北陸大学教職員組合ニュース第173号(2001.7.17発行)

 

北元理事長、組合委員長・書記長の会見申し込み拒否:

「労務担当理事に一任してあるので会う必要はない」

 組合は7月10日の執行委員会において、法人側の一方的な賞与の削減および賞与支給式の強行に対して、北元理事長に抗議の意を明らかにするため抗議書を直接手渡しすることを決定し、翌11日(水)に、北元理事長に島崎執行委員長が会見を申し入れました。1分だけでもいいからという、こちらの申し入れに対し、北元理事長は「今日は来客で忙しい」という理由で会えないとし、「一両日待ってほしい。こちらから連絡する。」との説明がありました。組合側としては、この日は右の抗議書を秘書課に預けて連絡を待つこととしました。ところが13日(金)の夕方近くになっても、法人側からは何の連絡もなく、こちらが問合せの電話をすると「理事長は会わない。すべては労務担当理事に一任してあるので会う必要はない。」という説明がありました。当然、島崎委員長、岡野書記長とも強い抗議の意を示しましたが、法人側窓口の干場人事課長は、それが法人側の正式見解だとして、理事長には会見の意思がないことを繰り返すのみでした。

 委員長・書記長が北元理事長に直接会おうとしたのは、今回の件について責任者である北元理事長からじきじきの説明を聞きたかったからでした。また、教職員の直接の声を伝えたかったからでもありました。それに対して、北元理事長は最初は「忙しい」で応じ、次には「会う必要はない」とこちらの会見申し込みを切って捨てました。

実は理事長には会う気などは最初からなく、ただ逃げる口実をさがしていただけと判断せざるを得ません。

 思えば北元理事長が逃げたのはこれだけではありません。教職員が理事長から直接説明を聞きたいと思ったときには、常に理事長は逃げたままでした。文部省への虚偽報告しかり、行政指導しかり、学生「監禁」事件しかり、元亜細亜大学学長衛藤氏の「解任事件」しかり、「日本刀事件」しかり、初谷教授解任問題しかり。その度に理事長は「してやったり」と思ったのかもしれませんが、実際のところは全教職員の信頼をその度に失ったのです。まさに資質が問われます。

 太陽が丘キャンパスには63名の教員がいますが、支給式に出たのはわずかに12名のみでした。このことを北元理事長はどう考えているのか、団交の席でぜひきかせてもらいたいものです。

 

 

(抗議書)

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                            北陸大学教職組103
                            平成13年7月11日

学校法人北陸大学
理事長 北元喜朗殿

                            北陸大学教職員組合
                            執行委員長 島崎利夫

 

                抗 議 書

 

 今年度夏季賞与の支給にあたり、北陸大学教職員組合が支給式による支給に反対したのにもかかわらず式を強行したことに強く抗議するものであります。これは法人理事会と教職員組合との信頼関係を著しく損ねるものであり、法人理事会の猛省を求めるものです。

 賞与の支給式については、1996年12月に行われた団交において法人理事会と教職員組合とのあいだに話し合いが行われ、「現金の手渡しによる支給式は行わず、銀行振込にしてほしい」との組合の要望に対して、法人理事会は「前向きで検討する」ことを約束しました。そして、実際、法人理事会は組合の要望を誠実に受け止め、以後、支給式を廃止し、現在に至っています。つまり、支給式については、文書こそ交わされませんでしたが、実質的には法人理事会と組合との話し合いにより廃止は確認されていたのです。このことは労働協約に準じるものであったといってもよいかと思います。したがって、式の復活を法人理事会が希望するなら、当然前もって組合と話し合いを行うのが筋道というものです。ところが、今回は、賞与の支給の2日前になって突然、支給式を行う旨の宣言が一方的に法人理事会からなされ、組合との実質的な話し合いもないままに強行されました。

 私たちは今回の事態をひどく憂えています。なぜなら、今回の法人理事会のやり方は、労働組合との誠実な話し合いを義務付けた労働組合法を蹂躙するものであるだけでなく、ルールというものをまったく無視しているからです。そこには話し合いによって物事を解決していくという姿勢がまったく欠如しています。話し合いによって決められ、実行されてきたものを、相手の意見も何も聞かずに一方的に変更して、強制する――これは蛮行以外の何ものでもありません。破廉恥という言葉すら思い出されます。

 私たち教職員組合は法人理事会と話し合いをしながら北陸大学を少しでもよりよい大学にしていきたいと考えています。しかし、今回法人理事会がとった問答無用のやり方は、教職員と理事が協力して大学をよくしていこうとすることにはまったくつながりません。むしろ、大学内の雰囲気を険悪なものとし、法人理事会に対する全教職員の不信感を助長するだけでありましょう。

 以後、二度と同様のことが起きることがないよう、法人理事会の最高責任者としての北元理事長に強く求めますとともに、法人理事会と教職員組合が信頼関係を構築して北陸大学のいっそうの発展に寄与するために、団体交渉に北元理事長が出席して自らの言葉で法人理事会の考えを披瀝なされることを心から望むものです。