北陸大学教職員組合ニュース第177号(2002.6.6発行)
組合側、2002年度年間一時金、5.7ヶ月を要求
先週(5/29)の執行委員会で、ボーナス要求についての検討会が行われました。その結果、組合として、今年度は年間一時金を教員・事務局職員を問わず、一律5.7ヶ月を要求することを正式に決め、大学側に要求書を手渡しました。
この理由として、まず第一に、これまで三年間の数値をあげたいと思います。
教員 事務局職員
1999年度 5.8ヶ月 + 7万円 5.8 + (0.2ヶ月)
2000年度 5.7ヶ月 5.5 + (0.5ヶ月)
2001年度 5.0ヶ月 4.5 + (0.3ヶ月)
事務局職員の( )内の数字は、いずれも人事考課の対象となる数値です。この数字からみても明らかなように、ボーナスは2000年から2001年にかけて、大幅に減額されたことがわかります。今年度の要求では、まずは二年前の5.7ヶ月に戻すことを目標とし、この要求を大学側に伝えました。
第二に、この5.7ヶ月という数字は、全国の私立大学の年間一時金額を検討した結果のものです。参考までにニュース裏面に、首都圏、東海地区、京都・滋賀地区の私大教連が調べた、全国82私立大学の年間一時金の額を転載しました。一覧表からみても、5.7ヶ月という数字は決して無理なものでなく、平均的なものです。もしも、昨年のボーナスの数値に留まるとしたなら、本学の場合は極めて低いレベルにあると言わなければなりません。
第三に、今年度の入学者数が挙げられます。大学側はこの間、入学者の減少を理由に、一時金の額を減らして来ました。しかしながら、2002年度は、薬学部で入学者が348名と昨年より増え、また外国語学部においても中国からの3年次の特別枠の編入生が44名でした。したがって、学部によって昨年より入学者が減ったところもあるとはいえ、大学全体としては前年度に比べて減少してはいません。入学者の減少を理由に一時金の減額を主張する大学側の主張には、無理があるといえます。
また、全国的な経済の停滞、景気の後退を理由に、低い昇給率と連動させて年間一時金の減額を計る動きがありますが、これも根拠に乏しいものです。大学のように、年度当初に帰属収入が予測できる場合には、年度内での予期せぬ減収ということはありえないはずです。確かに、近年は、他大学を見ても高い昇給率アップは見られませんが、ボーナスなど年間一時金に大幅な減額はないというのが実情です。
以上のことから、今年度の年間一時金5.7ヶ月という要求は、決して無理なものでなく、むしろ本来の数値に戻すという意味で、妥当な数字だと考えます。これから、いよいよ大学側との本格的なボーナス交渉が始まります。組合員のみなさんのご支援をよろしくお願いいたします。
夏季休暇・有給休暇についてのアンケート結果報告
4月末に行われた、夏期休暇と有給休暇についてのアンケートでは、組合員の約半数の方から回答がありました。そのうち、夏期休暇が3日間に短縮されたことについては、大多数が反対の意思を示しています。その理由として、大学側の「今年度は入学者の確保など重要な年であるから」、という主張に対しては、夏休みに行事があるとはいえ、交替で休みをとることは可能であり、したがって全員の休暇を3日間に短縮することには納得できないというものです。夏期休暇を短縮することで入学志願者の増加をという考え方には、論理の飛躍があります。かつて夏休みを長くした最大の理由は、省エネ・資源節約にあったはずであり、こうした点からも夏季休暇に対する大学側の姿勢は一貫していません。
また、有給休暇をとりにくいと感じているか、との問いに対しては、回答者の半数が実際にとりにくいと感じていることがわかりました。大学側は、「夏期休暇の減った分を有給休暇で補ってもらいたい」と主張していますが、これを全員に当てはめて考えることには無理があります。この点について、ある組合員は、率直に今の自分の考えを述べています。それをアンケートから引用すると、
●個人的には有給が毎年消化しきれていない(いざという時のために、なるべく普段は取らない)ので、困ることはないが、管理者側の都合で、理由が極めてあいまいなまま変更されていることには反対、納得のいく説明がほしい。
●書面では、有給申請の理由欄を「その他」にして通しているが、当日朝休むことになって連絡すると、理由を聞かれることがある。有給で授業に支障がなければ理由まで言う必要がないはずなので、不快に思う。今後、親の介護などの状況が生じて来た時を想像すると、どう対応されるか不安ではある。
有給休暇を余り取らない理由としては、本人の病気や怪我に備えてのみならず、家族や自分の親たちが病気になった場合の介護のことなどを考えて、必要以上に休暇をとらないようにしているということがわかります。
執行委員会では、今回のアンケート結果を踏まえて、団交でも再度、組合員の声を大学側に訴えていくつもりです。今年の休暇はすでに三日間ということで発表はされましたが、団交でもう一度交渉し、来年度にもつなげていく予定です。
他にも、今年度は教員にとって普段の教育活動の他にも、さまざまな事務的な仕事が増えて、教育研究条件を圧迫していることや、ボーナスの支給式を取りやめ銀行振込にしてほしいとの声があったことを申し添えておきます。
2001年度 首都圏私大の賃金及び教育・研究・労働条件 |
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大学 |
年間一時金(ケ月) |
+ 一律額(円) |
慶應義塾大学 |
6.500 |
174,220 |
法政大学 |
6.272 |
210,900 |
中央大学 |
6.800 |
0 |
関東学院大学 |
6.000 |
135,000 |
日本大学 |
6.580 |
38,500 |
