北陸大学教職員組合ニュース248号(2007.6.7発行)
給与改定を即時実施せよ!
教員組織こそ教育のための最重要資産
教職員組合は、2ヵ月前の4月10日に今年度第1回団体交渉を申し入れました。要求事項は、二教授解雇撤回と年次要求事項、特に給与の改定です。その後、石川労働委員会から薬学部における不当労働行為に対する救済命令が発令されました。しかし、法人理事会は、何一つ反省することなく、命令を不服として中労委に再審査を申し立てました。組合は、これ対して緊急の団体交渉を申し入れ、命令即時履行を要求しました。この団交は5月7日に実現しましたが、法人理事会はまったく硬直した態度に終始しました(以上『教職員組合ニュース』前号既報)。法人理事会は現在においても命令履行を拒否したままです。再審査を申し立てても命令は有効で、履行義務はあるのです。
最初に要求した第1回団交は、再三(これまで5回以上)の督促にもかかわらず、未だに実現していません。組合は、5月24日に5月中に団交を開催するように、再申し入れ書を提出しました。
団体交渉が遅れている理由は、法人側担当者の説明によれば、法人理事会が全面的に改定したいとしている給与規程の作業の詰めができていないからです。しかし、この改革はすでに平成16年5月6日の団交で方針が明らかにされ、理事会側は平成16年度には具体的なものを作りたい、としていました(『教職員組合ニュース』211号)。以来、3年が経過しています。その間昇給は虚しくストップしたままです。年齢給だけのアップでは昇給とは言えません。年齢給と職能給で給与が構成されているからです。それ以前と合わせると5年間昇給ストップの状態が続きました。それゆえ、組合は、現行の給与規程による昇給交渉を早急に開催するように要求しました。その後程なく、4〜5ヵ月前に交代した責任者(人事・財経課長)がまた交代しました。信じられない混乱ぶりです。前年度最終団交では、理事会側代表者は給与改定の遅れを「心の中で重く受け止める」との発言をしました。しかし、結果は4月に自動的に決定されるべき年齢給のみの改定でした。それを翌年3月まで引き延ばしただけのことです。理事会は一体何を考えているのでしょうか?
これだけの昇給差!
右ページと裏面に、本学給与と東海地区私大(私大教連加盟校)の給与との比較、及びこの5年間の本学の財務状況と医歯系を除く全国私大の財務状況との比較を掲載します。表からわかるように、本学教員(モデル;45歳の助教授)の5年間(40歳から45歳)の平均昇給額は2,400円/年に対して、東海地区11大学の平均昇給額は12,522円/年です。したがって、5年間で昇給額だけで5万円以上の差が生じています。この給与の差は、賞与支給のベースにも反映されますから、年収所得の抑制の要因となるばかりでなく、将来の退職金及び年金等の格差となって必ず跳ね返ってきます。一方、大学の財政は、全国平均と比べ極めて良好な状態にあります。学生定員確保のための各位の並々ならぬ努力に敬意を表しますが、その最大の要因は、全国平均と比べて破格の人件費抑制です。法人理事会は、近年とみに服従と精神訓話を強調しています。それに反比例して、最も基本的な教育条件を疎略に扱っていると言えます。法人理事会が言うように大学も企業であるとするなら、大学が学生に提供しうる最も重要な商品は教員組織です。決してカリキュラムではありません。カリキュラムは形式に過ぎず、それが教育するわけではありません。社会の眼は本質を鋭く見抜きます。実質のないカリキュラムは社会の信用を失い、社会に迎合しようとするカリキュラムは混乱を招くばかりです。そのことを未来創造学部の3年間の経験が実証しています。
経営者は経営責任の自覚を!
私たちには、法人理事のどの範囲までを経営者というのかは定かではありません。しかし、学生、卒業生を含む大学の多くの構成者のために、理事諸氏は経営責任を負わなければならないことは当然です。大学教員の給与を5年間も据え置いて大学が活性化するわけがありません。この意味でも理事諸氏には自らの経営責任の自覚が求められます。
次回(日時未定)の団交に参加しよう!
是非皆さんの声を!
教員標準賃金表
(東海地区私立大学教職員組合連合:『東海地区私大実態調査』2005年版より作成)
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  | 
		
