(北陸大学教職員組合ニュース第36号(1996.11.11発行)
組合の要求を拒否し、依然として進展なし!
法人側 給与アップ 2.6 %に変更するも姿勢変わらず
11月7日第15回団体交渉が行われました。冒頭、専務理事は「地労委へ提訴したことについて残念に思う。マスコミに流れたのは遺憾に思う」と発言した。書記長、委員長はこれに対し、「4月実施の改定が7回の小委員会、その後の3回の団交でも解決しなかった。1.7%が示されてからも3ヶ月以上経過している。もっと早い段階で決着すべきものを、誠意ある交渉をしなかった法人側にこの責任がある」と見解を述べた。
団交事項は次の3点です。
1.給与の改善について <経理関係資料の開示>
2.吉田和弘氏に対する差別撤回について
3.学園の民主化と教育環境の改善について
(1) 次期学長の選任を白紙撤回し、学長・学部長の公選制を実施すること
(2) 教員の人事権の濫用を即時停止し、教授会中心の人事運営を回復すること
団交内容の概略は次の通りです。
1.について、要求している資料(財務諸表)の提出を求めたところ、法人側はこれを拒否したので交渉にならなかった。しかも、「新提案」と称して、平均2.63 %アップを提案してきたが、ここ数ヶ月主張していた1.7%との整合性を求めたところ、「民間ベ−スを基準にしていることには変わりないが、法人の努力である」とのことであった。組合側は、本学の経理状況が説明されていないため、この提案は妥当性を欠くものとして、交渉を打ち切った。
2.について法人側は、「吉田氏に対する不利益待遇はない」と主張し、議論は一致しなかったが、「差別をしていないという理解を求める努力をする」と述べた。
3.について法人は、「本学の人事に関する規程をみて協議事項ではないことを確認している」として前回同様、交渉を拒否した。
このように進展が見られないので組合は直ちに次回団交を申入れました。法人側もほぼ同時に申入れしてきました。団交日時は11月12日です。
給与改定交渉のゆくえ
〜 認識不足の法人態度 〜
今回の団交の様子から、法人は、組合がスト権を確立し、地労委へ救済申請した ことの重大性 を全く認識していないことを知って驚いた。組合の存在を軽視しているのだろうか。
本年5月改定交渉が始まって以来、長い月日が経過した。法人側の交渉に対する不誠実な態度は徒に議論を長引かせ、ベアなし定昇1.7%アップを提示したのは8月初旬であった。その後もアップ率を説明するには直接関係のない論法、或いはずさんなデ−タを提出して「認めろ」と迫るだけで、‘全ての方針と権限は理事会にあり、団交はやり過ごすのみ’という団交を無視した態度に、組合は困惑した。本学の経営を説明できない法人側に、給与アップの判断基準となる経理状況を示す資料の提出を求めたが、「本学の経理は、公認会計士、監事によって正しく監査されており、不明なところはない」と意味深長(?)な返答をした上に、「開示しないのは、法人の方針である」と言明し、拒否し続けている。法人のこのような方針は、寄付行為を定める学校法人として妥当なものか、甚だ疑問である。今後追及してゆく予定である。
スト権の確立と地労委への救済申請は、法人を誠意ある交渉の場に着かせる最後手段であった。既にターニングポイントは過ぎているのである。にもかわらず今回の団交もなんら説得(納得)できる資料を提出せず、努力と称して新数値を示したが、これまでの強硬な主張を簡単に変更できることを我々に知らしめただけで、法人の基準がどこにあるのか全く理解できないものであった。
前回夏期賞与の時、時間切れで交渉をタナ上げにして、我々は法人の決定に妥協した。今、冬期賞与支給と4月改定のタイムリミットが迫っているが、これまで引き延ばしてきた法人に何らの反省を促すことなく、再び言いなりになることはできない。安易な妥協は組合の存立が問われよう。地労委の裁定は、裁判と同じく非常に厳格なものであり、我々はあくまで救済要求を貫く姿勢で対処しなければならない。むろん、いつでもストができる態勢も準備している。
大変厳しい情勢でありますが、組合員の皆様のご理解をお願いいたします。