北陸大学教職員組合ニュース230号(2005.10.12発行)
佐倉執行委員長の大学院担当はずし:
河島学長は団交を拒否して説明責任果たさず
10月5日(水)に平成17年度第5回(通算第107回)団体交渉が行われました。今回の団交事項では河島学長自らが深く関わる議事が本題であり、組合は出席を要求していましたが、松村労務担当理事から学長は団交に出席する意思がないので出ないという説明が団交の冒頭にあり、学長の団交拒否が明らかとなりました。以下、団交の概要です。
・2005年度要求書について
組合:5月に提出してある2005年度教職員組合要求書に対して文書回答を求めて4か月になる。なぜ回答がないのか。
法人:文書で回答する必要はない。口頭でも交渉はできる。
組合:文書でまとまった回答が出れば、そこから一つ一つ、きちんとした交渉に入っていけるではないか。なぜ文書で出さないのか。
法人:出す必要がない。
組合:そちらは文書で出さないだけでなく、給与・賞与以外の要求については、口頭でも一切の回答をしていない。本当に要求書をまじめに検討しているのか。たとえば、教職員の福祉向上につとめよ、という要求項目に対してどういう回答を準備したのか。
法人:そのような要求は要求書のどこに書いてあったのか。
組合:ちゃんと書いてある。いいかげんにしてほしい。要求書の検討すらやっていないのか。改めて、文書回答を求める。
*やりとりの過程で、労務担当理事は組合の要求事項の検討すらしていないことが判明しました。
・契約内容の一方的変更を求められた教員について
組合:河島学長が出した通告書は、二つの労働条件にかかわる事項を該当教員が満たさなければ、1年半後に解雇するという内容だ。当然、これは団交事項だ。
法人:それは教育問題だ。内容についても了解ずみと学長から言われている。
組合:学長が当事者として話をしているのだから、当然団交に来て説明する義務がある。
法人:必要はない。
*通告書の内容は解雇という重大な問題を含んでいるにもかかわらず、労務担当理事は「教育問題」という言葉を濫発して交渉を拒否しました。
・太陽が丘キャンパスでの組合員の教員に対するハラスメントについて
組合:労務担当理事は、太陽が丘キャンパスで複数の組合員が呼び出され、大学にどのような貢献ができるかという趣旨の作文を書いて提出するよう学長に要求されているのを知っているか?
労務担当理事:まったく聞いていない。
組合:ハラスメント以外の何ものでもない。即刻、労務担当理事としてやめさせるべきだ。
・薬学部6年制移行にあたり、組合員の教員が文科省への登録申請からはずされたことについて
組合:佐倉執行委員長が、なぜ6年制の登載教員からはずされたのか。
法人:学長からきいているはずだ。ここで言う必要はない。
組合:学長が明快な説明をしていないし、組合員に対する差別の疑いがあるから団交の場で説明を求めているのだ。
法人:ここで言う必要はない。学長に聞けばいい。
組合:佐倉執行委員長は、現学生の大学院担当からもはずされた。なぜか。
法人:学長に聞けばいい。教育の問題を団交に出すべきではない。
組合:大学院の担当にあたっては薬学部の大学院委員会では佐倉執行委員長はこれまでどおり大学院を担当することと決まった。つまり、教育・研究という面からは担当の継続が大学院委員会では決定された。それが理事会の人事委員会でひっくり返った。どういう理由か。ここにいる松村理事、高倉理事お二人とも、その決定を行った人事委員会に出席していたのだから説明できるはずだ。
法人:学長から説明提案があってみな了承した。6年制の教員が現学生の大学院の授業も担当するという方針だから、佐倉教授は大学院の授業も担当しないことになった。
組合:その方針はどこから出てきたのか。
松村:学長、副学長、そして人事委員会の流れだ。
組合:しかし、大学院委員会では、佐倉執行委員長の担当を決定している。教員が決めたことと違うことがなぜ人事委員会に提案されたのか。教育以外の要素が入って、大学院委員会の決定がひっくり返ったのではないか。
法人:答える必要はない。そんなに知りたいなら、直接学長に聞けばいい。組合の執行委員長だから差別するなどというばかなことを我々がやるというのか。
組合:そうでないということをきちんと説明すればそれですむことだ。佐倉執行委員長が大学院の授業を担当しないというのは、いつの人事委員会で決まったのか。
法人:今は答えられない。
組合:調べて返事をしてほしい。
法人:人事委員長に確認して許可をもらってからでないと返事はできない。
組合:もう1度確認するが、どういう理由で佐倉執行委員長は大学院の教育・研究を担当しないことになったのか。
法人:学長に聞けばいい。教育問題だ。
組合:組合無視の発言はいいかげんにしてほしい。遵法精神が少しでもあるなら学長はここに来るべきだ。
*人事委員会の委員は、北野理事(委員長)、河島学長、大屋敷副学長、中川専務理事、周専務理事、松村常務理事、高倉理事です。このメンバーで薬学部の大学院委員会の決定を覆したことになります。
*団交では、6年制登載に関して差別を受けている他の組合員の教員についても取り上げる予定でしたが、法人側は「教育問題」だとして交渉をまったく受け付けませんでした。
〔解説〕
佐倉執行委員長が大学院の担当からはずされた件については、「6年制に登載された教員が大学院も担当するという方針だからだ」というのがこれまでの学長の説明です。それでは、その方針がどのような理由で出されたのかについては学長も理事会も一切説明していません。佐倉執行委員長は本学着任の翌年(1981年)以来の大学院担当教員であり、来年度も継続して担当することが6月の大学院委員会で決められました。大学院委員会という教員が教育問題を審議決定する場で決まったことが、理事会の人事委員会で否決されたということは、極めて重大な問題です。もし、学長・副学長が率先して、佐倉委員長に大学院の授業を担当させないために、その案を提出したとするなら、それは教学に対する裏切り行為です。また、人事委員会が教育以外の要素で佐倉執行委員長を大学院の授業担当からはずすことを決めたというのなら、その理由は当然明らかにされなければなりません。大学院担当24年間の実績がある教員に授業を持たせない、大学院生の配属を許さないというのは、よほどの理由がない限り認められることではありません。重大な人権侵害となる行為です。執行部は現在、この件について法的手段を中心に打開策を検討中です。