北陸大学教職員組合ニュース号外(1998.2.20発行)

号 外

キャンパスの信頼回復に 今すぐ行動を!

 

学生の行動に教職員は深く反省しなければならない

 

 昨日夕刻よりTV各社が、そして今朝の各新聞は一斉に、本学学生有志諸君が北陸大学の諸問題の改善を求めて署名活動を行い、681名の名前を連ねて北元理事長の退陣を含む改善要求書を、町村文部大臣並びに北元理事長宛に提出したことを報道した。

 ついに学生達が立ち上がったことに、我々は少なからず驚いている。社会の負託を受けて学生を教育する立場の大学教職員は、学生達がこのような行動に出たことを深刻に受け止め、深く反省しなければならない。

 原因は明らかである。文部省から二度も異例の行政指導を受け、虚偽報告などの不祥事を引き起こして社会的な信頼を失墜させ、本学のイメージを悪化させておきながら、何の反省もなく居座りつづける北元喜朗理事長をはじめ法人幹部の無責任さと、佐々木学長をはじめ大学役職者の学生不在、教員不在の非民主的な大学運営にある。団交の席で、「あなた方は、本当に学生達のことを考えているのか!」と幾度となく叫んできた我々の気持ちを斟酌しなかった理事らの傲慢な態度にあらためて怒りを禁じ得ない。この報道の中で、中川理事らの「突然のことで・・・・」というコメントは、理事らの現状に対する危機意識がいかに欠如しているかを物語っており、呆れるばかりである。学生達の今回の方法論を評する以前の問題である。法人理事者らに猛省を促したい。

 学生達が理事長と文部大臣に対して行動を起こし、いきなり記者会見に臨んだことの本質は、まさに本学法人の体質を示唆している。将来の社会的不利益を省みずあえて顔を出して市民に訴えねばならないほど、大学内に「逮捕・監禁」といった強権的な圧迫があったからに他ならない。常に監視され、講義中にまで警備員が教室に入ってくることの恐怖を学生達は身近に感じているのである。事前に「私達の要求」を話し合える雰囲気でないと考えた学生達の絶望感や不信感に大学幹部が全く気付いていないことが重大である。

 しかしながら、我々教職員はもっと深刻な事態にあることを認識せねばならない。行政指導の本旨である大学の正常化、なかでも教育の要である学長・学部長の選任方法の決定など「法人側と教学側との協働関係」構築のための具体策が、昨年3月の行政指導から1年を経過しようとするのに何一つ出来ていないことは、結果として教員側にも真剣な取り組みがなかったとみなされ、怠慢の誹りを受けて当然であろう。このような状況を学生達に見せてきたこと、そしてこのことが今回の行動につながったとしたら、教育の責にある教員は深く反省せねばならない。

 今回署名に参加した学生達の大学への信頼を、教育への期待を、そして教職員への不信をこれ以上増長させないために、そして全学生の信頼を取り戻すために、教職員は今こそ真剣に北陸大学を考えなければならない。学生達の行動を支持するよりも、我々が学生達に支持される行動を今すぐ起こすべきである。はっきりと態度で示して、法人理事らや大学役職者らに我々教職員の意思を伝えるべきである。

今日の悲劇的な北陸大学の根本的解決に「何が必要か」は、もう誰もがわかっている。学生達の要求する「北元理事長の退陣」はまさに本質をついている。

(本 Home Page の報道記事資料をご参照下さい.)