいまだに明らかにされていない。「二度とそのようなことのないように理事会で誓い合った」という説明が団交の席で出席理事からあったのみである。

 

 回収される収支決算

さらに、今年も含めてここ数年の評議員会での収支決算報告に関する審議のやり方には疑問を抱かざるを得ない。すなわち、評議員には大学の収支決算という重大事項について審議検討する時間を実質的にはほとんど与えないようになっているのである。収支決算に関する大部の報告書は、その場で配布されると、簡単な説明がされ、すぐに回収されてしまう。まともな審議検討などできようはずもない。最初から、まとまな審議検討の回避を意図しているとしか考えようがない。これでは、「評議員会で審議、承認した」という「事実」を議事録に残すためだけに収支決算書を評議員会に出しているにすぎないと言われても抗弁の余地はないだろう。

 

  収支決算資料の非公開

また、収支決算についての資料を評議員にすら渡さないというのも、評議員に対する侮辱以外の何ものでもない。異常である。少なくとも北元喜朗氏が理事長になる直前ごろまでは、わが北陸大学においても収支決算書などの経理に関する報告資料は評議員会の数日前に評議員に配布されて検討が要請され、評議員会での審議があり、その後、評議員は資料を手元に置くことができた。それが、なぜ現在のようなやり方をするようになったのか。数字を公にできない、あるいは、公に検討されては困るようなことがあるからとしか考えられない。

 

 経理公開を文部省に約束させられる

法人理事会は文部省に対し平成10年度の決算から経理公開を行うと約束をしている。しかし、その平成10年度の収支決算書について審議検討するはずの先週の評議員会においてもことは昨年までとまったく同じだった。法人は、公開を予定しているはずの経理についての大部の報告書をその場で配布し、その場で回収したのである。あたかも、じっくり検討されては困るかというように。経理公開を目前にしてこのような運営をやっているのでは、法人理事会に対する不信感は増すばかりである。

大学の経理はかぎりなく明瞭でなければならない。ガラス張りということばがある。学生からの授業料・納付金、そして文部省からの助成金がどのように大学の運営に使われ、教育・研究に生かされたのか。これは教職員だけの関心事ではなく、学生そして両親、さらには社会全体の関心事である。公益法人である大学の経理公開には重大な社会的責任がともなっている。

 

 私物化を疑われないために

さらに、平成8年から続いている文部省の行政指導は、それまでの大学運営に鑑みて行われたことを思えば、ここ数年の経理状況も公開し、それと今回の経理とを比較したうえで文部省の行政指導に対して誠実な対応が行われたことの証左とするのが筋というものだろう。特に、北元理事長の父親である北元喜雄氏に、規程を変えてまで約3億円の退職金を支払ったとされる平成7年の経理状況はぜひとも詳らかにされねばならない。大学の私物化が疑われているからである。

理事たちが文部省からの本学に対する助成金を削られるほど高額の報酬を受けとっていることに関して組合が団交で質問したとき、理事は「経営責任が大きいから高額の報酬は当然である」と答えている。私たちはこのことばを忘れてはいない。真に経営者としての責任を果たしているという自負があるのなら、当然、公明正大な経理公開を過去数年の分まで行い、財政収支についての実態を報告し、その正当性を主張すべきであろう。それができないようなら、経営者ではない。大学は公器である。そのことを思えば、公の批判に耐えない経理状況など論外である。現理事者たちの経営者としての資質が問われることになる。

 

 世は情報公開の時代

すでに理事長の報酬すら公開することをはばからない大学が出現している。情報公開は国際的な流れである。Global Eyesを標榜する北陸大学が遅れをとっていいはずはない。むしろ先陣を切ることを心がけなければならないだろう。受験生とて、高額の学費を徴収しておいて、その使い道を誰にもわかる形で明らかにできないような大学には早晩愛想をつかすであろう。いや、もうすでにそうなっているかもしれない。北陸大学が生き残り、さらに発展していくために、今回の経理公開にはじつに多くのものがかかっている。

 


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