北陸大学教職員組合ニュース第79号(1997.7.7発行)

 

人事考課を強行するなら

 

スト、街頭ビラまきも辞さない!

 

組合臨時大会開催される(6月25日)

 

 夏期賞与の交渉が大詰めになった6月25日、教職員組合の臨時大会が開かれました。岡野執行委員の司会で始まった大会は、先ず櫻田書記長より、最近の団交などの経過報告,ついで、柿木委員より、就業規則及び36協定について報告がありました。

 議題に入って、給与改定の要求、並びに賞与における人事考課の実施について、執行委員会の見解が示され、討議の結果、組合の方針(4月の大会で一部承認済み)が了承されました。これに関連して、対等な労使関係を無視した法人側の不誠実な団交態度と交渉の膠着状態、文部省の行政指導や不祥事に対する法人側の消極的対応を改めさせ、改善を促すための方法について意見の交換があり、今後の組合活動をより積極的に進めてゆくことが必要であるとの提案が、全会一致で了承されました。

 話題としては、給与交渉で参考にされた給与水準データーついて説明され、組合側データーは公的資料に基づくことが強調された。人事考課を実施している大学は,調査した100校では教育職には皆無で、事務職のみ2校であることも紹介された。

 

主な合意事項は以下の通りです。

* 夏期賞与は、給与改定が未合意で、暫定支給になることがわかっているのであるから、  遅延させているのはおかしい。直ちに支給するよう要求する。

* 賞与の人事考課については、夏期賞与での実施は阻止する。阻止によって支給が遅れ、

  組合員が損害を被った場合は、組合から何らかの補償をする用意がある。

* 冬期賞与の人事考課を事務職先行で実施したいという法人側の申し出は、組合分断を

  狙うものであり、認められない。組合は、実施できる環境が整うまでは反対する。

* 法人が人事考課実施を強行したり、不誠実交渉を続行する場合は、組合は合法活動を

  展開する。スト権の確立とスト実施、街頭宣伝としてビラ配布などを行う。

* 事務局の組合活動への積極的参加を促進する目的で、事務職組合員から2名の副委員

  長を追加したいという執行部提案が、秋の総会までの暫定的人事として承認された。

* 7月11日の組合結成2周年記念パ−ティーへの参加が呼び掛けられた。

 

また、法学部中山教授は、大学正常化の実現には継続的な活動が必要であり、言論での交渉から行動で意思表示をする時期にきていると示唆された。

 

 

組合アピール(5)

 

再び法人の経理公開を求める!

 

 大学の経理公開の要求が続く中で、法人側は依然として経理を全く公開せず、かたくなに秘匿を続けている。財務諸表の備え付けの義務はあるが公開の義務はないとか、信頼関係が確立されるまでの間は公開しないとか、その理由には一貫性も説得性も存在しない。むしろ、このまま放置すれば、法人がなぜ経理を公開して信頼の回復に努めないのかという疑問がますます深まるばかりである。

 法人が早くこのことに気付いて経理公開に踏み切るために、ここでは以下の2つの点を指摘しておきたい。

 第1は、総務庁行政監察局が平成7年6月に発表している「高等教育に関する行政監察結果報告書」である。この中に、私学助成及び学校法人の運営に関して、とくに会計経理の明確化に関する勧告として、「適正な会計処理を行うこと及びできるだけこれを公開し、学校法人会計の透明性を確保することが求められている」との明確な指摘がなされている。そして、より具体的に、学校法人が「極めて公共性・公益性の高い法人であることから、財務関係の書類を積極的に公開することが必要と認められる」とした上で、文部省に対し、「学校法人の会計処理の透明性を確保する観点から、学生の保護者を含めた関係者に対し、財務関係の書類を積極的に公開するよう学校法人を指導すること」が必要であると勧告している。

 総務庁が調査した36の学校法人のうち、経理を公開しているものが27で、非公開は9となっている。非公開の理由は、1) 関係者に周知徹底している、2) 公開の要求がない、3)財務の適格性が確保されている、などである。この報告書は、文部省が公開を望ましいとしつつ、積極的な指導・要請を行っていないという現状を認識した上で、明確に積極的な公開を求める方向で勧告を行っている点に注目しなければならない。

 第2は、法人の経理公開が重要な問題の1つとして、総務庁による調査のほか、全国私立大学白書などでも調査の対象とされており、大学法人が経理を教職員に公開している率は、全国平均で90%を越えているという事実である(1992年度全国私立大学白書96頁)。

そこには、教育・研究の内容のみならず、経営の内容も公開することが、今後大学の自己評価とも関連して、当然行うべきサービスの1つになるとの指摘がなされている。

 以上の事実からも、学校法人北陸大学のこの問題に対する対応は、すでに時代遅れのものとなっていることを早く自覚すべきである。文部省が公開を望ましいとしながらも法人の意思に委ねている現状に本学法人が甘えている時期は、もう過ぎている。いずれ公開しなければならないのなら、自ら積極的に公開して、信頼の回復を図るべきである。

 

MENU