北陸大学教職員組合ニュース234号(2006.6.5発行)
2006年度第1回団体交渉
教職員組合は3月6日および5月17日に団交を申し入れていました。法人理事会側から一旦、6月9日の回答がありましたが,理事会・評議会の懇親会を理由に延期され、現在、組合は6月12日(月)もしくは13日(火)の開催を要求しているところです。申し入れでは下記<要求事項>について交渉を要求しました。今回は
組合史上初めて、「整理解雇」問題が交渉事項
になります。大学法人理事会は、外国語学部教授会と法学部教授会の改革努力を無視し、現実離れした教育目標を掲げ、「成果が上がらなかった」と理由付けして両学部を閉鎖しました(『組合ニュース』第203号参照)。理由にされた教育目標は、理事会肝いりの「教育改革」体制の下でも、未だに「成果」からほど遠い状態です。その後、法科大学院の設立に失敗し、学部閉鎖のもう一つの理由とされた志願者減についても、未来創造学部の学生募集は、大量の広告費と教職員の懸命の努力にもかかわらず、日本人学生に関しては外・法学部時代と比べてうまくいっていません。これらの責任は誰が負うべきなのでしょうか?「雇用関係終了」通告撤回に向けて、組合の総力を結集して取り組みたいと思います。皆さまのご支援をお願いします。
団交に参加しよう!
団交開催日が決まりましたら早急にお知らせします。今年度第1回の団交です。
<要求事項>
(1) 2006年度教職員組合要求事項に応じること。
(2) 6年制薬学部担当教員とならなかった3名の薬学部所属組合員、佐倉教授、田端講師、荒川講師について、その理由を説明すること、また、佐倉教授と荒川講師については、昨年6月の大学院薬学研究科委員会の決定通り、大学院担当とすること。
(3) 教育能力開発センター所属組合員ジェイムズ・マチェット教授の契約内容変更について交渉に応じること。
(4) 2006年4月6日付で中川専務理事および河島学長宛に提出した教育能力開発センター所属組合員8名に対する「雇用関係終了」予告についての「質問書」に文書で回答の上、質疑に応じること。
(5) 「育児・介護休暇規程 − 一部改正」、「定年退職した一般職員の再雇用に関する規程」について、改めて交渉に応じること。
6年制薬学部担当からの排除問題は5月26日に石川県労働委員会へ提訴しました。この問題について、法人理事会は、昨年9月14日の団交、10月5日の団交で明確な説明をせず(責任者の学長は団交拒否)、今年3月6日の団交申し入れを拒否しました(『組合ニュース』第229号および230号参照)。教職員組合は労働委員会への提訴により、第三者を介して説明責任を強要することになりましたが、進展状況は、今後の団交内容とともに、随時報告します。
なお、毎回のことですが、実のある交渉にするために、最高決定権を持つ理事長の出席を求めました。(1)については、ここ数年連続して要求しながら回答が得られなかった基本要求です。多岐にわたりますので、一部は項目だけお知らせします。
<2006年度教職員組合要求事項>
1 団交について
(1)日程
組合が団交を申し込んだ場合、開催要求期間中もしくはそれに限りなく近い日程で団交を開くことを要求する。正当な理由のない遅延は不当労働行為である。また、団交開催日を組合に余裕をもつて通知することを求める。
(2)資料の提示
(3)北元理事長の団体交渉出席(注:理事長は組合三役の会見要求に対しても絶えず無視し続けています)
(4)文書回答要求
(5)団体交渉による妥結
近年、団体交渉はほとんどの場合実りのないものであった。その結果、組合員ばかりでなく、多くの非組合員にとっても、給与や勤務上の規程および職務環境等に関して我慢を強いられる事態が発生した。職場の雰囲気を考えると、職務環境の改善を大学に期待しなくなって諦めてしまうことは、働く人にも業務にも悪影響を及ぼす。働く人を大事にすることは学生を大切に教育することを促進することはあっても決してそれと矛盾するものではない。大学法人の都合だけの一方的な通告ではなく、決定前に団体交渉によって働く人の意見を取り入れることを求める。
2 給与・賞与・手当などについて
