北陸大学教職員組合ニュース第78号(1997.7.1発行)
現行給与水準の正しい理解を!
〜〜 「
With Plus」が招く混乱 ? 〜〜
「現行給与水準に正しい理解を
夏期賞与、ようやく合意なる」と題された平成9年6月27日発行の「
With Plus」の記事は、賞与に関する合意がなされた第31回団交(6月26日)後に出されたものとしては、混乱を招きかねない内容になっていると思われますので、以
下の点を指摘しておきます。
1.賞与の合意について
賞与支給日の記述を除いて、「With
Plus」の記述はすべて、給与改定交渉当初に出された法人側の「提案」であり、今回の「合意」の内容ではありません。今回の合意の内容の意味するところは次の通りです。(組合ニュース第77号参照)
@ 夏期賞与は、教員・一般職員とも「一律2.5ヶ月」で、人事考課をしない。これは、本学
から出向している職員も同様です。
A 人事考課について、法人はまだ具体的な案(考課項目、実施方法、実施時期)を提出して
いない。提案があれば組合は協議する用意があるが、現在は全くの白紙であります。
B 給与改定(ベースアップ)と冬期賞与額については、引き続き交渉する。
2.給与水準について
「With
Plus」では、本学の給与が「全国約400校の私立大学平均に極めて近い給与レベルに達し、北陸地区では他の私立大学を全て上回る水準」であるようにグラフ付きで宣伝されています。しかし、法人側がタテにとる「全国約400校の私立大学平均給与」なるものが、実態よりも極めて低いものであることが、組合側が入手した公的資料(別掲)と比較して判明しています。この資料は、全国の私立大学の平均給与を示したもので、人事院が国家公務員の人事院勧告のための基礎資料として調査したものを、労働省の外郭団体である労務行政研究所がまとめ、公表されたものです。これには、大学の一般事務職員に限定した調査結果はありませんが、教員とさほどの差はありません。法人側は、「全国約400校の私立大学平均給与」の出所を2年も隠していましたが、今回の団交で、日本私立振興財団経営相談室であることを明らかにしました。しかし、これは一般には入手できない非公開データで、しかも法人はデータをどのように加工したかも明らかにしません。はなはだ不明朗な資料といわざるを得ません。北陸地区の私大給与にも同様なことがいえます。
かねてより組合は、給与を組合のある主要私大100校の平均に近づけることを主張してきましたが、別掲の人事院調査の最も正確と思われる公的資料と、組合が実施した本学給与の実態調査アンケートとを比較する限り、「教員20%up、職員30%up」の要求は、当然の主張であります。
各種データや財務諸表を見せない不誠実な法人が、
「With Plus」で「現行給与水準に正しい理解を」といっても何ら説得力はなく、紙と人件費を無駄遣いしたに過ぎない。
上記の「別掲試料」は [地区別・職種別・規模別・年齢別給与実態] 97年版(96年実態)労政時報別冊 労務行政研究所刊(46ページ)です.組合ニュースへの転載,および,その組合ニュースを Homepageへ掲載することについて同研究所より許可が得られています.
以下は上記資料からの抜粋です(書式には若干の相違があります).
全国 職種別,規模別,年齢階層別平均給与月額(9)
全規模 (単位:円)
職種 |
年令階層 歳以上 |
平均給与月額 |
||||
決まって支給する給与(A) |
うち時間外手当(B) |
(A-B) |
うち役付手当 |
|||
大学学部長 |
-20 計(60.2歳) |
− 864,620 |
− 6,621 |
− 829,999 |
− 66,694 |
|
大学教授 |
-20 計(56.9歳) |
− 747,132 |
− 1,688 |
− 721,490 |
− 4,852 |
|
大学助教授 |
-20 計(46.1歳) |
− 572,746 |
− 1,372 |
− 571,414 |
− 0 |
|
大学講師 |
-20 計(40.8歳) |
− 488,902 |
− 1,230 |
− 487,672 |
− 0 |
|
大学助手 |
-20 計(35.1歳) |
− 410,059 |
− 3,498 |
− 406,561 |
− 0 |