北陸大学教職員組合ニュース第86号(1997.8.26発行)
経理を公開せよ!
北元喜朗理事長は「要求書」も無視
教職員組合は、大学の経理公開を求めて、8月1日に北元理事長に対して、右のような要求書を提出しました。しかるに1ヶ月が過ぎようとしている現在までの時点で、北元理事長からは何の回答もありません。いったいこれはどういうことなのでしょうか。
大学の経理公開については、要求書にあるように、全国の私立大学の9割以上が行っています。組合は昨年来経理の公開を法人に要求してきましたが、法人はかたくなにその公開を拒否しています。
団交の席上、法人が経理公開を拒否する第一の理由としてあげたのは、「組合との間に信頼関係がない」ということでした。しかし、信頼関係を云々するのでしたら、経理を公開して自分たちが経営責任を全うしていることを証明するべきでしょう。また、「監査を受けているから公開の必要はない」という回答もありました。では、それなら公開しても何ら問題はないはずです。公開できないのなら、監査自体が不適正に行われていることになります。
また、理事会が「北陸大学運営の憲法」と呼んでいる「学校法人北陸大学寄附行為」の第33条には「この法人の財産目録、貸借対照表及び収支計算書は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に作成し、監事の意見を付して、常にこれを事務所に備えて置かなければならない」とあります。そこで、諸表が事務所のどこにあるのかを団交の席で質問したところ、「それは言えない」という回答があり、さらに、この条項は、諸表を備えて置くことを言っているだけで、公開を義務づけているわけではないという、詭弁としか言い様のない解釈が付け加えられました。法人は、自らが「憲法」と呼んでいるものを踏みにじって恥じるところがないのです。
組合が、法外な役員報酬を問題にしたときには、法人の回答は、経営責任が大きいから報酬が多額になるのも当然であるということでした。では、それならば、経理の内容を公開して、自分たちがその報酬にふさわしいだけの経営責任を果たしていることを証明するべきです。組合のこの主張に対して、団交に出席していた理事たちは、ただ黙っているだけで、答えようとはしませんでした。
学校法人北陸大学は、学生からの納付金と国からの補助金つまり国税により運営されている公益法人であり、私物ではありません。経理はかぎりなく透明でなければなりません。法人が、これ以上経理の公開を拒否するならば、そこには何らかの大きな不正が隠されていると考えないわけにはいきません。 北元理事長、なぜ経理公開に応じないのですか。
学校法人北陸大学 平成9年8月1日
理事長 北元喜朗 殿 北陸大学教職員組合
執行委員長 土屋 隆
公開要求書
経理の公開について
私たちは、昨年来「大学の経理公開」を団体交渉の度に、さらに地方労働委員会を通しても強<要求してきた。一般論としての私立大学における経理公開の必要性については、繰り返す必要もないが、「全国私立大学白書」によれば、私立大学の9割以上が教職員に対して経理の公開を行っており、常識的な私立大学においては理事者が経理を公開するのは至極当然の営みであることを、重ねて強調しておきたい。さらに加えるならば、本学は監督官庁から「経理公開を進めるべき」との行政指導を受けているとも聞き及ぶ。それでもなお貴殿が頑なに経理の公開を拒み続けていることは、遺憾の極みである。
このような場合、普通の人々であれば次のように考えるであろう。「経理を公開すると、いかがわしいことをしているのが白日の下に晒されるからこそ、それを拒んでいるのだ」と。私たちもそう考えざるを得ない。隠せば隠すほど、知られては困ることがあるのではと勘繰りたくなるのが世の常である。
しかし本学にとって残念なことに、この勘繰りは根拠のないものではない。これまでの私たちの調査によって、前理事長が当時の規程を改定して3億円もの巨額の退職金を受け取つたこと、文部省から「異例」とまで指摘された理事の終身功労年金制度が存在していたこと、数名の理事者の報酬があまりに多額であることから国からの補助金をカットされていたこと、等々が次々と明るみにでたのである。ここに挙げた3点は、貴殿らがまさにお手盛り感覚で大学を運営してきたことの実証に他ならない。ありていに言えば、「私物化」である。それも、きわめてプリミティブな。
すでにこうした「私物化」が露見した今になってもなお、経理公開を拒み続けるということは、さらにこれ以上の問題が潜んでいるものと推測せざるをえない。私たちは、いくつかの事項について現在調査中であるが、本学のため、これ以上の「私物化」の実証が出てこないことを祈るばかりである。貴殿は、学校法人の理事であり理事長である。理事の最大の職責は、寄付行為によって設定された法人の基本財産の管理である。この学内に、塵一つも、貴殿に私できるものは存在しない。貴殿には、教育という公的責務に任ずる大学の責任者として、かかる「私物化」との疑いを払拭する義務が存することに思いを致すべきである。
そして、こうした問題に、経営者、組合双方が多大の労力とコストを注ぎ込むことの不毛さを一刻も早<理解していただきたい。貴殿の決断こそが大学を救うのである。そして貴殿の名誉をも救うのである。直ちに「経理を公開すること」を強〈要求する。 以上
北陸大学は私達の職場です。
前理事長に3億円の退職金と年間3000万円の終身年金を支払うことが適正な大学経営といえるでしょうか。経理の公開は是非必要です!
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