北陸大学教職員組合ニュース212号(2004.5.28発行)
薬学部担任教員の独断的決定を撤回せよ!
アドバイザー制度に無責任な介入は許さない!!
これまで、薬学部のアドバイザーシステムは、新入生を薬学部の全助教授・講師にほぼ均等に割り振り、これらの学生が3年次12月に至るまでの約3年間同一の教員がアドバイザーを務めた後、3年次1月より教授を中心とした各教室主任へと引き継がれる制度でした。この際、各教員が担当する新入生のアドバイジーは、先ず薬学部学生委員が割り振りの原案を作成、これが薬学部教授会に報告されるという順を経て決定されて来ました。この制度は、薬学部教員の総力を以って学生の指導に当たるという趣旨の下、約10年以上続いてきたものです。しかしながら、本年4月、この制度の果たしてきたこれまでの実績と現在おかれている薬学部の実情を無視し、薬学部教員の意見を何ら聴取すること無しに、この制度が一方的に変更されました。
以下に薬学部アドバイザー制度変更(名称がアドバイザー教員から担任教員に変更)と新たな担任教員決定に至る最近の経過をお知らせします。今回の担任制度は、日頃の理事長の言「全教職員一丸となって、学生の教育と指導に当たる!」とは乖離しており、学長がなぜ矛盾に満ちた変革を推し進めようとするのか、その理由を明らかにするよう、質問状(裏面参照)を提出しましたので報告いたします。
薬学部担任制決定の経過
@ 4月15日付,学長及び学生部長名で「平成16年度薬学部新一年生担任教員について」がメールボックス中に配布された.記載事項:担任教員26名と担当学生学籍番号(18〜21名)が決定された旨.
A 4月27日午後,薬学部3教員に学長から突然の呼出しがあり,1教員は実習中のため応ずることが出来ず,2教員に以下の説明があった: 当該3教員には1年生の学生担任をさせない.また,昨年来の持ち上がりの2年生及び3年生の学生担当をも外す.理由は学生の指導上の問題がある訳ではなく,理事長の意向であるので,近々,理事長と面談することを勧める,と学長が伝えた.
B 4月30日の第2回薬学部教授会で,学生委員会からの報告事項なし.薬学部学生委員に対して,アドバイザー制度の変更に関する経過報告をしてほしい,と質問があり,これに対して薬学部学生委員会委員から,1)1年生の担任教員が26名となり,10名ほどが担当しなくなった理由は,担任活動を同一時間帯に13講義室で行うことを前提として26名となった, 2)2年生及び3年生のアドバイザー制度(担任制度)については,4月以降学生委員会は開催されておらず,決定されていない,と説明された.
C 5月10日付,学生部長名で「平成16年度の担任について」のE-メールが薬学部全教員に配信.記載内容:添付ファイル(2004年教員担任表)のように決定された旨.表には当該3講師の担任学生は「0」と記入され,昨年度までの担当学生は他の教員に振り分けられていた.
D 5月15日第3回薬学部教授会では,学生委員会は未だ開催されておらず,報告なし.3教員担任外しの件に質問,意見があったが,責任ある回答ができる教員がいないことが判明.
なお,2004年度の未来創造学部,外国語学部,法学部のクラス担任制で十数名の教員が担任を外された件については,既に4月8日付で要求書を提出しましたが,未だに回答はなく,教学の責任者としての説明責任を学長は放棄しています(組合ニュース211号).この学生の教育と指導に関わる制度改悪及び非民主的組織運営については,組合は,組合員に対するパワーハラスメントと教員の労働強化を含むものとして,撤回を求めて闘いますので,どうぞご支援をお願い致します.
地労委、組合のあっせん申請受理 組合は、法人理事会の度重なる不誠実な交渉態度について、石川県地方労働委員会にあっせん申請をしてきましたが、5月10日に、申請が受理されました。6月8日に地労委、組合、法人の三者が集まり、あっせんが行われます。詳細については、以後の組合ニュースでお知らせしていく予定です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
北陸大学教職組発第132号
2004年5月26日
学校法人北陸大学
理事長 北元 喜朗殿
学長 河島 進殿
北陸大学教職員組合
執行委員長 佐倉直樹
要 求 書
4月15日付,学長・学生部長名で「平成16年度薬学部新一年生担任教員について」の表がメールボックスに配布され,また5月10日付,学生部長名で「平成16年度の担任について」のE-メールが薬学部全教員に配信されました.添付の「2004教員別担任表」では,担任を外された薬学部教員がいます.3名の講師には一年生の担任学生が割り当てられていないだけでなく,昨年度まで担当していた現2年生及び現3年生のアドバイジー学生が副学長,学部長などに振り分けられています.教員の総力で取り組んできた従来のアドバイザー制度を,薬学部の大幅な定員増がなされた本年から,なぜ,担当教員を大幅に制限した担任制へと変更し,且つ,上記3教員をアドバイザー活動から完全に外したのでしょうか.
第2回薬学部教授会(4月30日)及び第3回薬学部教授会(5月14日)では,この件について質問があり,当該3名の講師は熱意をもってアドバイザー活動に取り組まれており学生指導に何ら問題ないこと,今回の学長・学生部長の決定は,薬学部の学生指導・教育に全教職員が一丸となって取り組もうとする熱意を阻害するもの,等々の意見がありました.また,4月以降学生委員会が一度も開かれることなく決定され,担任教員決定の経過と外された理由については,薬学部教授会で誰一人責任をもって説明できない現状です.
学生の指導,教育は本学における最も本質的な業務であり,教員として理由無く業務を剥奪されることは人権問題です.特に人事考課が強行されている本学の現状では,重要な労働条件の一方的変更となる可能性があります.よって,北陸大学教職員組合は、以下の3項目について,早急に文書で説明することを要求するものです.
1)薬学部の全教員が担当してきたアドバイザー制度を,なぜ担任制に替えたのか.
2)担任教員の決定は,誰の責任で,またどのような基準によって行なったのか.
3)担任を外された教員が外された個々の理由.