北陸大学教職員組合ニュース第
166号(2001.1.25発行)
河島学長、「日本刀事件」は真実ではないのですか?
拝啓
河島進学長殿学生対策等でお忙しいことと思いますが、お読みいただければ幸いです。私たちは学長にお聞きしたいことがあります。それは平成
12年9月14日に北元理事長が日本刀を初谷良彦教授に突きつけて辞職を迫ったとされる事件についてです。このことが起きたとき、あなたはその場に居合わせました。事件はしばらくのあいだ表沙汰になりませんでしたが、噂はありました。私たちはその噂を聞いたとき、まさか大学の理事長ともあろうものが学長のいる前でそんなことをするはずはないだろうと半信半疑でした。しかし、この事件は新聞沙汰となり、テレビでも取り上げられました。そして、ことの真偽を問うマスコミの質問に対して、河島学長は「事実無根」(北国新聞平成
12年12月22日朝刊)という説明をしておられます。私たちは学長のことばを信じたいと思いました。また、私たちは当の北元理事長から説明を聞きたいと思い、団交を申し込みましたが、北元理事長は理由も明らかにせずに拒否いたしました。そのうちに私たちの手元に河島学長が初谷良彦教授と
10月12日に交わした会話の内容を録音したテープが届きました。これは、9月14日にどういうことがあったのかを事実確認するために初谷教授が学長の同意のもとに録音したものでした。私たちは急遽組合大会を開き、そのテープをみなで固唾をのんで聞きました。聞き終わったとき、会場には何ともやりきれない、重苦しい空気が流れました。巷間に伝えられていた「日本刀事件」が真実であることがわかったからです。日本刀は抜かれ、初谷教授の喉元まで持っていかれたのです。河島学長は、その事実を認めた上で「正直言って、ぼくも横にいて恐かった」とそのテープの中で語っておられます。
大学とは教育と真理の追究の場です。平成
12年9月14日に法学部棟6階理事長室で起きた事件は大学にはまったくふさわしからぬ事件です。第6サティアンということばが思い出されます。河島学長は事実とはまったく相反することをマスコミに語りました。北陸大学の教育の最高責任者として、その行動はまったくふさわしからぬものです。教職員に対して、そして何よりも学生やご父母に対して、どのような形で責任をお取りになるのでしょうか。ぜひお聞かせ願いたいものです。
北陸大学教職員組合員一同
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外・法入学志願者数激減の最大責任はどこに?
拝啓北元理事長殿
「日本刀事件」、学生対策等でお忙しいことと思いますが、お読みいただければ幸いです。
「日本刀」の件につきましては、私たちは初谷良彦教授と、その場に同席した河島進学長との会話を録音したテープを聞く機会がありました。たしか、北元理事長もそのテープはお持ちのはずですので、その内容をここで繰り返す必要はないでしょう。裁判ですべては明らかにされます。本当は団交に来ていただき、河島学長でもなく、中川専務理事でもなく、北元理事長自ら、北元理事長自らのことばでお話ししていただきたかったのですが、理事長はこれまでどおり何ら理由の説明もなく出席を拒否されました。じつに残念です。組織の長として、事態を明らかにする責任をまったく放棄なさってしまっているのは遺憾のかぎりです。
すでに理事長はご存知のはずですが、地元からの志願者が多数を占める外国語学部・法学部の基礎力入試の受験生の数はそれぞれ昨年比
23%、28%の落ち込みでした。そして今行われようとしている一般一期の受験生の数は昨年比でそれぞれ32%、45%の落ち込みです。つまり、現在進行中の事件――「日本刀事件」も含めて――が表面化してから行われた一般一期の募集では大幅に受験生の数が減少したということです。理事長はこの事態にどのように責任をお取りになるのでしょうか。この
1ヶ月以上にわたる混乱については、河島学長は繰り返しいろいろなところで「理事長を説得しようとしたがだめだった」と語り、三浦法学部事務取扱も「力がないため混乱を起こし申し訳ない」と語っています。つまりお二人とも理事長のために今回の混乱が起きたことを認めておいでです。また、それは衆目の一致するところでもあります。北元理事長は、これまで北陸大学がいかに厳しい状況にあるかを倦むことなく語り、受験生の獲得のために全力を尽くすよう、私たちにはっぱをかけてこられました。その当の北元理事長が、受験生を一人でも多く集めようとしてきた多くの教職員の努力をすべてふいになさいました。
北元理事長はどのように責任を取ってくださるのでしょうか?
