北陸大学教職員組合ニュース第46号(1997.1.27発行)
盗聴事件、尾行、監視、悪質な中傷文書について
不本意ながら法人の With Plus に答える
この件に関する法人側の対応は、全く奇妙で不自然である。
まず、1月14日に団交で最初に抗議した際の異様な雰囲気と法人側の対応、これについては、既に組合ニュース44号(1月21日)で触れたとおりです。次に、盗聴などについて報じた組合ニュース号外(16日)と中日新聞記事(19日)に対して、法人は、With Plus(組合ニュースに対抗して出される学校法人ニュース)で、異常としか思えない反応を示したことです。大学の名誉を傷つけたとか信用を失墜させたとか、組合の非難にのみ終始する法人の態度は、我々の法人に対する疑惑を一層深めるばかりです。
「学内で盗聴器がそれも講義室から見つかった」ことが問題であり、これを確認した時の我々のショック、大学キャンパスのしかも講義室になぜ、既に昨年9月のニュ−ス28号(教員個人研究室の無断捜索の件)で危惧していたことがやはり事実だったのかとの背筋の凍るような思いだった。幾種類もの悪質な中傷文は現に学内で配布され、尾行、監視は学外だけでなく学内でも多くの人達に目撃され確認されており、それに盗聴器までも学内に仕掛けてあったのです。
次のショックは、これらの件についての対応を相談した学外のいろいろな分野の専門家や学識経験者のほとんどから、「やっぱり」などと言われたことである。国公立やほかの私立大学でも、そのように言われるだろうか。否であり、恐らく他大学ではこの種の事件が起これば、教員はじめ大学全体で大問題となり大騒ぎになるでしょう。」ところが本学では、学長、学部長など教員幹部は全く知らん顔で、法人は我々を非難するのみで、教員の一部までもがこの件の本質には触れず外部に漏れたことだけに文句をいっている。被害者である我々がなぜ悪者にされるのか。いつもの「分かりきっているのに今更騒ぎ立てるな」と言うことなのだろうか。
この種の問題が起こったとき、まず疑われるのは誰か.世間の常識としては、一般に対立関係や利害関係にある場合は、その相手が疑われる。事実、これらの件について相談した学外の人達のほとんどは、相手は法人側がという前提でアドバイスしてくれた。法人またはその関係者以外とすれば、誰が、何の目的で大学教員の我々にこのようなことをするのだろうか。いずれにしても法人、理事会がまず第一に疑われるのは当然で致し方ないことです。法人側は、組合ニュースなどの言葉尻をつかまえてとやかく言っている時ではないはずです。まず、何をさておいても事実関係を明らかにして、法人が関与していないのならば、疑惑を晴らす努力をすべきです。たとえ無関係であったとしても、キャンパスを管理している法人に学園内で起こったこれらの件では責任があるはずです。
法人は事務職員に聞き取り調査をしたとのことですが、一般的に、ただ単に、犯罪的行為を「やっていませんか」または「知りませんか」と問われて、やりましたと言う人がいるのでしようか。それでは警察は苦労をしません。世間一般的にも、特定の人達が上からの指示で行った場合には、この種の調査では判らないと考えられるのではないでしようか。また、我々には事実関係の問い合わせや証拠物件の確認が全くありませんが、これらの件の詳細が分かっているのでしようか。不思議ですね。それらが分からずに調査ができるのでしょうか。権力を嵩に脅すように2回にわたって立て続けに広報誌に書き立てて、逆に被害者である我々の非難に終始している。それも、「捜査中だから事を起こさないで」と我々に申し入れて牽制しておきながらである。世の中では、都合が悪くなると喚き散らすことが多いようである。法人への疑惑の念が深まるのは、致し方ないのではなかろうか。
我々は、1月10日に弁護士立ち会いで盗聴器を確認し、14日に団交で抗議して事実を公開したので、16日夜にニュースを配布した。それも、西谷専務理事からの今週は待って欲しいとの申し出をそのまま受け入れて、学内の配布のみにしたのである。中日新聞から突然取材されたのは18日夕方、そのとき委員長は、来週弁護士と協議予定なので対応が決まるまで記事は待って欲しいと申し入れている。それ故、記者はその弁護士にも問い合わせたとのことである。法人から、何も我々が非難されるいわれはない。むしろ、紳士的に法人に協力したのである。中川専務理事にも委員長と同様にその日に取材があった筈であるが、同じように記事の差し止めに努力したのだろうか。
記事は新聞社の責任で書かれるものである。したがって、共同記者会見しても各社の記事内容や表現はかなり違うのが普通である。「中日新聞社には抗議をするものではないが」と言いながら、新聞社が書いた記事の表現をもとに、委員長を非難するのは筋が違うというものです。昨年の雑誌記事のときも同様ですが、なぜ外部には抗議をしないのですか。強く出られる、学内でだけですか。
それよりも、With Plusは一体何なのですか。法人の広報誌のようですが編集委員会のメンバ−の公表もありませんし、見出しや内容はまるで怪文書同様ではありませんか。法人の公式なものとは到底思われません。それに、大学と法人を混同しています。大学のではなく法人の名誉とすべきです。我々組合の教員は、大学を良くしようと努力をしているのです。