北陸大学教職員組合ニュース第69号(1997.5.15発行)

 

北元理事長の団交出席 未だに拒否

 

26回団交、またもや不誠実

 

 第26回団体交渉が、5月7日() に行われました。組合大会の後で、交渉事項は多かったのですが、組合側の教員人事問題の質問に、法人側が適切な返答ができず、誠意のない態度に終始し、進展しませんでした。ここに概略をお知らせします。

<要旨>

1.労務担当理事が西谷氏、松村氏であることを確認。

2.理事長の団交出席要求には依然として拒否の姿勢崩さず。

3.教員人事について

  (1) 4月昇任の人事の遅れについて、「4月1日に遡って昇任、5月9日に発令式」との返答のみで、人事の遅滞理由の説明なし。

  (2) 新任教員の1年契約制問題では、「検討して是正すべきと考えている」との返答であるが、「承っておく」という侮蔑した態度であり、誠実さがない。

(3) 薬学部の松井,藪教授に本学名誉教授の称号が与えられなかった理由の説明を求めたが、「団交の議題ではない」として拒否、その後「次回に返答する」と約束。

 

(1) 教員人事遅滞問題

[経緯]昨年、外国語学部、法学部で遅滞した教員人事の遅滞理由の説明、及び1月発令 を撤回し遡及発令する要求について、前回の団交で次回回答するとしているにもかかわ らず、何ら返答がない。3月に各教授会から4月昇任の人事案件(法学部1名、薬学部 5名)が上がっているにもかかわらず、新学期1ヶ月経過後も何の通知もない。

 

組合側:なぜ遅れたのか。1月発令は本人にとって履歴上不利である。遡及発令を求める。

法人側:教員の人事事項はここで話すべき事でない。学長や学部教授会を軸として正規のルートで解決すべきことだ。

組合側:組合員の人事問題は義務的団交事項とされている。拒否することはできないはず。3月に各教授会から昇任人事が上がっている。その結果はどうなっているのか。

法人側:4月1日の発令が決まっている。明後日が辞令交付式だ。

組合側:教育は4月からだ。遡って発令すればそれでよいという考えは、無責任である。

 

(2) 教員雇用の1年契約制

[経緯]新任の先生が1年契約になっている。1年契約では有能な人が本学に来ないし、 また定着しない。現に1年契約の先生が次の職を探している。また、本人の組合加入や学内での自由な意思表明の障害になっている。

 

組合側:就業規則の例外的な規定をもちだして、正規の採用に適用している。これ(1年契約制)を撤回する気持ちはあるのか。本当に教育の向上を考えているのか。

法人側:承っておく。是正すべきと考え、改善していこうとは思っている。

 

(3) 薬学部名誉教授発令拒否

[経緯]3月末に薬学部の松井教授、藪教授に名誉教授の称号が与えられるよう学長が理事会において推薦したにもかかわらず、その理事会で拒否された。当時の人事委員長は中川氏であった。薬学部教授会(4月)では、学部長が「その理由を聞いたがよく分からなかった。理由を知りたければ、そちらで直接聞いてくれ」と、無責任な発言した。

 

組合側:拒否された理由は何か。組合員であったことが理由でないか。

法人側:理由を言う必要はない。組合とは関係ない。組合員である、ないは理由でない。

組合側:両氏は組合員であり、拒否した理由が説明できなければ、納得できない。

法人側:教員人事は教学の問題だ。知りたければ、学長や学部長に聞いてくれ。

組合側:薬学部長は「理由は分からない」と言っている。教員全体の身分に関することだ。

法人側:この場で取り上げるものではない。

組合側:組合員に対する不利益扱いである。だからこの場で説明できないのではないか。

法人側:私(中川)はいくらでも答えられるが、ここでは不適当だと言いっている。

組合側:理事会が決めたことを、あなた方理事が説明できないのか。

法人側:では、学長に説明させる。学長のところへきてほしい。私(中川)も陪席する。

組合側:その理事会に出席していない現学長が説明できるのか。今の学長ではだめだ。

    組合員の身分に関することを説明しないのは、労働組合法第7条違反である。

法人側:違反しているかどうかは、見解の相違だ。

    大体、名誉教授の称号授与は、恩典だと考えている。理事会の恩典で与えるものに、与えなかったからと一々理由を説明する必要はない。

組合側:両氏は、名誉教授の規定(年数、登載教員など)に該当している。更に、松井氏は図書館長を、薮氏は学生部長を歴任している。恩典というなら、なお適格であろう。拒否は異例のことだ。理事会であなた方(中川、松村理事)が主導でやったとは思えない。北元理事長をこの場に呼んでいただきたい。

法人側:我々に団交の権限がある。理事長を呼ぶ必要はない。

組合側:このような簡単な質問をまともに判断できないようでは、権限があるとは思えない。責任者たる北元理事長が出席して対応すべきである。呼んでほしい。

法人側:両氏については(当方で)確認したいことがでてきた。次回に返答する。

 次回団交が5月13() に決まり、その席で法人側は返答をすることを約束しています。最後に、団交事項の回答を事前に文書で提出することを要求し、以下の例を挙げて、交渉の速やかな進展を求めました。

  1.昨年度の教員人事が遅れた理由 4.教員人事のあり方全体に対する考え方

  2.今年度の教員人事が遅れた理由 5.教員の1年契約のあり方

  3.薬学部実験助手の考え方 6.大学正常化のあり方