北陸大学教職員組合ニュース (No.75) 1997年6月16日発行
金沢地裁
5月30日
学長選任問題の裁判再開される
原告側、佐々木「学長」と三学部長の地位無効を訴える
法人理事会が、教授会の審議を経ないで衛藤氏を学長に選任したことなどで、その違法を訴えた裁判(原告団教授25名、平成8年12月)の、第2回の口頭弁論がさる5月30日金沢地裁で行われました。この裁判は、本年2月衛藤氏の就任が白紙撤回されて、裁判所による和解に持ち込まれたにもかかわらず、法人理事会は一方的に和解を決裂させ、教員の意向を無視して、新たに佐々木「学長」と三学部長を独断で決定したため、原告団は訴えの内容を、佐々木「学長」と、山本、高田、松本氏の3氏の「学部長」の地位不存在の訴えに変更して行われたものであります。
原告団側の訴えに対し、法人側は「教授らは、学長の任免に関与する立場にない」として、原告不適格を理由に却下を求める準備書面を提出し、全面的に争う態度を示しました。一方、渡辺修明裁判長は、再度、両者の話し合いによる解決(和解)を勧告しました。これに対して原告団側は「検討してもよい」と返答しましたが、法人側は「今の段階では難しい」として拒否しました。
このように法人側は、学内の反発と混乱を承知の上で、話し合いを拒否して裁判を続行させようとしています。3月末の「教育職員の意思を徴する場を設けることを約します」とした北元理事長声明(「
With」)は一体何であったか、今一度思い起こす必要があります。法人理事会の体質が今こそ問われねばなりません。一方、「予期せずに任ぜられた(本人らの言葉)」当の学長や三学部長は、教員の信任をまったく経ていないという逃れようのない現実の前で、なんら説得性のない「規定どおり」を主張するのみで、最高学府の教育の責を負っている者としての真摯な態度が見られません。この人達に活性な大学運営ができるはずがありません。
現在、佐々木「学長」には,就任1ヶ月にして114名の教員から「辞任勧告」が提出されていますが、久野前学長の「辞任要求」(昨年12月)のときの署名者106名を上回っている事実に、大学の正常な運営、民主的な決め方を求める教員らの一層強い意思が表現されていると見ることができます。
三学部長に対しても、各学部の教員多数から「辞任勧告」が提出されています。
組合アピール(4)
法人役員の高給与を減額せよ!
北陸大学には、普通の常識では理解し難いことが少なくない。その1つとして、大学の予算・決算が全く公開されず、その経理状況が外部のみならず、教職員や学生にも全く分からないことである。しかも、学内規程の基礎である「北陸大学寄付行為」によれば、財産目録、貸借対照表および収支決算書は、常に大学事務所に備え付けておかなければならないと定められているので、あたかも閲覧可能であるかのように思えるが、実際は閲覧を要求しても固く拒否されるのが現状である。法人理事達は、備え付けの義務はあるが、開示の義務はないというが、これは牽強付会の理論であり、それならなぜ備え付けが義務づけられているのか、規程の意味と根拠を答えてもらいたいものである。
そして、何よりも経理の公開をしないことが、その内容について不正を疑わせることになることを法人は心すべきである。経理の公開は、教職員や学生の信頼と協力をえるための当然の前提であるし、理事会が正常に業務(経営)を行っている証しになるはずである。
経理の公開拒否は、かえって多くの情報を生み、法人役員の給与について、国庫助成金の給付条件の限度額を上回る給与を得ている者が、なんと4人もいることが判明し、すでに公知の事実になってしまった。また、あまりにもひどい「功労年金制度」は、先日の文部省の行政指導によってしぶしぶ廃止したようであるが、その経緯も説明されていない。
理事長を含む4人の法人幹部の給与も、限度額まで引き下げられるべきものであろうが、その気配はなくそのまんまほおかむりとなる公算が強い。そこで、我々の入手した情報から、4人の給与がどの程度であるかを皆さんに公開する。これは個人のプライバシーの問題ではなく、国税を使う役職理事や学長のいわば公人の情報として公けの批判にさらされるべきものである。平成8年度の概算でいうと、次の通りである。
北元喜朗理事長:3,700万円 久野栄進学長(前):2,900万円
中川幸一理事 :2,300万円 北元喜雄理事(前):3,900万円
繰り返して言うが、これは国が私立学校助成金を交付する際の限度額(役員給与は2,200万円,教職員給与は1,800万円)をはるかに上回る高い水準であり、県知事クラスや早大総長を越える驚くべき超高給である。当然、補助金は大幅にカットされています。
北陸大学は4人もの役員に、こんな高給を出せるような裕福な経理内容なのだろうか。オンブズマンによる経理内容の検討と監視が是非とも必要である。
教職員組合結成2周年近づく 全組合員の参加を
2周年記念パーティー開催決定!
日 時: 7月11日(金)19:00〜 場 所: 白鳥路ホテル (裁判所横)