北陸大学教職員組合ニュース225号(2005.04.07発行)
2004年度定期総会開催:新たな決意で団結を誓う
平成17年3月25日(金)に2004年度定期総会が開催されました。議長と書記とを選んだ後、議事に入り、最初に、荒川会計から2004年9月期の決算報告及び三国会計監査からの報告があり、満場一致で承認されました。また2004年10月期の予算案では、相変わらず組合を敵視した法人の大学運営に対抗するため、今年度もストライキ準備金を1000万円計上した旨説明があり、これも満場一致で承認されました。
次に岡野書記長から2004年度全般の組合活動についての報告がありました。団体交渉を中心にした報告でしたが、その中でも際立っていたのは、法人理事会が今までにもまして、交渉を誠実に行わなくなったということです。特に給与・賞与に関しては、法人側には一切交渉しようとする意思が感じられず、一方的提案を一方的に押し付けて、あとは全く無視するという、法で禁じられている誠実交渉義務違反を繰り返しました。また、特に文書で回答を求めた「2004年度教職員組合要求事項」についても、文書による回答を全く拒否しただけでなく、要求事項そのものすら無視するという態度をとりました。
また、昨年6月、石川県地方労働委員会にあっせんを求めた件については、地労委から人権問題として「裁判」にすることを示唆されたことも明かされました。
昨年9月に、法人理事会から提案された就業規則第67条及び給与規程の改正案については、まだ決着がついておらず、法人理事会に対して理事長による説明要求をしていますが、これまた一切無視している旨説明がありました。今回の改正案は、教職員側に不利益をもたらす改悪案であり、一方的改正は認められません。
この1年で法人理事会はさらに専横的になり、組合無視の態度もさらにあからさまとなり、また一方で、教授会などの教員組織の形骸化が一段と進み、その結果、職場環境の悪化、教員の大量流出を引き起こし、さらに、大学全体の活力の低下・頽廃を招いている旨、改めて指摘がありました。
次に、2005年度の執行委員・会計監査の選任の投票が行われ、以下の方々が新年度の組合執行部を担うこととなりました。
執行委員長 佐倉 直樹
副執行委員長 栗田 城治 田村 光彰
書記長 岡野 浩史
会計 松原 京子
会計監査 三国 千秋
執行委員 桐山 典城 鍛冶 利幸 千葉 賢三
山本 勝 ルート・ライヒェルト 佐々木 昌子
アルベルト・カニャス
新しい体制が決定した後、佐倉執行委員長から挨拶の言葉があり、「昨年は、大学当局が組合の意向を無視し続けた一年だったが、それに負けることなく今後も努力を続けたい」という決意表明がありました。
次に岡野書記長から「2005年度教職員組合要求事項案」(裏面参照)についての説明があり、できるかぎり多くの組合員の要求事項を盛り込みたいので、案に示されている要求事項以外のものがあれば、4月11日までに執行委員に伝えてほしいという依頼がありました。4月中に法人理事会に対して要求書が提出される予定です。
その後、質疑応答があり、重要な問題が幾つか指摘されました。そのうちの一つは、事務局で「ボランティア」という名のもとでサービス残業や休日出勤が増加しているということです。これに対しては執行部から、サービス残業は記録さえきちんとしていればいつでも調査に入ると金沢労働基準監督署から言われているので、そのつもりで対応してほしいという説明がありました。また、休日出勤は36協定に違反していれば、告発も可能です。
定期総会は、団結の誓いを新たにして閉会となりました。
佐倉執行委員長からのメッセージ
教員有志の民主化運動とそれに連動して組合が結成されて10年になります。組合の結成により,教職員の待遇は平均21%アップの改善がなされ、不当解雇問題の解決など多大な成果がありました。一方,大学人にとってより本質的な民主化の課題の一例としては、教員と理事会双方が2年数か月の時間をかけて交渉をし、選挙による学長・学部長任用規程の制定に至りました。規程の不完全さは別にしても、双方の協働関係構築の努力は本学の歴史の中で貴重な経験であったと思います。しかし、理事会は一昨年から昨年にかけてこれらすべてを全く一方的に反故にしてしまいました。トップダウン方式の組織運営に対する最低限の教員の意志表示の制度、チェック機能が完全に封印廃棄されました。大学の主人公であるべき学生と教員は現在、開学以来の危機的状況にあると言えるのではないでしょうか。
