北陸大学教職員組合ニュース第115号(1998.5.11発行)

 

法人理事会 相変わらずの組合差別

山崎薬学部前教授に対して名誉教授の称号授与を拒否

 

 本年3月に薬学部の土屋教授、山崎教授のお二人が退職されましたが、お二人とも名誉教授の称号授与基準に適合するにもかかわらず、法人理事会は元執行委員長の土屋教授にのみ名誉教授の称号を与え、山崎教授に対しては授与を拒否しました。なぜこのような差が出たのか、組合は4月15日の第44回団交の席上で説明を要求しましたが、理事会側は例によって回答を拒否しました。

 今回の件は、元執行委員長である土屋教授に名誉教授の称号が授与されたので一見組合差別ではないように見えるかもしれませんが、実は、差別を糊塗するために意図的に行われているのは、地労委での法人理事会の態度を見れば明らかです。

 現在、石川県地方労働委員会(地労委)では、昨年退職された松井教授、薮教授の名誉教授の称号授与を求めて組合が行った救済申立が審理されています。理事会側は、昨年の団交では両教授に名誉教授号を授与しなかったのは、「在職中の活動」が授与に値しないからだと組合差別を暗示する説明(組合ニュース第72号,第80号)をしていたのが、救済申立をされてからは、「授与基準を満たしても、授与を決定するのは理事会である」として、団交では一度も言わなかったことを主張するようになりました。つまり、あとから理屈をつけて組合員に対する差別を隠蔽しようとしているのです。

 理事会の今回の措置も、松井、薮両教授に対する差別を正当化するためであることは明白です。薬学部長や大学院研究科長、そして本学理事などを歴任している土屋教授に対して名誉教授の称号を拒否すれば、理由は元組合執行委員長ということ以外にはありえず、それこそ組合員に対する露骨な差別となり不当労働行為となるので、さしもの理事会もそこまではできません。しかし、山崎教授に対しては、いくら称号の授与基準を満たしていても理事会の判断で称号を与えないことに決めたと主張すれば、これまで理事会が松井、薮両教授に称号を与えない理由にしていることとのつじつまを合わせることができます。つまり、過去の悪行のつじつま合わせとして山崎教授に対しても名誉教授の称号授与を理事会は拒否しているのです。しかし、このような稚拙きわまりないやり方で、長年本学の発展に貢献されてこられた大学教員に対する差別を法人理事会が正当化できると考えているなら、現在の法人理事会は大学運営にあたる資格はまったくありません。

 4月23日には薬学部の橋本忠教授が、地労委において、3月13日の証言に続いて証言台に立ち、法人代理人弁護士の質問に答えましたが、法人側弁護士は松井、薮の両教授が授与に値しないことを正当化する質問に終始しました。理事会は、5月29日に行われる審問では、高倉総務部長を証人として申請しており、松井、薮両教授に対する名誉教授称号の授与をあくまで拒否し通す姿勢を見せています。

 教員との協働関係の確立を一日も早く実現しなければならないときに、このような態度を取る法人理事会は大学というものをいったいどう考えているのか、まさに良識が疑われます。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

平成9年度中に行うと約束した

「退職金支給規程の見直し」が不履行

団交で理事会側が謝罪する!

 私たち一般教職員の退職金支給規程は、平成5年頃に通知もなく変更され、従来の規程支給額より減額されています。一方、理事など法人役員の退職金は非常識なほど大幅に増額されました。この不公平な規程について組合は昨年の団交で是正するよう求め、法人側は、「本年度(平成9年度)中に見直します」と約束しました(昨年10月2日、第37回団交)。この問題について4月15日(水)に行われた団体交渉で追求したところ、理事会は無責任にもまだなんら手をつけていなかったことが判明しました。

 法人理事らはこれについて「お詫びします」と謝罪し、約束を無視したことについては「早期に是正することで責任を果たしたい」と再度約束しました。しかし、是正案をいつ提示するのかについては明言を避けました。このような重要な規程の見直しを放置する理事や法人幹部の怠慢さは経営に携わる者の感覚、管理能力を疑わざるをえません。組合は至急是正されるよう強く求めてゆく構えであります。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

特任教授の任用拒否は佐々木学長の判断

団交で明らかとなる

 4月15日(水)の第44回団交の席上で、法学部の退任教授4名のうち、中山,曽村前教授2名がこの4月に特任教授として採用されなかったことに関して、その判断基準と経緯を法人側に質問したところ、法人理事は、「(特任教授は)大学運営上必要と学長が判断した人にお願いしている」と答弁し、さらに今回の特任教授の採否は佐々木学長の意向が強くあリ、法人はそれに従ったことを強調した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