北陸大学教職員組合ニュース第90号(1997.8.30発行)

 

 

第33回団交

 

スポーツセンター2階部分

 

一転して、職員福利厚生施設 と説明

 

「虚偽報告」で欺瞞に満ちた法人理事会

 

 文部省へ「虚偽報告」をしたスポーツセンターの2階部分のサウナ設備などの施設について、前回団交(第32回)では、法学部設置申請のためと、あたかも学生のために建築し、虚偽をしたかのような答弁をした法人側は、7月25日の第33回団交では、組合側から「顛末書」の内容を追及されると、一転して、「2階部分は、あくまでも職員の福利厚生施設である」と答えました。

 法学部の不自由な講義室や、学生らの体育施設が完備していない状態で、豪華サウナやリラクゼーションルームなどを備えた職員用厚生施設が、それも営利を目的にした「有限会社フォワード」のものとして、学生の授業料で作られている。文部省を騙してまで高額の費用をかけて作らなければならなかったものでしょうか。完成から3年以上も経つが、職員用施設とは聞いたことがない。誰がこんな施設を望んだのでしょうか。団交での法人側の答弁は、あきらかに欺瞞です。

 我々教職員にその青写真をひた隠しに隠して、理事会が勝手に作ったのである。大学を私物化しているのではないかと言われても弁解できないはずである。設備の管理維持費のことを考えれば、サウナなどは直ちに閉鎖し撤去すべきである。そして北元喜朗理事長以下、関わった理事達は、建築費など浪費した金額を大学に弁済すべきである。

 建設当時、文部省の視察に、2階に上がる階段に青いシートを掛けて視察団の行く手を阻み、隠蔽工作を行ったといわれている。そして「虚偽報告」を繰り返した。これが、大学を設置する法人の理事達がやる仕事でしょうか。7月18日付けの「With」ほど空々しいものはありません。何が“法学部を擁する大学”ですか、虚言の一語につきます。

 

 7月25日の第33回団交の模様は以下の通りです。今回も北元理事長の出席はありませんでした。

 

<要旨>

1.「虚偽報告」について、法人は、スポーツセンター2階部分は職員の福利厚生施設  であると主張した。虚偽報告の理由付けが前回と異なるため、組合は法人が文部省  に提出したとされる「顛末書」を公開するよう要求した。

2.就業規則の変更に関して、労基法改正に合わせた週休2日制の導入は、労務責任者  である法人側が推進し、教職員に周知徹底すべき事柄であると組合は主張した。

3.給与改定交渉で、法人側は、2.85%アップを提示した。

 

1.虚偽報告

 7月18日、法人は「With」を発行した。いつもと変わらぬ“自分達の理論”に終始して、見識を疑う内容である。行政指導や虚偽報告を軽視し、一方的な自己弁護であり、一連の不祥事にまったく反省の態度が感じられない。スポーツセンター2階部分は、「魅力あるキャンパスづくり」といい、学生施設であるかのような印象を与えている。

 

組合:スポ−ツセンタ−2階部分の豪華サウナ施設などは,法学部設置申請に付随したもの

   というが、我々教職員でさえ利用しにくい豪華な不要不急の施設と思う。虚偽報告に

   関して、文部省に提出した顛末書の内容を明らかにして欲しい。

法人:顛末書では、2階部分の施設は,職員福利厚生施設と書いた。不要かどうかは見解が

   分かれる。

組合:職員福利厚生施設とは今日初めて聞いた。前回の団交でも一切言わなかった。顛末書

   で虚偽のいいわけに使ったのではないか。

法人:・・・・・(無言)

組合:職員施設であるというが、出来上がるまで教職員には一切知らせず、相談もなかった。

   明らかに無駄なものを学費で作って職員厚生施設ということは、学生や父母の前では

   我々教職員も法人と同罪視される。このことに何の釈明もないのか。

法人:・・・・・(無言)

組合:以前、これらの施設は隣接する「太陽が丘住宅団地」の販促パンフレットに記載され   て、団地の宣伝に使われていた。職員施設ではなく、団地の住民のためではないのか。

法人:・・・・・(無言)

組合:授業料で作って、団地住民の利用に供するとは、すこしひどいじゃありませんか。

法人:・・・・・。あったかも知れませんが、(今は宣伝利用を)やめてもらったはずです。

組合:学生や父母のことをあなた方は本当に考えていたのか。顛末書をぜひ出して欲しい。

法人:検討する。

組合:法人は、大学の教育施設を第一に考えるべきなのに、一体誰がそのような施設を企画   し、誰が決定したのか。そして無駄を指摘されたら、一転して「職員厚生施設です」   などというのは駄目だ! 顛末書の件は検討するというのなら、回答を待つ。

 

2.就業規則の改正

 