			 教授(60歳)  | 
		
			 助教授(45歳)  | 
		
			 講師(35歳)  | 
		
			 助手(30歳)  | 
		
			 平均昇給月額***  | 
	
| 
			 本学  | 
		
			 ?  | 
		
			 ?  | 
		
			 ?  | 
		
			 ?  | 
		
			 2,400  | 
	
| 
			 A大 7学部  | 
		
			 675,100  | 
		
			 556,900  | 
		
			 428,700  | 
		
			 343,700  | 
		
			 10,840  | 
	
| 
			 B大 6学部  | 
		
			 664,200  | 
		
			 539,200  | 
		
			 400,400  | 
		
			 308,100*  | 
		
			 12,520  | 
	
| 
			 C大 4学部  | 
		
			 673,800  | 
		
			 550,100  | 
		
			 416,900  | 
		
			 -  | 
		
			 13,340  | 
	
| 
			 D大 14学部  | 
		
			 705,300  | 
		
			 598,300  | 
		
			 444,400  | 
		
			 353,700  | 
		
			 15,120  | 
	
| 
			 E大 2学部  | 
		
			 663,400  | 
		
			 536,000  | 
		
			 398,200  | 
		
			 318,900  | 
		
			 11,960  | 
	
| 
			 F大 2学部  | 
		
			 681,700**  | 
		
			 574,900  | 
		
			 406,900  | 
		
			 323,400  | 
		
			 12,660  | 
	
| 
			 G大 1学部  | 
		
			 609,500  | 
		
			 484,000  | 
		
			 369,700  | 
		
			 -  | 
		
			 10,700  | 
	
| 
			 H大 4学部  | 
		
			 645,590  | 
		
			 498,850  | 
		
			 388,080  | 
		
			 261,250  | 
		
			 9,768  | 
	
| 
			 I大 2学部  | 
		
			 614,100  | 
		
			 517,300  | 
		
			 374,100  | 
		
			 305,210  | 
		
			 13,994  | 
	
| 
			 J大 3学部  | 
		
			 640,020**  | 
		
			 522,520  | 
		
			 368,800  | 
		
			 -  | 
		
			 13,183  | 
	
| 
			 K大 6学部  | 
		
			 663,300  | 
		
			 544,500  | 
		
			 388,600  | 
		
			 -  | 
		
			 13,660  | 
	
| 
			 平均  | 
		
			 657,819  | 
		
			 538,415  | 
		
			 398,616  | 
		
			 316,323  | 
		
			 12,522  | 
	
29歳 ** 59歳 *** 俸給表から見た5年間の平均昇給月額。モデルは45歳助教授(40~45歳)
人件費比率と帰属収支差額比率*
| 
			 
  | 
		
			 
  | 
		
			 北陸大学  | 
		
			 私大全国平均(医歯系除く)  | 
	
| 
			 平成13年  | 
		
			 人件費比率  | 
		
			 43.5%  | 
		
			 51.7%  | 
	
| 
			 帰属収支差額比率  | 
		
			 21.1%  | 
		
			 12.3%  | 
	|
| 
			 平成14年  | 
		
			 人件費比率  | 
		
			 40.7%  | 
		
			 52.0%  | 
	
| 
			 帰属収支差額比率  | 
		
			 20.0%  | 
		
			 10.4%  | 
	|
| 
			 平成15年  | 
		
			 人件費比率  | 
		
			 41.7%  | 
		
			 52.0%  | 
	
| 
			 帰属収支差額比率  | 
		
			 19.6%  | 
		
			 10.5%  | 
	|
| 
			 平成16年  | 
		
			 人件費比率  | 
		
			 37.7%  | 
		
			 52.2%  | 
	
| 
			 帰属収支差額比率  | 
		
			 23.4%  | 
		
			 9.1%  | 
	|
| 
			 平成17年  | 
		
			 人件費比率  | 
		
			 36.5%  | 
		
			 51.3%  | 
	
| 
			 帰属収支差額比率  | 
		
			 20.1%  | 
		
			 9.6%  | 
	
帰属収支差額比率(『月報私学』の説明):帰属収入から消費支出を差し引いた帰属収支差額の帰属収入に対する割合。この比率がマイナスの場合は消費支出超過で著しく経営が窮迫している(499大学中123大学)ことを意味する。北陸大学のように20%を超える比率の経営状況が極めて良好の大学は102大学である(月報私学VOL103より)。
田村・ライヒェルトを支援する会が発足
「北陸大学田村教授とライヒェルト教授の解雇撤回訴訟を支援する会」が正式に発足しました。現在、維持会員を募集しています。資金カンパも予定しています。詳細は追ってお知らせします。
また、支援する会のホームページを開設して情報を公開、支援の輪を広げ、パワーを結集していく予定です。
中労委 調査期日がようやく決定
既報のように、法人理事会は、石川県労働委員会が発令した不当労働行為の全面救済命令を不服として、中央労働委員会に再審査の請求を申し立てました。ところが、その「申し立ての理由書」が、申し立て後1ヶ月を経た現在もまだ提出されていません。そして今月5日になって、第1回の調査期日が、申し立てから約3ヶ月後の、8月7日と決定しました。2度の調整でようやくタイムリミットギリギリに同意された日程です。調査期日は今後の審理日程などの調整が主な目的で、実質審理はその後になります。