北陸大学教職員組合ニュース215号(2004.7.27発行)
2004年要求事項に対し法人理事会は文書回答拒否
北陸大学教職員組合は、法人理事会に対し、6月11日に「2004年度教職員組合要求事項」を提出しました。この要求書は、6月10日の組合大会で採択され、2004年度の組合の要求事項を網羅したものです(組合ニュース第213号参照)。きわめて重要な内容ばかりですので、組合は法人理事会に対して文書による回答を求めましたが、法人理事会は、回答の期限である7月5日を過ぎた翌7月6日に、わずか6行から成る文書によって、文書回答はしない旨、表明してきました。団交の場で協議すればいい、というのが法人側文書の趣旨です。
とんでもない話です。組合が新年度の組合の正式要求事項としてA4で3ページの長さにわたってまとめたものに対して、その内容に一切触れず、ただ、団交の場で協議するという一言だけで退けてしまう――ここには、誠実に組合の要求を検討し、協議をしていこうという態度がまったく見られません。文書という形にして、自分たちの責任を絶えず明らかにしていくという姿勢が完全に欠如しています。組合はこれまで何度も多くの問題に対して文書回答を要求してきましたが、ここ数年、理事会はすべて文書回答を拒否し、団交の場で説明したことを文書にするよう要求しても一貫して拒否してきました。結局、自分たちの主張は文書に残せないようなでたらめなものでしかないことを理事会は自らの態度により証明してきました。今回も根は同じです。
さらに、法人理事会は今回再び夏季賞与支給に当たって、組合が要求事項として出しておいた要求を無視し、再び支給式を強行しました。しかも、今回は、強行しただけでなく、前日に通知した支給式の時間を理由を説明せずに当日になって変更するという暴挙を行い、多数の教職員に迷惑をかけました。しかも、その混乱が、当日の金曜日のみならず翌週の月曜日にまで続くという体たらくで、現法人理事会は、当事者責任能力をまったく欠如していることが露呈されました。
組合は、「2004年度組合要求事項」に掲げた要求事項実現のために、再び法人理事会に対して文書回答の要求書を提出しました(裏面参照)。また、組合ニュース第214号でお知らせしましたように2004年度の賞与についても組合を全面的に無視した内容の文書を法人理事会が配布しましたので、これについても抗議書を提出してあります(裏面参照)。
8月6日(金)に組合設立9周年記念パーティを開催
すでにお知らせしましたように、8月6日(金)19:00から北陸大学教職員組合設立9周年記念パーティを開催いたします。場所は、組合の設立大会が行われた旧会館加賀、現KKRホテル金沢です。皆さんの参加をお待ちしています。出欠の通知は8月2日(月)までです。薬学キャンパスは佐倉委員長、太陽が丘キャンパスは岡野書記長のメイルボックスを御利用ください。
組合員からの投書:薬剤師の国家試験と賞与について
組合に投書がありましたので御紹介いたします。
「法人:もし、薬剤師の国家試験の合格率が下がったら、来年度は教員の賞与を引き下げるつもりだ。」。組合ニュース第214号を読んでいてこの一文に唖然とした。発言した法人の方は教員のことをどのように考えているのだろうか。
来年度国家試験の合格率が上昇したとき、その方は、その結果を「賞与のため」と考えるのだろうか。薬学部には、賞与を引き下げられることがイヤで(こんなつまらない脅しにびっくり)、急に一生懸命に学生に対応し始めた教員はいない。いつの年も4年生には最大限の対応をしてきた。団体交渉の場での発言だから、労務担当理事はご出席のはずである。上記の一文が本学の労務を担当する最高責任者のお考えなのだろうか。法人の窓口である薬学事務局の灯りが消えても、薬学部の研究室の灯りはついている。教員は4年生の質問に答え、実習生に研究と国家試験対策に向けての指導をしている。この発言は、学生と関わっていない方なら、あるいは自分たちの年俸は国家試験の合格率と連動していない方ならできると思う。もっと邪推すれば、発言した方は国家試験の合格率が上がってもらっては困る、なぜなら人件費を42.7%に抑えなければならないから――そう考えているのではないだろうか。
そんなこととは関係なく、今日も薬学部の教員は4年生に真摯に対応している。しかし、私だけだが、なんだか勤労意欲がそがれてしまった。(薬学部の1教員より)
組合ニュースの編集部では皆様からの投書をお待ちしております。現在、教授会・教員会以外に、大学に対して教員が意見を発信できる場所は組合ニュース以外にありません。皆様の忌憚のない御意見をお寄せいただければ幸いです。
