北陸大学教職員組合ニュース第91号(1997.9.1発行)

 

 

 

 

「地区別懇談会」近づく

 

父母との信頼関係の再構築を!

 

父母会役員らに誠意ある対応を望む

 

 父母会「松雲友の会」の地区別懇談会が開催される季節となりました。懇談会は、学生の学修や学園生活を父母らが理解する上で重要な行事であり、父母会が主催する最大の事業です。この懇談会には、これまで多くの教員が協力しており、大学の教育の現状を詳細に報告し、父母の疑問や心配にこたえ、必要なら父母と個々に面談して説明しています。また、事務職員は会の準備から会場設営まで大変な労力で協力してきました。

 今年も父母会からの要請によって多くの教職員が懇談会に協力するものと思われますが、教職員組合員には忘れてはならない出来事があります。それは、昨年10月18日、本学の全教員は、父母会会長である本良之氏から組合非難とも受け取れる一方的な見解の手紙を受け取りました。これに対し、土屋執行委員長は、組合を代表して本良之会長に書簡を送り、私たち教員の立場を説明して理解を求め、父母会役員との対話を呼び掛けました。しかし、本良之会長からは一言の返事も戻ってきませんでした。会長や副会長は石川県下に在住していながら、私たちに会うこともしませんでした。

 “4000人学生の父母を代表する”父母会会長としてはいささか思慮のない、偏見に満ちた一方的な手紙で、私たち教員との信頼関係に亀裂を生じさせたまま今日に至っています。手紙を送付した当時、父母会役員らは、湯涌温泉(金沢市)で会食し、法人側の身勝手な説明に同調していたとの噂があります。あの手紙の送付が父母会役員会の決定であったとしたら、同じ体質が現在も継続されているとみなさざるをえません。その後の教員との関係修復を放置した責任は、きわめて重大であります。

 北陸大学教職員組合には、70 %以上の教員が加入しており、平常の教育ばかりでなく、大学運営の重要なポストも多くの教員(組合員)が担当しています。組合の協力無くしては正常な教育や、まともな大学運営は不可能です。このことを理解しないで、父母会役員らの不誠実な対応は、無責任ではないでしょうか。自分たちの学生のことを真剣に考えているのかと心配になってきます。父母会のあり方が問われます。

 私たちは職務である学生の教育や指導の内容を、父母らに“説明する義務”があると考えています。よって、父母会の地区別懇談会に教職員(組合員)が協力することの是非は問いません。むしろ、不正常な大学運営を行って、文部省から「異例の行政指導」を受けている本学法人や、教員に信を問えない学長・学部長がリーダーシップを発揮できる状況にない現在、平穏に教育を遂行し、安心して教育を受けられる環境を作るために、父母会と教職員が信頼関係を取り戻すことが急務であると考えられ、地区別懇談会はその絶好の機会と思っています。

 しかしながら、この懇談会があくまでも父母会主催である以上、協力をお願いする立場の会長をはじめ父母会役員は、昨年の手紙送付の経緯を説明して、教員らに誠意を示していただきたいものです。私たちは父母会役員と話し合う準備はしています。

 父母会役員が教員を無視したままでは、実りある地区別懇談会は期待できません。

 

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法人の経営責任を追及

 

7つの質問書・要求書を理事長らに提出する

 

 組合は、北元理事長らに対し、以下の質問書・要求書を8月中に提出いたしました。北陸大学の名誉と信用を回復し、キャンパスの暗いイメージを払拭するために、北元理事長らのこれ以上の沈黙は許されません。(詳細は、既報の組合ニュースを見てください)

 

1.「文部省の行政指導の内容を明らかにせよ」

 

今年3月、本学法人が文部省より「異例の行政指導」を受け、法人の体制、大学運営の改善 を指導されたと聞くが、その内容を教職員に一切説明していない。明らかにすべきである。

2.「有限会社フォワードの実体を問う」

 本学法人が監督官庁である文部省に2度にわたって行った「虚偽報告」に関係した営利目的 の「フォワード」なる会社の実体を、当時の社長である松村幸男本学理事に質問した。

3.「衛藤氏問題の対応と責任の所在を明らかにせよ」

 

理事会は、衛藤瀋吉氏(元亜細亜大学学長)を次期学長に予定したが、直前の今年2月突然 撤回した。衛藤氏への和解金支払いの説明を求め、その責任の所在を北元理事長に問うた。

4.「大学の経理の公開を求める」

 学校法人である北陸大学は、国民の税金と学生納付金で賄われている。3億円もの高額な退 職金を支払ったり、豪華サウナ施設をつくるなら、学生のための施設充実を図るべきである。

5.「北元理事長の団交不出席の理由を問う」

 既に34回も団体交渉が行われているが、不誠実にも北元理事長は一度も出席していない。

6.「学生監禁事件の事実関係を明らかにせよ」

 

法人職員による、外国語学部学生の「逮捕・監禁事件」が市販雑誌に掲載されて、非常に驚 いた。教育の場において行われた事件に、法人は事実関係を一切説明していない。

7.「北元喜雄前理事長の法外に高額な退職金を返して貰おう」

 本学法人は、3億円もの高額な退職金を前理事長に支払ったが、これは、法人理事会が退職 金規程などを改定して行ったものである。旧規程との差額約2億円を返還するよう要求した。

 

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