北陸大学教職員組合ニュース第159(2000.8.4発行)
組合設立5周年記念講演・パーティー開催される
さる7月15日に北陸大学教職員組合設立5周年記念講演およびパーティーがKKRホテル金沢にて行われました。KKRホテル金沢は旧会館加賀であり、当北陸大学教職員組合の結成大会が開かれた場所です。
5年前の平成7年7月5日に、法人理事会の命を受けた事務局職員が張り込み・監視をするという異常な雰囲気の中で北陸大学教職員組合は誕生しました。当時、理事会の大学運営は専横をきわめ、労働条件が著しく劣悪となり、多数の教職員が次々に大学を去っていきました。事務職員は、8時、9時までのサービス残業はあたりまえ、教員は教授会で体制批判を口にすれば何をされるかわからない、学生の言論は警備員と監視カメラで徹底弾圧、といった状況がありました。法を無視した就業規則の一方的改悪もありました。また、給与規定も一方的に改悪され、大学の財政状況は良好なのに教職員の給与は下がるという、信じがたい事態も生じました。
第1回団体交渉は7月17日に行われ、冒頭で法人側からそれまでの大学運営を反省している、との発言があった旨、組合ニュース第2号は伝えています。(ただし、このときも北元理事長は団交に出席していません。)団交での第1の要求は大学運営の民主化でした。第2の要求が給与規定と就業規則の見直しです。そして、その2週間後には法人理事会より平均21%アップの給与改定を行うという提案がありました。
組合結成から5年、私たちは多くのものを勝ち取ってきましたが、まだまだ多くの課題が未解決のままです。特に大学の運営については、文部省の行政指導にもかかわらず、理事会にいまだ学部長を入れないということにも典型的に見られるように、あいかわらずの教員排除が続いています。
記念講演で講師の金沢大学教授伍賀一道氏は、いわゆる「雇用の弾力化」により、専任の労働者にとってこれからますます状況が厳しくなり、それは大学という場においても例外ではありえないとし、そのような状況にあっては大学内外での教職員のいっそうの連帯が重要となってくることを訴えて、講演を結ばれました。
講演のあとの記念パーティーでは、田村委員長、岡野書記長などのあいさつのほかに、初代執行委員長の土屋隆氏、学長をおつとめになった越浦良三氏から、「正常化」とはほどとおい現状なので一致団結して何とか「正常化」を実現してほしいとの激励のおことばがあり、一同思いをあらたにしました。
緊急組合大会(7月19日)報告
緊急組合大会は、7月19日に、「街頭情宣活動、スト権確立」を議題に開催されました。まず執行部から団交に多くの組合員の参加があったことに対する感謝のことばがあり、さらに今後も引き続き組合員の協力を求めていく予定であることが述べられたあと、7月10日の団交についての報告がありました。団交では松村理事から「行政指導」はなかった、とする発言があったということが紹介されると会場にどよめきがおこりました。松村理事の発言はあとから訂正されはしましたが、この発言には法人理事会の本音があらわれており、相も変わらぬ法人理事会の体質に集まった組合員一同怒りを新たにしました。また、最近学内で起こった、言論弾圧としか言えない、さまざまな事件が報告され、就業条件が悪化していることが確認されました。
また、法人側より団交で出された賞与交渉のための資料がまったくの仮定にすぎないものであることが指摘され、法人理事会の団交に対する不誠実な態度があらためて問題になりました。
その後「街頭情宣活動、スト権確立」について活発に意見交換が行われ、大学の私物化に対して、厳しい意見が多く出されました。そして、街頭での情宣活動(チラシ配布)およびスト権の確立について、実施の是非、時期などについて投票を行った結果、大多数の組合員が、いずれも行うべきであると考えていることがわかりました。時期については今すぐにという意見もかなりありましたが、より効果的な時期を選んで行うべきであるという意見が大勢を占めました。
今回の大会で多数の組合員が現法人理事会に対してきわめて批判的であるのみならず、行動の時期が近づいているとの認識も共通のものとなっていることがあらためて確認されました。
夏季賞与の未払い分について
夏季賞与については、まだ妥結ができていません。しかし、組合としてはこれ以上不当な差別を続けることを認めるわけにはいきませんので、法人理事会に対して、人事考課の結果を夏季賞与に反映して賞与を支給していない事務職員に対して、8月の給与支給とあわせて差額を支給するよう、8月1日に文書で要求しました。