北陸大学教職員組合ニュース200号(2003.11.20発行)

       臨時組合大会開かれる

 1112日(水)に臨時組合大会が開催されました。議長、書記を選出の後、議事に入り、まず、桐山執行委員長から挨拶がありました。委員長は、現在の厳しい状況にあっては戦いは楽なものではない、としたうえで、団結を維持し、「一粒の雨でもたくさん集まれば嵐となる」ことを信じて組合活動を続けていくことの重要性を訴えました。また、北陸大学教職員組合の上部団体である日本私大教連*のスタッフと打ち合わせを行い、私大教連としては、北陸大学教職員組合を全面的に支援していく体勢である旨の表明があったとの報告がありました。

*日本私立大学教職員組合連合 

全国で180の私立大学・短大の組合が加盟する。日本で最大の私立大学教職員組合連合で組合員数は約2万人。

続いて、岡野書記長から、活動報告があり、特に団交に関しては法人側がいかに不誠実な対応しかしていないかが具体的な対応例により説明されました。912日に、新学部に所属することになる教員の名前が発表され、外国語学部と法学部合わせて29名いる組合員のうち新学部に行くとされたのはわずかに5名で、残りは全員が総合教育センターに配属されます。ここに配属されると3年後の解雇の可能性があります。また、法学部の組合員は全員が総合教育センター配属となり、露骨な差別を強行しようとしていることがあらためて指摘されました。さらに、新学部では、外国語学部と法学部が一つになった学部のはずなのに、ドイツ語やスペイン語が選択外国語として開講されず、薬学部の新カリキュラムでも、ドイツ語が消えていることについては、これからの団交で厳しく追及していき、さらに必要となれば、地労委も含めて可能なかぎりの手段を行使していく予定であることが方針として出されました。

そのあと、執行部より、過去5年間の大学の帰属収入、人件費の比率、賞与、給与改定などの状況に関して説明があり、今年度の賞与、給与改定の要求額を決定するための討議に移りました。中でも、法人側に対して厳しい非難が集中したのは、法人側の宣言した「帰属収入に占める人件費比率の上限を45%に設定」という方針(法人側の平成13629日付の組合への回答書。組合ニュース171号に掲載。)に対してでした。そもそもなぜ45%なのかということに関する合理的説明は一度もなされたことはありません(他大学では、50%を超える例はいくらでもあります)。しかも、この宣言をした平成13年度の予算からしてが、人件費が帰属収入の46.93%という数字で、45%という数字を無視して組んであり、その後、賞与の大幅削減を行って、決算時では43.43%にしています。つまり、予算を組んだときには、45%など考えていなかったのです。後から、45%という発表をしたので、それに合わせるために、賞与を削減したことは明白です。単なる数字合わせのために教職員の生活を犠牲にしたわけです。

昨年度、平成14年度では、人件費の予算は当初から低めで組み、43.9%として、決算ではさらに低くして40.69%という数字になっています。4%以上も自分たちの掲げた目標より低いわけで、これは金額にして25千万円以上の数字であり、賞与にまわせば全教職員に対して優に2か月分は出すことができる数字です。また、組合ニュースでもお知らせしましたように法人は昨年度の予想減収幅が予想より少なかったとして約3億円の余剰金ともいうべきものができたことも認めています。しかし、結果はご承知のように平均4.5か月という最低水準でした。この問題については「3億円はどこへ行った?」というポスターを貼りだそうではないかという提案が組合員のあいだから出されるほどでした。

いろいろな意見が出された後、最終的に、現実的な案として、今年度の賞与要求は、学部間格差をなくし、一律分は年間5ヶ月とし、現在法人側が人事考課の賞与への反映幅を2か月分としているのを1か月分とするよう要求し、全体として平均5.5か月の賞与支給をめざすこととなりました。また、給与の改定では平均1.5%の引き上げを要求することとなりました。また、人事考課の基準となる「業績評価書」に入試手当を含めるという法人案には反対し、入試手当は入試手当として従来どおりの支給を年度末にするよう要求することも決まりました。

そのあと、様々な問題に関していろいろな意見が出され、特に薬学部に関しては、来年度から定員が460名となることについて多くの懸念が表明されました。きちんとしたビジョンなしの学生受け入れは教育条件の悪化につながり、ひいては薬剤師の国家試験の合格率低下を引き起こし、近い将来薬学部の定員がだぶついてきたときには、合格率の低い大学から受験生が来なくなることが目に見えています。そのような予想がすぐに立てられるのに、理事会は教授会でのきちんとした議論を経ずに一方的に定員増の決定をしてしまいました。理事会はいったいどのような見通しがあってやったのか――不信感はつのるばかりです。また、新学部については、教員の総力をあげてその運営にあたっていかなければならないはずなのに、すでに組合員を極力排除した形での運営が始まっています。それは教員の配属、授業担当、そしてドイツ語やスペイン語の廃止などに明確にあらわれています(本誌裏面参照)。理事会は新学部の発展を自ら阻害するような形で事を進めていこうとしているわけで、そのような「未来創造学部」に未来などあるでしょうか。

