北陸大学教職員組合ニュース第7号(1995.12.7発行)
第6回団体交渉(11月22日)実施される
かねてより大学側に申し入れていた、第6回団体交渉が実施されました。
団交の内容は定期大会で報告しましたが、まず組合側より、現就業規則と給与規定は変更時の手続きおよび内容に問題があり、それらの改定について組合と協議することを要求し、次いでこれまでの入試手当ての未払い分として、平成6年度の入試手当ておよび一般職員に対する平成6、7年度入試の際の休日出勤手当てを支給するよう要求しました。この要求は労働基準法に照らして正当なものです。平成6年度の入試業務には給与規定上、手当ての支払いが明記されていたにもかかわらず、それを無視して「努力賞」なるものが支給されましたが、これは給与規定のどこにも載っていません。このような大学側の給与規定を無視したやり方は断じて許されるものではありません。平成4年度以来就業規則等の一方的改悪が行われてきましたが、その給与規定すら守られなくなったのです。こうした大学側の一方的なやり方に歯止めがかけられるようになったのは、何よりも組合の結成と組合員の団結によるものです。
次いで、大学側より今年度の冬のボーナスについて、人事考課を実施したいことの説明と考課の基準が示されました。これは組合大会での資料として配布してあります。組合としては、大学などのような研究・教育機関における査定基準の運用と実行の難しさを指摘し、とりわけ今回の査定については、冬のボーナス支給までは余りにも時間がなさすぎるため公正な査定が期待できず、不信の原因になるので、今回の査定は見送り、次回までに
公正な人事考課の設定に努力すべきとの見解を述べました。
また、組合からの要求として、これまで給与に関するものは一応の妥結はみたものの、本学に出向している職員のベースアップについても差別的な扱いのないように、その点を調査し検討して回答すること、また現在産休中の職員の給与についても調査し回答すること、この他の基本的な要求についても今後とも組合側と話し合うように強く求めました。新任の教職員が大学当局と交わしているいわゆる「覚書き」について 今年新たに採用された教員および一般職員との間に、三年後に採用を見直すとも取れるような「覚書き」なるものが交わされていることを知り、直ちにその「覚書き」を組合側にも提示するよう求めました。それというのも、半年の試用期間を過ぎてもこのような「覚書き」で教職員を拘束することは労働基準法に違反するとの判断からです。
これに対して大学側は「覚書き」を提出しなかったものの、その「覚書き」は三年契約を意味しないということを明言しました。すなわちその「覚書き」とは、教職員に対する拘束を意味するものではなく、三年後に何か希望かあれば聞きましょうと言う程度のものであるとのことです。これによって、仮に新任教員が半年を過ぎた後に、その「覚書き」を盾に無理な条件を押し付けられたり、ましてや組合への加入を牽制されるようなことが
あれば、これは明らかに不当労働行為となります。言い換えれば、新任の教職員でも従来通り半年を過ぎた後は他の教職員と全く同じ条件で働くことができるということです。
第1回組合定期大会(11月24日)実施される
11月24日、今年の定期大会が委任状を含めて 2/3以上の出席を得て行われました(参加者は70名)。
まず岡野教授の開会宣言に始まり、松井教授の下で桜田書記長よりこれまでの経過報告がありました。組合が結成され、われわれの基本的な要求を掲げて大学側と団交を重ねて来たこと。そのうち最大の成果として、給与のアップをかち取ったことが報告されました。しかしながら、今回の給与のベースアップについても、人事考課の問題や外国人講師などの扱い等まだまだ未解決の点があり、今後も大学側の不当なやり方がないよう監視する
必要があることが指摘されました。
次いで、田端委員から、これまでの会計・決算報告が行われこれが承認されました。
続いて新たな執行委員の選出に移り、直ちに投票が行われ新しい執行委員が選出されました(名簿は次ページに掲載)。なお今回の改選では、まだ組合が出来て日が浅く、今後に残された課題を継続して実行しなければならないということもあり、現執行委員全員が留任、新たに4名の執行委員が選出されました。本来ならば、執行委員の改選には事前に候補者を受付け、組合の定期大会の前に候補者名を公表すべきところでしたが、今回は時
間の関係上、手続きとし不備な点があったことを組合員のみなさんにお詫びします。
最後に、土屋執行委員長から今後の活動方針の提案と説明があり、その後に意見の交換がありました。今後の活動方針としては次の項目が挙げられました。
@学内運営の民主化
A就業規則をめぐる問題
B組合員の名簿の公開
C私大協・私教連など上部団体への加盟
D組合費について
E女性職員の不利益の問題
F大学の経理運営に関する問題
G外国人講師および短期契約雇用に関する問題
質疑応答と組合員からの意見交換では、もっと頻繁に組合ニュースや情報を知らせてほしいという意見が多く出されました。この点については執行委員会としても、今後の重点課題として取り組んで行きたいと思います。また引き続き組合用の「掲示板」を要求してほしいとの声もありました。雇用保険については組合員の90%以上が加入を希望していることの報告がありました(これについては近く大学側より教員についても説明があるもの
と思われます)。組合費は、来年1月から、基本給の0.6 %を徴収することが承認されました。組合費との関係で、若水会との関係については今後の課題とすることが決まりました。名簿の公開については、教員は原則的に全員公開とし、一般職員については人数だけを公開することになりました。人事考課については、これまでのやり方が不透明であることを理由に重ねて反対の声が多く出されました。その他の点では、おおむね執行部から提
案された方針にそって活動していくことが承認されました。
今後の団交へ向けて、組合の要求
11月30日、先の組合定期大会の結果を受けて、委員長名で次回の団交を申し入れし、あわせて下記の項目を大学側に要求しました。なお、次回団交は、12月6日(水)18:00 に開催されます。
1.今期賞与に関しては査定を見送り、一律4ヶ月支給とすること。
2.前回の団交(11月22日)で要求した未払いの休日出勤手当て、入学者選考手当てに対し回答すること。
3.給与規定・就業規則ついては、平成2年の規定・規則を基礎として全面改定を行うこと。
4.女性の結婚・出産に関してこれまで行われていた差別的扱いについて事実を認め、謝罪すること。
5.学内運営の民主化・正常化に関しては、以下の項目について回答を求める。
(1)学長・学部長の選任を公選制とすること。
(2)教授会の権限を回復すること。
(3)「研究・教育向上委員会」を解散すること。
(4)「フォワード」「108 回理事会議事の貸付金」について明確に説明すること。
6.外国人教員の短期雇用契約に関する基準を明示すること。
以上
北陸大学教職員組合執行委員名簿(1995年11月)
(1995年11月24日開催の組合総会にて選出・承認)
執行委員長 (薬) 土 屋 隆
副執行委員長 (法) 島 崎 利 夫
書記長 (外) 櫻 田 芳 樹
会 計 (薬) 田 端 淑 矩
執行委員 (薬) 浅 野 直 樹
執行委員 (外) 岡 野 浩 史
執行委員 (薬) 木 津 治 久
執行委員 (薬) 桐 山 典 城
執行委員 (外) M. M. コーネリアス
執行委員 (薬) 澤 西 啓 之
執行委員 (法) 田 村 光 彰
執行委員 (薬) 寺 西 正 憲
執行委員 (法) 西 尾 林太郎
執行委員 (薬) 橋 本 忠
執行委員 (外) 林 敬
執行委員 (外) 三 国 千 秋
執行委員 (職) 吉 田 和 弘
執行委員 (薬) 吉 藤 茂 行
(執行委員は五十音順)
会計監査 (薬) 松 井 勝 彦