北陸大学教職員組合ニュース第47号(1997.1.31発行)

 

組合報告会開かれる

   盗聴器に大きな関心

   前理事長への退職金3億円の事実明らかにされる  

 組合は、最近の組合をとりまく諸情勢について、1月24日18時より、薬学部202PN教室にて報告会を行いました。お知らせが直前だったにもかかわらず、多数の参加者があり、皆様の組合活動への関心の高さをうかがい知ることができました。岡野執行委員の司会で始められた報告会の概要は以下の通りです。

(1) 平成8年度の給与改正について(報告:櫻田書記長)

 当初の1.7%から2.6%、更に3.8%へと昇給率アップ獲得は、組合の大きな成果であるが、組合が設定した8%にはまだ遠い。法人が経営実態を示す経理を公開しないため、交渉は困難を極めている。なんらかの解決を見いだす時期にきている。団交の席で、理事会役員4人の報酬が私学補助金のカットの対象になる高額なものであること、前理事長へのいわゆる退職金が3億円に近いことなどの事実が次々と明らかにされた。法人側は“規程通り”を主張しているが「自分勝手なお手盛り」は断じて認められない。組合は、このような異常な法人給与ベースを強く指摘し、その是正と早期の給与交渉解決を法人側に迫っている。法人は新たな提案を模索しているようであるが、安易な妥協はしないことを皆様に約束する。

(2) 36協定と週休2日制について(報告:櫻田書記長)

 平成9年3月末日までの本年度の36協定は、太陽丘キャンパス、薬学キャンパス事業所とも締結された。これによって事務職員の時間外勤務条件、並びに隔週土曜休日などが決定した。薬学キャンパスは組合が一方の当事者であり、今後とも事務職組合員と相談の上、対処したい。また、4月1日以降は週40時間厳守となるため、週休2日制導入が考えられるが、土曜日の休日については、教育カリキュラムによって考慮すべき点があることを法人側から指摘されている。

(3) 組合ニュース号外(1/16)の内容について(報告:土屋委員長)

 盗聴器発見の経緯の詳細は、今はお知らせできないが、組合活動を盗聴するために仕掛けられていたことは事実である。おおよそ、民主的な大学なら、設置されている事実だけで大問題になる。組合と対峙している法人の関与が疑われるのは当然である。法人は大学の名誉云々で組合攻撃するのみで、厳正に対処しようとしない。

 一方、委員長に対する尾行監視は学外ばかりか、学内でも行われた。委員長を標的にした組合への悪質な妨害、迷惑行為である。私的には委員長夫人までも迷惑を被った。また、中傷文書は、その内容から教員が関与していることは間違いない。虚偽の内容と名を名乗らないのは卑怯であり、教育者として断じて許されない。また、再三にわたって学内配布を見逃していることで、法人の関与も大いに疑われる。

(4) マスコミの動きと対応について(報告:土屋委員長)

 最近の新聞各社の取材は制御できないほど活発である。きっかけは、昨年11月に社会部記者宛送られた委員長に対する虚偽の中傷文書であると各社記者は言う。TV会社までも取材に来る。共同記者会見は、我々に協力的な各社を平等に扱う必要と、勝手にスクープされ、間違った内容の記事で誤解されることを恐れたからでもある。北陸中日新聞の盗聴器記事は、弁護士と相談の上対処するから暫く差し控えて欲しいと申し入れていたので、全く予期しなかった。中川専務理事も取材に応じて、法人が主張する“大学の名誉失墜”に手を貸しているのに、このことで法人や一部の教員が、盗聴の被害者である組合を非難するのは納得できない。

(5) その他

 地労委への提訴、文部省への上申書、次期学長問題、現学長退陣要求、公選制規程の承認などに関し、その後の経過について関係委員や有志の会から報告があった。

 

 その後出席者から質問を受けましたが、最も関心が大きかったのはやはり盗聴器問題でした。組合が保管している実物を提示した後、実際に盗聴器が機能していることも実演されました。また組合は、これら盗聴、尾行監視、中傷文書に関し、弁護士だけでなく、専門家や警察関係者の助言を得て対処していることも報告され、すべてが本当の事件であったことを参加者は納得した様子でした。

 更に、公選制の学長・学部長選出規程(案)について、質疑がありました。全教員の8割が承認手続き投票に参加したこととあわせ、多くの教員は学園の民主化運動に理解を示していることが分かりました。

 

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