北陸大学教職員組合ニュース第
128号(1998.10.20発行)
第48回団体交渉
給与交渉は平行線のまま
さる10月6日、第48回の団交が開催されましたので、内容をお知らせします。
1.平成10年度給与改訂について
労使双方が従来の主張(組合側 5.82%アップ、法人側 2.7%アップ)を繰り返し、話し合いは平行線のまま終わりました。
組合:これまで法人は、本学の給与水準を全国平均と主張してきた。ところが今年は、北陸地区のトップクラスに、と基準が変
わってしまった。何故か?
法人:2年前は臨時定員終了後の取り扱いにそれなりの見通しがあったが、今はそれが不明確なので、方針を変えざるを得なく
なった。
組合:5.82%は、法人側の資料に基づいた全国平均である。なぜ法人は2.7%を主張するのか、財務諸表を示した上で説明される
のならともかく、それすら行わないのであれば、従来の法人の方針にもあった通り、せめて全国平均を目指すべきである。
法人:・・・・
組合:法人は賃金抑制ばかりを主張するが、むしろ法人は経営努力や経営改善を行うことが必要なのではないか。
今後も組合は、早期妥結を目指して、粘り強い交渉を続けていきます。
2.組合掲示板および組合事務所の設置について
組合設立時からの要望である組合掲示板および組合事務所の設置について、再度要求をしました。
法人:(組合掲示板は)教育の場にふさわしくない。法人の方針なので認めない。
組合:では、就業時間外であれば、組合ニュースを配付しても構わないか?
法人:事務局内での配付は、たとえ就業時間外であっても、就業規則違反になる。
これまで法人は、組合掲示板を認めない理由として、労使間に信頼関係がないから、と主張してきました。それはそれで問題であるものの、信頼関係が構築されれば認められることになります。ところが、今回の「教育の場にふさわしくない」という回答は、永久に認めない、ということになります。組合は不適切な発言であるとして、発言の撤回を強く求めましたが、法人はこれを拒否しました。組合は、法人が他大学の実情や世間一般の常識に照らして恥ずかしくない対応を取るべきであると主張しました。
3.太陽グループ運動会および大学と私企業との関連について
組合:昨年法人は、「太陽グループ(現本学理事長の父の北元喜雄氏を代表とする企業グループ)の運動会に大学は資金を出し
法人:そのようなことは言っていない。大学として応分のものを拠出している。本学教職員も運動会に参加しているのだから、
出すのがむしろ当然である。
組合:法人は、「太陽グループと大学とは関係がない」と言っているが、どうなのか?
法人:大学は太陽グループの一員である。資本関係といった意味ではなく、人と人との関係のようなものである。かつて太陽企
画(太陽グループ企業の1つ。現本学理事長の実弟が社長)へ出資していたことはあるが、現在は一切ない。大学が太陽
企画から資本を引き上げたのは組合ができる前である。太陽会(太陽グループ各社の幹部社員と北陸大学の幹部職員が参
加している懇親団体)へも拠出金を支出している。
組合は、太陽グループ運動会に、個人の資格で参加するのであれば、大学が費用を拠出するのは不適当であり、文部省からも指摘されたように太陽企画等私企業との不透明な関係を改善すべきであると主張しました。
4.その他の議題について
@ 学生会館について
建設計画中のコミュニティハウス(太陽が丘キャンパスに建設が予定されている学生会館)について、太陽企画に発注しているとの噂があるが、事実はどうなのかを問い質しました。
法人側は、「数社から見積りを取り、適正な価格の会社に発注するものであり、建設会社は未定である。既に出来上がっている設計予定図は、コンペを開いて最も良いと思うものを選んだ」と回答しました。
A 学生募集ポスターについて
組合は、来年度の学生募集用ポスターについて、学生募集のポスターとしては望ましいものではなく、募集に逆効果でさえある、受験生の減少を招き、ひいては教職員の生活にも悪影響を及ぼしかねないと主張し、学内外の掲示取り止めを強く要望しました。
B 退職手当支給規程について
懸案となっている「退職手当支給規程」見直しに関して、法人は、規程改正のために、労使双方から委員を出して協議をすることを提案してきました。昨年、法人は規程の見直しを約束し、その不履行で謝罪までしていた(第43回団交、組合ニュース第115号)
ことを考えれば、“怠慢”の一語につきます。組合は、検討の上回答するとしました。
C 教育職員の事務組織への配置に関する確認書について
組合は、事務組織規程第2条第3項の事務組織への教育職員の配置について、昨年12月の団交において中川専務理事が回答した内容を確認書として取り交したいと再度要求しましたが、法人はこれを拒否しました。