北陸大学教職員組合ニュース107号 (1998.2.17発行)

Withのまやかしは許さない!

「学園の協働関係」をこわす者は誰か

理事長は全学教授会の議決を尊重せよ!

 

 2月16日(月)に、本学法人は全教職員に「With」を配布した。その内容は、一言で言えば学長は教授会の決定に従う必要はないし、学部の自治も存在しないという主張である。理事会と教学とが協働関係を構築してゆくために新しい学長任用規程を決めようとしている最終段階の重要な時に、なぜこのようなことを平成5年の判例まで引き合いに出してわざわざ主張するのか。

 意図は明白である。2月3日の全学教授会において、圧倒的多数をもって採決された教員側提出の新しい学長任用規程案を葬らんとしているのである。

 いったい北元理事長が昨年4月に出した声明は何だったのか。「教員の意思が反映されるような大学運営を行うこと」という文部省の行政指導を受けて、新しい学長の選任方法について、現学長のもとで「学内最高の審議機関」である全学教授会において審議をしてゆくことがおごそかに宣言され、全学教授会を法人と教学との協働関係構築の場とすることを理事長は自らの言葉で約束したのではなかったか。ところが佐々木学長はいっこうに全学教授会の成案を得ようとはしなかった。そして、教員側の提出案が3学部で圧倒的支持を受け、全学教授会で採決すれば常任理事会案が否決されることが明白になってくると、学長は「採決」の動議を拒否して退席してしまった。昨年12月17日のことである。明けて1月20日には、理事長・学長名による文書が麗々しく封筒に入れられて、全教員に配られた。それは、文部省の行政指導や大学審議会の答申に従うには、常任理事会案による学長任用規程しかないという内容である。しかしながらその常任理事会案の規程では、すでに明らかにされているように、理事会側が教員の意思を無視して一方的に学長を選ぶことが今まで通り可能なのである。理事長・学長の主張は大学審議会の文書を可能な限り曲解し、文部省の指導を歪曲しての主張である。当然ながらこのようなでたらめのはったり行為に教員は騙されず、全学教授会においては、教員の意思を反映しうる教員側提出案が圧倒的支持により、「全学教授会案」として議決された。

 そこに今回の「With」である。理事長も学長も全学教授会の決定を尊重するつもりはないと声高らかに宣言している。自分たちの案がごり押しできるだろうとよめば、「学内最高の審議機関」と全学教授会の権威を言い、不可となれば、「教授会の自治などない」と主張する。これをご都合主義と言わずして何と言おう。理事長・学長の言う「協働関係」とはいわゆる翼賛体制以外にはないことが、ますます明白になった。この期に及んで、このような教学無視の自滅行為を理事長・学長が続けてゆけば北陸大学の未来はない。

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 平成10年2月3日(火)の全学教授会

  2月3日開催の第19回全学教授会(定数16名)において、2つの学長任用規程案の

 採決が行われ、以下の結果になった。

   (1) 教員提出案(12/5 修正案)について

              賛成(10票):反対(3票):白票(3票)

   (2) 常任理事会案 について

              賛成(2票):反対(10票):白票(4票)

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