陸大学教職員組合ニュース202号(2003.12.9発行)



第7回、第8回団体交渉報告



平成1512月2日(火)に第7回団体交渉が開かれました。組合は1121日での開催を要求していたのに対し、法人側はこの日まで団交に応じませんでした。

当日の団交では、給与改定、冬季賞与、新学部関連問題などを予定していましたが、中川専務理事、河島学長が法科大学院不認可の事後処理で出席できず、給与、賞与に絞っての団交となりました。

 以下、平成15年度第7回団交の概略です。



法科大学院について

組合:法科大学院が不認可となった。天下に恥をさらしたが、責任は誰が取るのか。

法人:努力した結果であり、責任はあるかもしれないがとやかく言う筋合いのものではない。せいいっぱいやったことが大事だ。

組合:Withでは成果が大事だといつも言っているではないか。

法人:とにかくがんばってこうなったんだから責任などと言ってもしょうがない。

組合:また申請する予定はあるのか。

法人:現在は白紙だ。



給与改定について

組合:1.5%の要求に対して、そちらの回答は?

法人:応じない。

組合:理由説明も別の提案もないのか?

法人:今は1.5%の要求には応じないということしか言えない。



賞与について

組合:昨年度の人件費は、帰属収入の40.69%だった。人件費は45%という枠を大幅に下回った。そして、約3億円の余剰金もあったはずだ。なぜ、その一部を今回の賞与に回せないのか。

法人:経営は常に先のことをみてやらねばならない。少しあまったからといって使ってしまうわけにはいかない。それが責任ある経営というものだ。

組合:法人は、人件費は45%という設定を自ら決めている。そうしたら、それに近い水準で出していくというのが当然ではないか。何で自分たちのことばに責任を持たないのだ。

法人:45%というのは上限で、そこまで出すということではない。

組合:給与とか賞与とかは職員にとって死活問題だ。それなのに人件費を45%と言っておいて、4%も下の水準でいいというのは経営者としてやるべきことではない。45%まで出す努力をするのが当然だ。なぜ前年度の分を少しでも補償しようということを考えないのか。少しは職員の気持ちを考えるべきだ。

法人:我々は経営に責任がある。とにかく、今年は特別に理事長から感謝の印として5万円が出る。0.12か月分だ。

組合:理事には年2200万円(文科省のガイドラインの上限)を超えた報酬を取っているものがいるのか。

法人:答える必要はない。

組合:賞与の問題は人件費の問題だ。役員報酬は人件費の一部だ。当然賞与と関わりがある。答えてほしい。

法人:団交事項ではないから答える必要はない。



入試手当について

組合:入試手当は人事考課の対象外とすべきで業績評価に含めるべきではない。特に入試問題の作成については、従来なら教授も講師も平等に支給されたのが、業績評価の算定は基本給を基準にするから、差がついて不公平になる。絶対やめるべきだ。

法人:入試問題作成のところだけ、何らかの工夫をして不公平にならないようにしたい。



人事考課について

組合:人事考課の結果を、賞与の2か月分に反映するというのは、納得がいかない。昨年1か月分でやった結果、組合が集計したアンケートではほとんどが否定的な意見だった。つまり、大学の活性化にはならなかった。むしろやる気がでなくなったという意見が大半だった。それなのに、なぜ2か月分とするのか。

法人:夏の賞与交渉のとき、3か月分だったのを2か月分とした。だから2か月だ。

組合:人事考課をして、大学にたしかにプラスになったというデータはあるのか。

法人:ない。しかし、人事考課を望んでいる職員はいる。

組合:具体的な数字は?

法人:ない。

組合:人事考課をやり、その結果のきちんとした分析をして、その結果、人事考課の結果を従来の2倍の幅で反映したほうがいいというのなら話はわかる。1か月から倍の2か月にしたいという根拠を示してほしい。

法人:そういうデータはない。とにかく人事考課をやっていくのが方針だ。

組合:来年3月の人事考課分の一部を前倒しにして、冬の支給が何とか2か月分を超えるようにできないのか。これではローンすら払えない。

法人:そういうことはしない。人事考課は2か月分でやる。業績評価を2月末で締め切って、317日に支給を予定している。

組合:3日後の125日金曜日の冬季賞与支給額は変更する気はないのか。

法人:ない。夏の賞与支給の時点ですでに妥結したものと理解しているし、金曜日の支給ですでに準備している。



 結局、122日の団交では、法人は一歩も譲らず、組合は翌日団交を開催することを申し入れて、終わりました。なお、交渉の途中で昨年度の決算で総支出の20%以上の12億円もが「その他の支出」として使途が明らかにされていなかったので組合が質問したところ、資料がないので説明できないとの返答でした。

翌日の午前11時ごろに法人側は昼休みを利用して三役のみの折衝を申し込んできましたが、組合は正式の団交を主張し、午後になってやっと法人側は団交を受け入れることを伝えてきました。第8回団交は再び法人側の都合で1715から1800までしか行うことができませんでした。

 以下、123日に行われた平成15年度第8回団体交渉の概要です。



組合:昨日の結果を検討したと思うが、返事は?

法人:検討したが、こちらの提案は変更しない。

組合:私大教連の180の加盟校では人事考課を賞与に反映させるというのはどこもやっていない。

法人:やっているところもある。たとえば産能大がそうだ。

組合:あれだけ2か月分の人事考課が不合理だということを言ったはずだ。1か月分でも組合としては相当妥協しての主張だ。2か月とする根拠は?

法人:賞与の全額を人事考課で決めたいというのが理事会の方針だ。数年前に理事会で決めた。

組合:理事会か常任理事会か。

法人:記憶にない。しかし、賞与は生活給ではないから、全額を人事考課の結果で決めたい。それが今は、この程度で止まっているということだ。人事考課の理由は大学の活性化と悪平等の廃止だ。教職員の意欲を引き出し、競争させたい。

組合:人事考課の結果の検証はやっているのか。

法人:人事考課をやってほしいという人はいる。

組合:検証結果の具体的なデータなどはないのか。

法人:ない。

組合:人事考課をやって実際に活性化があり、組織がよくなって成果があがった、だからもっと進めたいと具体的な数字なり何なりを出して言うならまだわかる。しかし、何にも示さずに、ただやりたいからやる、幅を大きくしたいから大きくするというのでは、経営者としての説明責任をまったく果たしていない。なぜ、人事考課の賞与への反映幅を大きくするのか?

法人:方針だ。



 結局、この日はここまでで団交が時間切れとなり、法人は交渉を継続することを約束して終了となりました。第8回団交では、将来、賞与の全額を人事考課に基づいて行うという恐るべき方針が示されました。これに対しては、組合は徹底的に戦っていく予定です。組合員の皆さんの力強いご支援をお願いする次第です。