業績評価・理事会などに関するアンケートを未提出の方は早急に御提出願います。 |
北陸大学教職組発第136号
2004年6月30日
学校法人北陸大学
理事長 北元 喜朗殿
北陸大学教職員組合
執行委員長 佐倉 直樹
抗 議 書
平成16年6月24日に事務局長名で「平成16年度賞与について(お知らせ)」という文書が配布されましたが、北陸大学教職員組合は、この文書の内容に対して厳重に抗議するものです。
現在、北陸大学教職員組合は、法人理事会と平成16年度の賞与について交渉中です。しかるに、配布された文書には、交渉中であることには一言の言及もなく、文書に示された支給率があたかも最終決定であるかのように書かれています。これは明白な組合無視であり、不当労働行為です。
労働組合法は、使用者が組合と誠実に協議することを義務付けています。今後、二度と類似のことが繰り返されてはなりません。
平成16年6月8日、石川県地方労働委員会によるあっせんでは、三林会長から、「大学という特別の場所なのだからもっと良識をもって協議をしてほしい」という趣旨の言葉がありました。いったい、法人理事会は、どのような気持ちでこの言葉を受け止めたのでしょうか。
さらに、賞与支給式を強行したことについて私たちは強く抗議いたします。教職員組合は、すでに文書で賞与支給式を行わないように要求しています。これは過去に築き上げた信頼関係を踏みにじるものだからです。しかるに、式は強行されました。賞与支給日の2日前の団交の席上で法人理事会は支給式に一切触れず、翌日の、つまり支給日前日の文書で支給式を行うことを、組合には一切通知せず、全教職員に知らせました。これも完全な組合無視です。経営者としてやってはならないことです。
しかも、さらに悪いことに、6月25日金曜日の賞与支給の当日、支給式開始の直前になって、予定時間がすべてキャンセルになり、大幅な時間変更が行われました。25日(金)に都合がつかなかった職員への28日(月)の支給時間も、直前に大幅な予定時間変更がありました。しかるべき時間に集まるよう召集をかけておきながら、全く、その時間を守ろうとしない――これでは、幼稚園児にも笑われてしまいます。自分の言動に対する責任感が一切感じられませんし、仕事の中断など、大勢の教職員への多大な迷惑など眼中にない振舞いです。また、職員に対して賞与がいかに重みを持つか、そのことを理解しているとはとても思えないやり口であり、明らかに経営者失格です。
以上、北陸大学教職員組合は貴殿に猛省を求めるものです。
北陸大学教職組発第137号
2004年7月16日
学校法人北陸大学
理事長 北元 喜朗殿
北陸大学教職員組合
執行委員長 佐倉 直樹
要 求 書
私たち北陸大学教職員組合は、平成16年6月11日に「2004年度教職員組合要求事項」を法人理事会に提出し、7月5日までに、文書によって回答することを求めました。しかるに、松村労務担当理事名で出された平成16年7月6日付けの文書においては、団体交渉の場で交渉を行うとして文書回答を拒否しております。なぜ文書による回答をしないのでしょうか。私たちは文書によって明快に要求事項を示しております。それに対して法人理事会も文書で応じ、それをもとに、お互いが誠実に交渉をするというのが筋というものではないでしょうか。
本学は現在、創立以来の危機にあると言っても過言ではありません。そのような時に、法人理事会が組合に対する不誠実行為を繰り返し、信頼関係の構築に一切努力しないというのは、北元理事長によって代表される現法人理事会の経営者としての資質を疑わせるものです。
私たち北陸大学教職員組合は改めて、「2004年度教職員組合要求事項」に対して、法人理事会が文書で誠実に回答することを要求するものです。
また、私たちが、2003年10月16日付けで出した要求書(北陸大学教職組発第119号)、2003年11月13日付けで出した要求書(北陸大学教職組発第122号及び第123号)、2004年4月8日付けで出した要求書(北陸大学教職組発第128号及び第129号)、2004年5月26日付けで出した要求書(北陸大学教職組発第132号)のいずれにも、まだ法人理事会からは文書による回答をいただいていません。改めて、上記の要求書に対して文書回答を要求いたします。
以上、上に言及しましたすべての要求書に対する文書回答を平成16年7月26日までにするよう要求いたします。法人理事会が経営者としての責任を自覚し、誠実に対応されんことを心から望むものです。