明るい教育研究環境をつくるために、組合は皆様の強い要求と団結を力とし、粘り強く取り組む所存です。どうぞ、御指導と御支援をお願いいたします。
2005年度執行委員長 佐倉直樹
2005年度教職員組合要求事項〔案〕
1 給与・賞与・手当などについて
(1) 給与改定
平均3%の引き上げをすることを要求する。
年齢給は現行の給与規程どおりとし、職能給と合わせて引き上げ額が平均で3%に
なるよう給与改定を行うことを要求する。
(2) 賞与
@ 一律年間6か月分の支給を要求する。夏季賞与は6月に一律2.5か月分、冬季賞与は12月に一律3.5か月分を支給することを要求する。
A 学部、センター間の格差を撤廃すること。
B 賞与支給式を行わないこと。
C 賞与は現金手渡しではなく、給与同様銀行振込とすること。
(3) 入試手当
入試手当は、賞与とは別途に支給することを要求する。入試手当は手当の一種であり、賞与ではない。透明度を欠いた支給額の決定は不当である。
(4) 住居手当、扶養家族手当などの諸手当
従来の諸手当の廃止、削減には反対する。
2 経理公開について
現在の経理公開は、With誌上に、三表が大項目のみ公開されるだけで、極めて不十分なものである。組合は、経理公開を義務付ける私立学校法第47条に基づき、以下のことを要求する。
(1) 平成16年7月23日に出された文部科学省高等教育局私学部長による通達(16文科第304号)を遵守し、そこに示された様式に則り、平成16年度の財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書、監事による監査報告書を平成17年6月1日までに提示すること。
(2) 評議員会に出された平成17年度の予算書を提示すること。
(3) 平成6年度から平成15年度までの財務三表(資金収支計算書、消費収支計算書、貸借対照表)と関連する内訳表、財産目録を提示すること。
3 団交について
(1) 日程
組合が団交を申し込んだ場合、開催要求日に限りなく近い日程で団交を開くことを要求する。正当な理由のない遅延は不当労働行為である。また、団交開催日を組合に余裕をもって通知することを求める。
(2) 資料の提示
これまで、組合が理事会に財務資料など、交渉を進める上で必要不可欠な種々の資料の提示を要求しても、理事会はこれを拒否あるいは無視してきた。要求された資料に対しては、誠実に準備をし、組合に示すことを要求する。
(3) 北元理事長の団交出席
これまで、組合は何度も北元理事長の出席を求めたが、組合結成以来、理事長は一度も団交に出ていない。また、団交に出席している理事が決定権を与えられていないことは明白である。北元理事長は、学校法人北陸大学の代表権者として、団交に出席することを要求する。
(4) 文書回答要求
組合は、これまで何度も重要な問題については、重要な問題であるからこそ法人理事会に文書で回答することを要求してきた。しかし、理事会は正当な理由を一切示さず文書回答をすべて拒否あるいは無視してきた。これまで文書回答を要求した事柄に対して速やかに回答するとともに、今後の文書回答要求にも誠実に応じることを求める。
4 大学運営における組合員の排除について
(1) 学生担任の配置において、組合員の排除をやめること。
(2) 未来創造学部の授業から組合員の授業担当をはずすことをやめること。
(3) 組合員である教員が担当していたドイツ語・スペイン語などの外国語科目を復活させること。
(4) 学内の各種委員会等からの組合員排除をやめること。
5 週休2日制について
法人理事会は、平成10年7月8日に組合と交わした確認書で「平成10年4月1日以降は、土曜、日曜週休二日制とする」としている。組合は法人理事会が今後もこの確認書の内容を遵守することを求める。
6 その他
(1) 学内に組合事務所の貸与をすること。
(2) 学内に組合の掲示板を設けること。
(3) より働きやすい職場とするために、職員の福利厚生の充実に努めること。
(4) 太陽が丘キャンパス第1号棟にタイムレコーダーの端末を設置すること。
(5)教員は従来どおり週1日は研修日を取れるようにすること。