北陸大学教職員組合ニュース第9号(1995.12.21発行)

交渉依然不調


◎前回団交(12月6日)で、組合は今期賞与に際しての査定見送り、不当な手続きで一方的に改訂された就業規則と給与規程の抜本協議、不当改訂が決定づけた非民主的大学運営の正常化、経営ぐるみめ不当な女性差別の事実確認、その他大学経営上の不審事項について明快に説明すること等を要求した。しかし、前号の速報「解説」のように、誠実な回答はまったくみられなかった.このことの決定的原因は経営側交渉当事者が明確な交渉権限を担っていないからと思われる。経営側交渉委員は事前の理事会決定ないしは了解以上に踏み出そうとはしない。これは慎重な対応あるいは戦術などというものではなく、理事会内の不均衡を露呈するものである。この状態では実りある協議は期待できない。

◎そこで、組合は理事長の出席を求め、再度緊急に団交を申し入れた(12月8日)。要求事項は前回団交と同じ(前号既報)であったが、今回の団交申し入れ書では「理事会運営の不正常さが、近年の学内の諸問題を生み出したことへの反省がみられない」ことを強く指摘し、「誠実交渉義務違反の典型であると考える」と表明した。同時に学長に対して「ボーナス査定」の説明会開催を要求した。第4回団交(10月23日)で「公正な考課の設定のために、組合と協議する」ことを確認したにもかかわらず、経営が明確な基準を示さないまま、実質協議なしで実施にこだわったからである。いったい学長は何を根拠に教員の人事考課をなしうるのか、当然の説明要求である。

◎ここで意外なことが起こった。経営は組合に対して警告書(12月9日)を発してきたのである。団交申し入れと学長への説明会要求が勤務時間内に行なわれたというのがその理由であった。確かに形式的にそれはそうである。しかし、いきなり警告書を発する仕方が常識的に妥当なものであったかどうかは疑問が残る。それどころか、それは経営側の問題自体への真剣な取り組みを疑わせるに足る行為あったといわざるをえない。

組合は日付を改めて再度団交申し入れ書を提出した。それに対する回答(12月11日)を要約すると、@労働組合活動の範囲は労組法によって限定される、A理事会運営に対する「干渉」と学内民主化要求は上記範囲外のことである、B使用者側交渉委員は組合側に指名されるものではない、C誠実交渉義務違反はいいがかりである、という4点を理由に要求についてはすでに回答した、というものであった。なお、学長に対する要求は今だに回答がない。

◎組合は実質協議抜きのボーナス査定を決して許すものではないが、三役の判断により今回のボーナス支給については組合員の経済事情も考慮して事態の紛糾を避け、静観することにした。

@、Aについては12・18組合執行委員会報告を参照されたし。B、Cについては団交の現状に鑑み、実りある交渉のためには理事長出席要求は極めて正当なものと判断せざるをえない。


組合要求は継続
12・18組合執行委員会



前回団交以後の動向を受けて執行委員会が12月18日に開かれ、今後の方針が協議された。席上大きく分けて三つの要求、@就業規則・経済要求、A組合結成の原点でもある民主化要求、B経営の明朗化要求があらためて確認された。


@現行就業規則は法学部開設をきっかけに一方的に改悪されたものである。現在経営側は個々の点にのみ改正に応じる姿勢を見せているが、組合は何よりも改訂の仕方の不法性を追求し、引き続き給与規程を含むすべての改悪の見直しを要求していく。

さらに、今回たとえわすかでもあれ基準不明のまま査定が強行されたことは、今後の誠実交渉に疑問を抱かせるものであり容認できないし、また、平成6年度入試手当て未払いに関しても納得のいく回答を受けていない。従って、前者については調査のうえ査定理由を厳重に糾明することとし、後者については公的機関の判断を求めてでも明確にしていくことが確認された。


