北陸大学教職員組合ニュース第105号(1998.1.8発行)
石川県地方労働委員会
名誉教授問題 第1回審問が行われる
土屋前執行委員長が証言台に立つ
組合ニュース第80号でお知らせしましたように、本組合員であった松井勝彦氏、薮邦彦氏(いずれも、前薬学部教授)に対して、本学法人理事会が名誉教授の称号の授与を拒否したのは不当であるとして、組合は平成9年7月8日に石川県地方労働委員会(地労委)に、不当労働行為の救済申立を行いました。
この申立に対し、法人理事会は答弁書を8月28日に提出し、地労委に対して申立の却下を主張しました。法人は答弁書において、「仮に大学の名誉教授の授与基準にあてはまるとしても、授与の決定は理事会に委ねられている」との主張をしており、これは、言い換えれば、いかに基準を満たそうとも、理事会の意向で恣意的に授与の可否を決定できると主張していることにほかなりません。これではいったい何のための授与基準なのかわかりません。ここにも、自分達の都合の悪いときには規則を無視し、都合のいいときには規則を盾にごり押しをするという本学法人の体質が顕著にあらわれています。
地労委は和解を示唆しましたが、法人はかたくなに拒否しましたので、やむをえず組合は証人申請を行い、証人の言をもって法人の非を訴えることになりました。第1回の審問は、12月4日に開かれ、土屋前執行委員長が2時間以上にわたって、法人理事会が教職員組合に対して、どのような態度をとってきたかについて証言をしました。これまでの法人の数々の不当行為を説明する前委員長の言葉に、地労委の委員の人たちは、何度もうなずきながら聞き入り、特に労働基準監督署の勧告により多額の未払いの時間外賃金が支払われたことや、学生の逮捕・監禁事件、尾行・盗聴器の件などについては、皆一様に驚きの表情を見せ、あらためて法人側の出席者に目をやる委員もいました。
第2回の審問は1月29日に行われる予定で、土屋前委員長に対して、被申立人である法人理事会側からの反対尋問があります。第3回審問は3月13日、第4回審問は4月29日に予定されています。時間はいずれも午後1時30分からです。一般の組合員も傍聴できますので、できるかぎりご出席をお願いいたします。
土屋前委員長の証言の速記録が、代理人を通して地労委より組合に届いていますので、閲覧希望者は、執行委員まで申し出てください。また、これまでの双方から提出された書類についても閲覧可能です。お申し出ください。
組合員の皆様のいっそうのご支援、ご協力をお願いいたします。
推薦入試での教職員の不当な配置
法人 中川専務理事が組合に謝罪する
昨年秋に行われた本学の推薦入学試験の業務配置に、組合員を不当に扱ったと思われる措置がとられたことに対して組合は強く抗議し、事実関係と責任の所在を求めてきました。これに対し、昨年末の団交の席上で法人の中川専務理事は、「推薦入試の業務配置に関し、不適切な措置があった」事実を認め、組合に対し正式に謝罪しました。組合は、文書による謝罪を要求しましたが、「それはご勘弁願いたい」とのことで未だに拒んでいます。
それにしても、入試のような全学あげての重要業務にまで人を差別するような感覚が法人側の一部にあることは事実です。法人や一部の幹部職員のこのような行為が、教職員の信頼関係、協調性、そして大学業務への熱意を失わせているとしたら、看過できない重大な問題です。その上、またもや、法人側の「信頼関係を築く」という言葉は口先だけのものであることを露呈してしまいました。
組合は差別のない民主的な大学運営を望んでいますが、法人側が入試業務にまで差別を持ち込むならば、言い換えれば差別の道具として「入試」を使うならば、組合側も重大な決意で、これからの「入試」を考えなければなりません。
これまで、北陸大学における多くの問題を組合は指摘してきましたが、今回の出来事を含めて、すべての問題は、誰が引き起こしているのでしょうか。引き起こされた問題の後始末に使われるエネルギー、時間、そして費用はすべて無駄なものです。この数年間の本学は、このような無駄なことにばかりに明け暮れていたのではないでしょうか。このような状況を一日も早くたち切らねばなりません。
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あけましておめでとうございます。
組合はその設立趣旨を心に力づよく前進します。
明るいキャンパスづくりに今年も頑張りましょう!
平成
10年1月8日北陸大学教職員組合執行委員会一同