北陸大学教職員組合員一同
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初谷教授立入禁止の掲示が出される!!
北元理事長に大学経営の資質はあるか?
1
月22日、太陽が丘キャンパスの法学部棟のすべての出入口に以下のような掲示が出された。平成
13年1月22日告
学校法人北陸大学
初谷良彦教授の本学内への立入を禁止する。
許可なく、この掲示を毀損汚損することを禁じる。
いうまでもなく、初谷良彦教授に対しては金沢地方裁判所から地位保全の命令が出ている。その命令に挑戦するかのようにすでに法人は初谷教授に授業を持たせることを拒否し、研究室のカギをかえて使えなくしている。そして今度はさらにこの掲示である。およそ大学のすることとは思えない。
この掲示を出すように命じたはずの北元理事長は常々謝恩ということばや思いやりということばを口にする。初谷教授は法学部設置認可申請書登載教授であったはずである。法学部設立を担った重要な教員である。そしてこの9年間、法学部学生の教育に邁進し、多くの学生を育ててきた。そのような、大学に対して多大な貢献をしてきたはずの教員に対して、自分に反抗したという理由だけでこのような酷薄な態度を取る北元理事長とはいったいいかなる人物なのだろうか。謝恩はどこへ行ったのか。
思いやりということで言うなら、この掲示を見たら学生はどう思うか、それを北元理事長は考えたのだろうか。自分たちを教え、鍛えてくれ、育ててくれた教員に対して大学が立入禁止を命じ、しかも立入禁止を命じていることを大学に出入りするあらゆる人間がわかるように掲示を出す――このような大学があるだろうか。これを見た学生は、教員に対する自分の大学のあまりの非人間的な仕打ちに、怒りと同時に深い悲しみを覚えるだろう。また、さらにそのような大学に学ぶ自分に、どうにもやりきれない思いにかられるにちがいない。
北元理事長は学生のそういう気持ちを思いやったとはとても思えない。理事長は初谷教授のみならず学生――「本学の存立基盤はご父母から託された学生諸君」と理事長の昨年の年頭所感(
With平成12年No.1)にはある――も深く傷つけたのである。もちろん、昨年12月来の学生の要求に対する理事長の態度はもっともっと深く学生を傷つけたことはいうまでもないだろう。さらに、入試がある。この掲示を見た受験生はどう思うか。ふつうの受験生はただただ当惑するばかりだろう。そしてまともな感覚の受験生なら仮に合格しても他の合格校があれば、そちらに流れていくことは必至だろう。北元理事長はどうしても初谷教授に立入禁止を命じたいなら自宅に知らせることもできたはずである。しかし、この掲示を出すことを命じたということは、受験生のことは思い浮かばなかったということだろう。ということは、経営者としての判断がそこにはなかったということである。今回の件は北元理事長が経営者としての資質も欠いていることを端的にあらわしていると言えよう。
執行部よりのお知らせ
1月23日に開かれた組合大会では、初谷教授にも来ていただき、状況を説明していただきました。その後、組合員のあいだで様々な議論がかわされ、初谷教授の支援カンパ(裁判所の地位保全命令にもかかわらず法人理事会は給与の支払を拒否することが予想されます)を行うことや裁判費用(日本刀の件も含めて)の一部を組合が支援することとなりました。今回の問題は初谷教授と理事長の戦いというだけでは決してありません。現在の初谷教授の境遇は他の組合員にもいつふりかかってくるかもしれない境遇です。
「一人は万人のために、万人は一人のために」
組合員のみなさんのご理解とご協力とをお願いいたします。カンパの方法などについては、後日お知らせいたします。