北陸大学教職員組合ニュース第83号(1997.8.20発行)

 

 

教育環境の改善と大学の正常化を進めるために

 

 

文部省からの「厳しい行政指導」の内容を開示せよ

 

北元喜朗理事長へ公開要求書提出

 

 皆さんすでにご承知のように、甚だ遺憾なことですが、本年3月18日に学校法人北陸大学理事長の北元喜朗氏が、文部省から「異例の厳しい行政指導」を受けました。このことは、4月2日のNHKニュースを皮切りに、テレビや新聞などの報道機関により「国に虚偽報告2度」や「運営体制の見直し指導」などの見出しで一斉に報じられました。さらに、組合が入手できた指導内容については、北陸大学教職員組合ニュース第64号(4月17日発行)と第65号(4月18日発行)でお知らせした通りです。

 それらによると、今回の行政指導は「理事会と教学との意思疎通が円滑ではない」、「理事会が大学運営を独断的に処理している」、「理事会等の構成に問題があり適正に機能していない」の3点を基本認識として、20〜30項目にも亘る異例でかつ厳しいものとのことです。特に、文部省への虚偽報告は重大な不祥事であるはずです。それ以後も、北元理事長はじめ法人役員等が頻繁に文部省に呼ばれて、改善方の指導を受け、特に体育施設サウンドトラックに関する虚偽報告につては「顛末書」を文部省へ提出させられたことが、団体交渉の席上でも分かりました。(組合ニュース第82号、7月27日発行参照)。

 ところが理事会は、法人の広報誌「With」(7月18日発行)で、「法によるところでは、行政指導に従わなかったことを理由に、不利益な取り扱いをしてはならないとされています。」と反省するどころかむしろ開き直っています。そして、「管理運営を適正化し、更なる発展へ」努力していると言っていますが、一体なにが変わり、どこが改善されたのでしょうか。理事会の基本的な体質は、全く以前と変わっていません。

 大学を正常化して教育環境を改善するために、理事会はまず、文部省からの行政指導を真摯に受けとめて、指導項目のすべてを公開すべきです。そして、それらのそれぞれれについてどのように改善したのかを、教職員に知らせるべきです。

 

 そこで第一段階として、この「行政指導の内容」の開示を法人の責任者である北元理事長に求めて、右の要求書を提出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校法人北陸大学 平成9年8月1日

 理事長 北元喜朗 殿 北陸大学教職員組合

執行委員長 土屋 隆

公開要求書

                                               

文部省による「行政指導」内容の開示について

 本年3月中旬、学校法人北陸大学の理事長である貴殿は、文部省から「異例ともいえる」行政指導を受けました。私立学校法により、独自性を維持した運営が許されるはずの私学に対して、かかる厳しい多項目にわたる指導がなされたことは、本学に関る全ての者にとって、まさに千載の痛恨事であります。         

しかるに貴殿ら理事会は、指導から4ケ月を経た先日に至りはじめてコメントを発表しましたが、それは非公式公報紙「With」において、「こうした指導に従わなかったことを理由に、不利益な取り扱いをしてはならないとされています」というものでした。このコメントは、指導を受けたことに対する一片の反省も見られないばかりか、私学の独自性と異常な私物化とをすり替えた不遜極まりない態度を示すものと受け取られ、本学経営陣に対する内外の不信感を一層募らせるものであります。かかる文書を発表した者の責任は重大です。

 さらに問題なのは、法人の責任ある者の誰一人として指導の内容すら公表しようとはしないことです。われわれは、マスコミ各社の情報等によりその大要を知るに至つてはいますが、指導を受けた本人が自らの責任において全ての情報を開示し、率直に否を認めることが、本学にとって焦眉の急である「正常化」の第一歩になるはずです。

それにもかかわらず、4ケ月後に我々にもたらされた唯一の情報が前述の「With」であるという事実は、われわれ教育の現場に在る現職員はもとより、本学に学ぶ学生諸君、子弟の教育を本学に期待した御父母諸氏、そして、本学を愛する卒業生諸賢と文部省をはじめ本学の発展を願っている関係者諸氏、全てに対する理事会の背信を如実に示していると言わざるをえません。

 このような非難を浴びずに、われわれの働く教育環境を改善し、大学を正常化させて、大学と法人が共に社会の信頼を取り戻すために、学校法人北陸大学の責任者としての貴殿に対し、行政指導内容の全てを即刻開示することを要求します。  以上

 

 

北陸大学は私たちの職場です。

教職員組合は、大学の正常化に取り組んでいます。

大学の発展は私たちの熱意にかかっています。

頑張って行きましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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