全国の私立大学の人件費が総帰属収入に占める比率は、平成14年度で平均約52%である。しかし、北陸大学の理事会は、平成13年度以来それを大きく下回る45%という数字を、組合に対して何ら合理的根拠を示すことなく設定し、一方的に人件費を抑制してきた。しかも実態はそれすら下回る41%前後であり、平成17年度の第6回団交における口頭説明では39%と推測され、極めて不当である。以下の要求に応じることを求める。
(1)給与改定
@平均3%引き上げをすることを要求する。
A年齢給は現行の給与規程どおりとし、職能給と合わせて引き上げ額が平均で3%になるよう給与改定を行うことを要求する。
B平成18年4月から、薬学部において差別的な給与の引き上げが行われたが、全体との整合性のない一部だけの引き上げは職場の差別的環境の助長につながる。また、そのことにより職場の人間関係が破壊され、チームワークが損なわれる危険性が極めて高い。差別的待遇は容認できない。よって、組合の給与改定要求に沿って是正することを求める。
(2)賞与
@一律年間6か月分の支給を要求する。夏季賞与は6月に一律2.5か月分、冬季賞与は12月に一律3.5か月分を支給することを要求する。
A学部、センター間の格差を撤廃すること。
B賞与支給式を行わないこと。
C賞与は現金手渡しではなく、給与同様銀行振込とすること。
(3)入試手当
入試手当は、賞与とは別途に支給することを要求する。入試手当は手当の一種であり、賞与ではない。透明度を欠いた支給額の決定は不当である。
(4)住居手当、扶養家族手当などの諸手当
従来の諸手当の廃止、削減には反対する。
3 経理公開について
現在の経理公開は、『With』誌上に、三表が大項目のみ公開されるだけで、極めて不十分なものであった。また、昨年5月に施行された「財産目録等閲覧規程」は、閲覧を限りなく制限することを目的とする規程と言える。組合は、経理公開を義務付ける私立学校法第47条に基づき、以下のことを要求する。
(1)平成16年7月23日に出された文部科学省高等教育局私学部長による通達(16文科第304号)を遵守し、そこに示された様式に則り、平成17年度の財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書、監事による監査報告書を平成18年5月23日までに提示すること。
(2)評議員会に出された平成18年度の予算書を提示すること。
(3)平成6年度から平成17年度までの財務三表(資金収支計算書、消費収支計算書、貸借対照表)と関連する内訳表、財産目録を提示すること。
4 大学運営における組合員の排除について
(1)担任制については、組合員の排除をやめること。
(2)未来創造学部の授業から組合員の授業担当をはずすことをやめること。
(3)組合員である教員が担当していたドイツ語・スペイン語などの外国語科目を復活させること。
(4)学内の各種委員会等からの組合員排除をやめること。
5 週休2日制について
法人理事会は、平成10年7月8日に組合と交わした確認書で「平成10年4月1日以降は土曜、日曜週休二日制とする」としている。組合は法人理事会が今後もこの確認書の内容を継続遵守することを求める。
6 授業担当時間数および教職課程復活
(1)教員の研修・研究時間を確保するため、担当時間数について上限を定めること。
(2)教員は従来どおり週1日は研修日を取れるようにすること。
(3)組合の従来からの主張通り、教職課程を直ちに復活させること。学生の募集にとっても、授業機会の拡大の意味でも有効と判断する。
7 その他
(1)学内に組合事務所の貸与をすること。
(2)学内に組合の掲示板を設けること。
(3)より働きやすい職場とするために、職員の福利厚生の充実に努めること。
(4)太陽が丘キヤンパス1号棟にタイムレコーダーの端末を設置すること。
2組合員へのカンパ活動についてのご報告 平成17
なお、平成18年3月に法人から、この前年度未払い分が両組合員に支払われました。両氏からは相当額の組合への寄付がありました(平成18年4月27日組合総会報告)。
訂正: 『組合ニュース』233号の文中、「育児・介護休暇規程」となっているところをすべて「育児・介護休業規程」に訂正します。
* 組合ニュースは全号,北陸大学教職員組合のホームページ(http://www.hussu.jpn.org/)からご覧になれます。