北陸大学教職員組合ニュース231号(2005.12.14発行)



法人理事会、全くの法律無視:団体交渉の前に一方的に賞与支給通知配布

 法人理事会は1128日(月)に事務局長名で「平成17年度年末賞与について(お知らせ)」という文書を配布し、年末賞与のための団交を開く前に――つまり、組合との交渉をする前に――支給日と支給率を一方的に知らせるという暴挙を行いました。労働組合法では、経営者に対して労働条件に関することは組合と誠実に協議をすることを義務付けています。賞与も当然交渉の対象です。組合が設立されて以来、法人理事会と組合とは毎年交渉を行った上で夏・冬とも賞与通知は配布されました。ところが今回法人理事会は10年かけて築き上げてきたものを一方的に反故にしてしまいました。

 1129日(火)に行われた団交(平成17年度第6回目)において、組合は理事会側に対して賞与の一方的通知に強く抗議しました。なぜこういうことを行ったかについては、事務局長は答えられず、松村労務担当理事は「私の勘違いで事務局長に出してもらった」という全く説得力を持たない説明しかしませんでした。そこには、誠実のかけらもなく、自分たちがどんな重大な間違いを犯しているかに対する認識は全くありませんでした。もし、賞与通知の配布が本当に労務担当理事の言うように、「勘違い」で配布されたとしても、それは現在理事会側が機能不全に陥っていることの証左に他なりません。団交の前に――しかも前日に――通知を出すことの非常識に誰も気が付かなかったことになります。いずれにしても現経営陣は正気から限りなく遠いところにあると言えます。

 

平成17年度第6回団体交渉(通算第108回)概要

 平成17年度の第6回の団体交渉は、1129日(火)に行われ、中心議題は年末賞与についてでした。組合側はまず、冒頭で、団交前に賞与の支給通知を出したことの説明を求めましたが、理事会側からは前述のとおり全く不誠実な回答しかありませんでした。

 今回の支給で特に組合側が問題としたのは職員の支給が理事会提案では「@賞与の趣旨を明確にした支給とします。A人事考課の評価に基づき、業績、貢献度等を総合的に査定した支給とします。」とあるだけです。従来のように上限と下限の支給率の幅を提示していないだけでなく、いったい、平均でどの程度の数字となるのかさえ明示されていないことでした。これに対して労務担当理事は平均2.5か月と答えはしたものの、なぜ平均がその数字になるのか、具体的に財政状況を示しての説明は一切しようとしませんでした。組合側から、今年度の総帰属収入がいくらになるのかをきかれても即答できず、今年の人件費の総額すらもすぐには答えられないありさまで、賞与交渉とは全く信じられない状況でした。組合が繰り返し、せめて概数ぐらいは出せるだろうと迫ると、理事会側がやっと出してきたのが、今年度の総帰属収入は約64億、人件費は24億から25億という数字でした。もし、この数字が正しいとするなら、我が北陸大学では人件費が総帰属収入に占める割合は37.5%から39%という数字になります。私立大学の全国平均は50%前後ですから、この数字の異常さは多言を要しません。差額はいったいどこへ消えているのでしょうか。

 結局、法人理事会は、賞与交渉でありながら、財政に関する具体的数字を出して支給率の妥当性を説明するということは何もしませんでした。理事会の説明責任の放棄により、今回の団交もまた、話し合いとはなりませんでした。

 他の議題としては、労働条件の一方的変更通知を組合員の教員に出した件の交渉を組合側は要求しましたが、理事会側は交渉に応じませんでした。また、佐倉執行委員長他2名の組合員に対する不利益取り扱いも取り上げましたが、これも理事会側は交渉を拒否しました。太陽が丘キャンパスで行われている河島学長、中川専務理事等による組合員教員に対するハラスメントは、存在すら認めませんでしたので、田村執行委員(元執行委員長)、岡野書記長は共に、河島学長から「なぜ辞めないのか」と直接言われていることを改めて取り上げ、抗議しました。



北陸大学教職員組合10年史の編集決定 

 平成171111日(金)に行われた執行委員会で、組合の10年史を編集することが決定されました。編集委員として林敬教授、田村執行委員、岡野書記長が選出されました。編集に加わりたい方、10年史に書いてみたい方はぜひ編集委員に御連絡ください。