A大学教職員は、国公私立にかかわらず、労働者としての経済的な側面だけでなく重要な社会的使命を担う存在である。教育基本法、学校教育法その他で求められる教育、研究上の使命の直接の担い手である。一方、本学における近年の諸事情から、教職員の雇用条件(身分)、経済条件、勤務条件等が教職員の任務の遂行に密接に
かかわっていることが経験的にも明らかになってきた。学長の理事会への従属(そのことは大学教育・研究の最高責任者である学長の任用規程が数年前から北陸大学規程集の法人の部に移行したことに端的にあらわれている。理事会に対して責任を負うことと従属することは同じではない。)にはじまり、そのもとにある教授会の権限も、学則、大学運営規程を損なう形で縮小されてきた。もはや教授会がその責任を全うしえない状態にあるのは教職員組合員の共通の認識である。教授会が職責を十分に全うできないとき、教職員の教育、研究の使命に基づく職務の遂行もまた脅かされるといわざるをえない。従って、組合は教職員の一般企業とは違う社会的使命を帯びた側面により、教授会権限の回復と、教授会を運営し教職員が直接担う教育研究の最高責任を負う学長、学部長の「公選」を要求するのである。なぜなら、現在の諸条件のもとで教職員の個人的努力によって責任体制が是正される段階ではないからである。それゆえにこそ組合が結成されたのである。


Bこの件に関して、たとえば現在要求している「フォアード」「108回理事会議事の貸付金」については、組合は明確な説明を求めているのであって経営権の「干渉」を意図しているものではない。第7回団交の席上では、委員長が「北陸大学ニュース」発刊の辞を引用して「正しい情報」を求め、書記長が質間の理由があるから質問していると表明した。社会の期待のもとに公的助成を受ける大学はいうまでもなく社会的責任を帯びているのであり、その経営の任にあたるものは、経営を明朗なものにする責任を免れない。社会的責任を負う教職員の組合もまた同様である。従って経営の無回答は組合としてとうてい容認できるものではなく、次回以降の団交で引き続き明確な説明を求めていくとともに、有効な方法を案出して強く説明を求めることも確認された。

フェアな精神を求める


組合給成以来、短い期問ながら経営との交渉を通じてさまざまな紆余曲折があった。その間経営は確かに一定程度組合の切実な要求を受け入れた。しかしその時でさえ、一貫して前近代的態度を越えられなかった。今や中川専務理事が第1回団交の冒頭でみせた当初の謙虚さは早くも色褪せ、もとの強引な体質が戻ってきた感がある。あらためて大学人に相応しいフェアな精神を求めるものである。


組合費について


先日開催された第一回組合定期大会にて、組合費は基本給の0.6%とすること,および、その具体的な金額決定・集金方法等については執行委員会に一任することが承認されました。これを受け執行委員会では以下のようにお支払い頂くことに決定いたしました。皆様方にはよろしくご協力下さいますようお願いいたします。

1.金額の決定
下表に従ってお支払い下さい。
(単位円)
基本給 組合費 基本給 組合費
〜199,999 900 450,000〜496,999 2,700
200,OOO〜249,999 1,200 500,OOO〜549,999 3,OO0
250,OOO〜299,999 1,500 550,OOO〜599,999 3,300
300,OOO〜349,999 1,800 600,O00〜649,999 3,600
350,OOO〜399,999 2,100 650,OOO〜699,999 3,900
400,000〜449,999 2,400 以下同様に、50,OOO円増ごとに300円増

◇金額決定の基礎は基本給です。給与の支給総額ではありませんのでお間違いの無いようにお願い致します。
◇自己申告制です。組合から金額の指定をしません。
◇上記の金額は1996年1月分から適用されます。集金時期は毎月末頃です。

2.次の2種類の集金チャンネルを用意します。
集金担当者が伺う際に採用される支払方法をお知らせ下さい。
(1)振込による納金

郵便局・銀行から振込が可能です。特に、自動振込の手続きをしていただきますと度々足を運ぶ無駄が省けます(べ一スアップの際に金額の変更手続きが必要になることがあります)。自動振込を是非ご検討下さい。手続き方法は集金担当者または会計にお尋ね下さい。振込期日は毎月末とします。

◇振込先 北陸銀行小立野支店(店番309)普通貯金口座4280810北陸大学教職員組合
郵便振替口座については追ってお知らせします。
◇振込手数料は各自でご負担願います(郵便振替が低額です)。

(2)現金による納金
個人別の集金袋を用意します。添付の集金票に氏名、金額を記入して組合費と共に袋に入れ、集金担当者にお渡し下さい。集金担当者は集金袋を回収して、そのまま窓口担当者または会計までお渡し下さい。領収確認は翌月集金時に可能です。

3.納金状況については適宜お知らせしたいと思います。お問い合わせは会計までどうぞ。