北陸大学内の施設、学生寮などを経営する太陽アソシエイツ(株)にある組合「太陽アソシエイツ社員組合」から分かれて、このほど新しい組合「太陽アソシエイツ労働組合」が結成されたことが、７月２日の本学教職員組合の執行委員会で確認された。

　既存組合「太陽アソシエイツ社員組合」は昨年１２月に設立されたが、設立直後から組合内部で不調和を生じ、最近まで正常な組合活動のないまま経過していた。この事態は会社側（社長：浜辺吉樹北陸大学学事部統括部長）の介在があってのことと見て不安を抱いていた組合員たちの中に、新しい組合を作って出直そうという話があがった。ところが、この話をいち早く察知した会社側は一部の組合員とともに、新組合設立を阻止する動きに出た。このことで事態は悪化し、反発を強めた組合員数名は直ちに現組合を退会するとともに、自らの立場を守るために新労組「太陽アソシエイツ労働組合」を結成したというものである。当初は十数名の賛同者がいたが、会社側の圧力は強く、新組合へ参加した社員は減少したようである。新労組の組合員らは会社を追われる危険さえ感じたため、「連合石川」の傘下に入り、現在、連合の指導のもとに新組合の体勢を整えようとしている。新組合の代表は「まじめに働いている社員の本当の気持ちを、交渉を通して会社側へ伝え、待遇の改善に努力したい」と述べている。

　一方、既存の「太陽アソシエイツ社員組合」は、会社側のてこ入れで執行部を改組し、６月２９日の臨時総会で新人事を決定した。新執行部は最近の組合報の記事の中で、「会社側に感謝したい」とし、「社長をはじめ会社役員の方々と誠実な話し合いを通じて、明るい職場づくりを目指す」としている。

　教職員組合は、昨年末の「太陽アソシエイツ社員組合」設立後に支援を表明している。しかしながら、その後の一連の組合内部の不調和を自ら解消できず、また会社側の介入などで組合の性格が著しく変質しており、執行委員会では、現状では支持できなくなったとの意見で一致した。他方、新組合「太陽アソシエイツ労働組合」は、会社側と一部の社員の妨害を排除して結成した勇気ある行動が評価されるとし、積極的に支援してゆくことを確認した。当面、新労組の社員が不利益を受けるような事態にならないように見守ってゆくことにした。

それにしても、北陸大学の幹部職員が何人も営利会社の太陽アソシエイツにかかわっており、このこと自体問題である。大学の本務に支障を来たす恐れがあり、またそのために大学の職員数を増やしているとの指摘もある。今後団交などで厳しく追及してゆくつもりである。

　昨年末から組合が改善を要求してきた労働条件のうち、いくつかは法人側と合意し、すでに施行されています。これらについて、双方の信頼を確実なものとするため、「確認書」を取り交わすことが前回の団交で決まりました。「確認書」の概略は以下の通りです。

　 ＊ 労基法が改正（週40時間労働）されたときより、組合は週休２日制を強く要求していたが、法人側は教育計画の変更が必要で教務上の問題であるとして積極的ではなかった。しかし、この４月から全学部の時間割で土曜日講義がなくなったので、実施された。

　 ＊ 有給休暇は、前年度の残日分が繰り越されるが、ここ数年、法人は今年度分から有給休暇を使用し、足らなくなったら前年度分を使うとしていた。これを改めさせ、前年度分から先に使用し、今年度残日分を翌年に繰り越せるように変更した。

３．期限の定めのある雇用契約を締結している職員については，平成１０年４月１日
　　より、原則として期限の定めのない契約に移行する。　

　 ＊ 有能な教職員を招請するに当たって、これまで障害となっていた１年契約制を廃止し、新入教職員が安心して働ける職場を確保しようとするものである。

なお、組合側は、
４．事務組織規程第２条第３項（事務組織への教育職員の配置）について

(1) 事務組織への教育職員の配置は、兼務とし、教育職員から一般職員への異動を意味するものではない。
(2) 事務組織への教育職員の配置は、期限付きとする。
(3) 事務組織へ教育職員を配置するには、本人の同意を必要とし、これを拒否したとしても不利益は受けない。

とする団交での合意事項についても「確認書」に含めるよう提案しましたが、法人側は同意しませんでした。今後、さらに交渉してゆくつもりです。

ご出席は、７月１４日までに 橋本(薬)、岡野(外)、島崎(法)までお知らせください。