法人:就業規則の一部改正案を提案したい。

組合:労働条件の変更は、組合と協議し合意しなければならない。変更内容を事前に団交事   項として組合に提案し、合意した上で就業規則の改正案になるものである。

法人:確かにその通りです。今提案をしているのは協議のためのものであると考えていただ

   きたい。

組合:団交で話しを持ち出すなら、労働協約の提案を先ずすべきである。いきなり就業規則

   の改正案というものはない。団交の提案文書に改めてほしい。

法人:労働条件の変更であることは認める。労基法に基づく就業規則の改正として提案して

   いるが、協議の内容は同じである。

   週休2日制の土曜休日の件は、教学カリキュラム上で解決されての問題である。

組合:それはおかしい。休日にするかどうかは、そちらが話しを出し、協議すべきものだ。

法人:それはちがう。じゃ、法人が勝手に(教学に影響することを)提案していいのか。

組合:法人理事会に、学長が入っているのは何のためだ。学長が駄目なら、学事本部長が教

   学サイドに協力を求める努力をしなければならない。やっていないではないか。

法人:やっていないなどと決めつけるのは乱暴な話だ。すでに、各学部の教務委員会などで

   話し合われているはずだ。

組合:(3学部教務委員長:)法人側から、土曜休日に向けて検討して欲しいという申し出   は一度もない。検討すべきなら、正式なルートを通して依頼して欲しい。

法人:周知徹底していない部分もあるが、土曜休日が実施できるかは、教学上のファクター

   が大きい。大学は教育機関であるから、先生方がきちんと対応すべきだ。

組合:非常勤講師の契約上の問題もある。土曜日を指定する講師もいるが、その契約は法人

   がやっている。教学サイドにのみ協力を求められてもどうしようもない部分もある。

 

 この団交の最中に「With」(7月25日)が発行され、就業規則一部改正(案)が公表

 された。組合との協議にも入らない前に、一方的に改正案として法人側が発表したこ とは、組合無視もはなはだしい。正常な労使関係を築く気はないようである。

 

3.給与交渉

 法人側は18才人口減や、臨時定員増廃止に伴う学生数の減少による収入減を中心として、将来の本学の経済状態を説明した。安定な大学経営を維持するために、理解を願いたいとして、2.85%アップを提案した。しかし説明はこれまでと同じであり、将来にビジョンが無く、マイナスイメージを植え付けるやり方である。

 

法人:財務諸表の開示を主張されるが、現実に、将来の経済展望は今説明した通りである。

組合:そんなことは分かっている。我々に理解をお願いするというなら、財務諸表を開示し   て説明すべきである。収支状況に納得できれば、回答ゼロであっても構わない。

法人:2.85%アップは,今年の春闘状況、近隣の大学との比較でも決して低くない。  

組合:あなた方は、我々の待遇だけ世間並みうんぬんと言われるが、役員の給与はどうか。   また、一般より高い授業料を取っていて、待遇は平均以下の北陸地区を基準にしてい

   る。その差額は何に使っているのか。

法人:・・・・・(無言)

組合:太陽が丘のグランドを何度も工事をやり直しているが、ずさんな計画ではないか。

法人:そんなことはない。最初はとりあえずグランドをということで作ったが、今は本格的   なものとして整備し直している。

組合:前理事長の3億円の退職金も異常である。行政指導もされたのだから、従来の規程に   従って差額を返還していただきたい。3億円をどう判断しているのか。

法人:金額は、規程通りです。

組合:あなた方は、規程通りと言うが、その支出のために規程を変えたんでしょう。

法人:・・・・・(無言)

組合:現在の財務状態も公開せず、これまでも幾度となく指摘している支出について誠意あ

   る返答をしない。こちらの質問を棚上げにして、給与交渉の議論はできない。

 

4.人事考課

 

法人:年末賞与の人事考課について、小委員会で協議したい。

組合:こんなにいろいろな疑惑に対し、法人側は何一つ前向きの対応をしなく、不信きわ

   まる中で、人事課長は、人事考課のことしか頭にないのか。協議できる状態ですか。

法人:・・・・・(無言)

 

その他

 

組合:2200万円を越え、教育研究にまわせる私学補助金がカットされている状況を作り出

   している理事長らの報酬について、その是非を問いたい。

法人:(限度額を)越えているからいいとか悪いとかいうものではない。

組合:こんな経営をしていて理事長はどう考えているのか。

法人:理事長でないから、分かりません。

組合:なぜ、まじめに答えないのか。理事長の出席は必要ないと答弁しながら、何ですか。

法人:・・・・・(無言)

組合:先日の「With」に“行政指導に従わなくても法的に罰則はない”などと書かれてい

   たが、行政指導を受けた当事者がそれを公言するということは理解に苦しむ。

法人:「With」を読んでいただいた通りです。行政法の解釈を示しただけです。

組合:その姿勢が間違っていると言っているのだ。大体、非常識であるし、責任回避じゃな

   いのか。こういう文章を立案したのは一体誰ですか。

法人:・・・・・(無言)

組合:「With」の責任者は、中川理事ですか。

中川:ええ、そうです。

 

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