立教大学 |
6.485 |
268,000 |
国士舘大学 |
6.320 |
134,200 |
東京経済大学 |
6.300 |
0 |
桜美林大学 |
5.950 |
299,000 |
茨城キリスト教大学 |
4.726 |
0 |
日本女子体育大学 |
5.700 |
113,000 |
東京造形大学 |
6.500 |
240,000 |
女子美術大学 |
6.150 |
60,000 |
東京理科大学 |
- |
- |
早稲田大学 |
6.700 |
191,500 |
青山学院大学 |
6.250 |
178,650 |
東京歯科大学 |
5.450 |
80,000 |
国立音楽大学 |
5.550 |
141,000 |
東邦大学 |
5.780/6.120 |
132,000 |
獨協大学 |
5.940 |
203,000 |
明治大学 |
6.643 |
0 |
明治薬科大学 |
5.700 |
150,000 |
上智大学 |
4.950 |
- |
専修大学 |
6.500 |
84,800 |
東京家政学院・筑波女子大学 |
5.900 |
100,000 |
国際基督教大学 |
5.500 |
98,000 |
杏林大学 |
5.100 |
70,000 |
立正大学 |
6.000 |
0 |
作新学院大学 |
5.824 |
3,000 |
東京電気大学 |
6.000 |
225,200 |
秋草学園短期大学 |
5.300 |
0 |
明治学院大学 |
6.588 |
213,000 |
東横学園女子短期大学 |
- |
- |
駒澤大学 |
- |
- |
芝浦工業大学 |
5.700 |
- |
神奈川工科大学 |
5.932 |
35,000 |
千葉商科大学 |
6.000 |
250,000 |
文化女子大学 |
6.000 |
0 |
城西大学 |
- |
- |
和光大学 |
5.900 |
381,000 |
工学院大学 |
6.200 |
201,000 |
湘南工科大学 |
- |
- |
武蔵野美術大学 |
5.950/6.150 |
211,000 |
東京女子大学 |
- |
- |
敬愛大学 |
6.400 |
0 |
昭和薬科大学 |
6.500 |
0 |
和洋女子大学 |
5.374 |
150,000 |
長野経済短期大学 |
5.485 |
60,000 |
東京女学館短期大学 |
6.300 |
90,000 |
東洋大学 |
- |
- |
大東文化大学 |
- |
- |
以上43(41)大学 |
5.993 |
120,024 |
東海地区私大実態調査 2001年度版 |
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大学 |
年間一時金(ケ月) |
+ 一律額(円) |
名城大学 |
6.680 |
225,000 |
愛知大学 |
6.500 |
180,000 |
日本福祉大学 |
6.910 |
151,000 |
中京大学 |
6.710 |
282,500 |
愛知工業大学 |
6.490 |
224,500 |
大同工業大学 |
5.870 |
100,000 |
中京女子大学 |
6.000 |
125,000 |
愛知学泉大学 |
- |
- |
名古屋芸術大学 |
5.700 |
180,000 |
愛知学院大学 |
6.620 |
100,000 |
松阪大学 |
5.750 |
139,000 |
鈴鹿医療科学大学 |
5.100 |
0 |
名古屋短期大学 |
5.530 |
60,800 |
東邦学園大学 |
5.800 |
100,000 |
中日本自動車短期大学 |
5.000 |
22,000 |
東海学園大学 |
6.150 |
113,800 |
愛知みずほ大学短期大学部 |
5.150 |
0 |
岐阜経済大学 |
6.200 |
155,000 |
以上17大学平均 : |
6.009 |
126,976 |
京滋地区私立大学・短期大学労働条件等資料集 2002年度版 |
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大学 |
年間一時金(ケ月) |
+ 一律額(円) |
京都学園大学 |
5.900 |
120,000 |
京都経済短期大学 |
6.200 |
170,000 |
京都光華女子大学 |
4.750 |
70,000 |
京都嵯峨芸術大学 |
6.000 |
100,000 |
京都女子大学 |
6.500 |
145,000 |
京都精華大学 |
5.350 |
100,000 |
京都短期大学 |
4.950/5.700 |
0 |
京都ノートルダム大学 |
6.200 |
65,000 |
京都薬科大学 |
5.150 |
80,000 |
種智院大学 |
4.750 |
0 |
成安造形大学・短 |
2.800 |
128,000 |
花園大学 |
5.850 |
200,000 |
佛教大学 |
6.350 |
150,000 |
平安女学院大学・短 |
2.000 |
100,000 |
龍谷大学 |
6.750 |
205,000 |
同志社大学 |
6.900 |
125,000 |
京都産業大学 |
6.600 |
225,000 |
京都橘女子大学 |
5.900 |
100,000 |
立命館大学 |
6.100 |
100,000 |
聖母短期大学 |
5.500 |
0 |
関西大学 |
6.700 |
191,000 |
関西学院大学 |
6.400 |
0 |
以上22大学: |
5.621 |
107,545 |
以上82(80)私大平均: |
5.897 ヶ月 |
+ 118,070 円 |