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北陸大学教職組発第122

20031113

学校法人北陸大学

理事長 北元 喜朗殿

北陸大学教職員組合

執行委員長 桐山 典城



                要 求 書



 私たち北陸大学教職員組合は、20031016日に、法人理事会に対して要求書を提出し、その中で、未来創造学部のカリキュラムに、ドイツ語、スペイン語が存在しない理由、薬学部の新カリキュラムにもドイツ語が存在しない理由を文書で回答してくれるよう求めました(北陸大学教職組発119号)。しかるに、1028日に開かれた団交では、河島学長は、文書による説明を一切拒否し、口頭での「説明」に終始しました。

 河島学長の「説明」によれば、新学部にドイツ語、スペイン語がないのは、新学部の外国語は英語と中国語でいくというのが方針であり、朝鮮語があるのは、留学生別科に韓国人の学生が多数来ているからである、とのことでした。また、スペイン語やドイツ語などもやってみたいという学生は本学にはきてもらわなくていいという意見も披露されました。また、中川専務によれば、新学部では東アジア関係の科目があるから朝鮮語をおくということでした。

これらの「説明」は、できるだけ新学部を魅力的なものにしてより多くの志願者を獲得し、さらに充実した教育を提供するという観点からはまったく納得のいかないものです。本学には現在、ドイツ語、スペイン語を専門とする教員が4名います。そして、ヨーロッパ関係の授業も多数行われます。ドイツ語、スペイン語をカリキュラムに入れることは、未来創造学部の一層の充実につながることであり、志願者である高校生の側にとっても、選択外国語の幅が広いことは魅力の一つであるはずです。

薬学部においても事情は同じです。現在、薬学部では、選択外国語として、英会話以外にドイツ語と中国語がおかれており、多数の学生がドイツ語を選択しています。なぜ、その多数の学生が選択しているドイツ語をカリキュラムからはずす必要があるのでしょうか。河島学長はコア・カリキュラムが英語だと主張し、東洋医学関係を重視しているから中国語だけで必要十分だと言ってますが、ことは選択外国語の問題でありコア・カリキュラムとはまったく無関係です。また、東洋医学を重視しているところに今まで同様ドイツ語を開講しても何ら支障はありません。

以上の理由により、北陸大学教職員組合は以下の要求をするものです。

(1) 未来創造学部のカリキュラムに選択科目としてドイツ語・スペイン語を加えること。

(2) 薬学部の新カリキュラムでもドイツ語の開講を従来どおり続けること。

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北陸大学教職組発第123

20031113

学校法人北陸大学

理事長 北元 喜朗殿

北陸大学教職員組合

執行委員長 桐山 典城



要 求 書



 20031027日に、河島学長が主催した会議において、新学部である未来創造学部の授業の4年分の担当教員が示されました。この未来創造学部は「法学部と外国語学部とを創造的・発展的に統合した」というのが河島学長の再三にわたる説明です。とすれば、この新学部の授業には、現外国語学部教員と現法学部教員とが総力をもってあたり、教育効果をあげていくのが筋というものでしょう。ところが未来創造学部の授業を一切担当しない教員が、組合員に多数存在します。以下の教員です。

 

外国語学部

潮 昭太、岡野 浩史、林 敬、J.A.マチェット、三国 千秋、R.ライヒェルト、

岡崎 和子、佐々木 昌子、K.R.マナハン、アルベルト・カニャス、井上 裕子

法学部

茨木 正治、田村 光彰、馬場 巌、原 禎嗣、柳本 祐加子、梅津 博道 

 

 いったい、どのような理由で、上記の教員は未来創造学部の授業を担当しないのでしょうか。 これらの教員は、学部創設時から教育を支えてきた教員も含めて、長年、本学での教育に多大の貢献をしてきた教員ばかりです。

 なぜ、上記の教員が未来創造学部の授業を一切担当しないのか、その理由を明らかにしていただきたい。1121日開催予定の団体交渉までに、どのような基準で新学部の授業の担当者を決定したのか説明し、さらに、上記の教員はなぜ担当授業がないのか、一人ひとりの教員ごとに説明した文書を提出することを要求するものです。

この問題は雇用に関わる重要事項です。誠意ある対応を望みます。