北陸大学教職員組合ニュース第153号(2000.6.17発行)

 

 6 9 日、 66 回団交が行われました。私たちは、本来 5 22 日の開催を要求していたものです。更に一時間という時間設定を指定してきたなかで、給与交渉がなされました。団交の最後に、突然、今年度の賞与に関する法人側提案が示され、これについては次回の団交で協議することとなりました。

 

1)

   組合の主張:  評議員会に出した経理を組合にも公開すべき

   経営側の主張: 組合に開示しない。評議員会は大学の構成員だから開示している(松村理事)

 

@ 教職員組合も大学の構成員

 教職員組合も大学の構成員です。教職員組合を大学の構成員から除外する視点のなかに、経営側が大学経営を「私物化」していると疑われている現実がよく現れています。私たちは、多くの提言、提案、要求をし、その幾つかを実現させてきました。それは、大学の一構成員であればこそ可能なことでした。

 数例を挙げてみましょう。給与を 21 %アップさせたとき、経営側は「待遇面の不足を認める」(中川理事、1995.7.26 第2回団交)と発言せざるをえませんでした。入試業務にかかわる手当で、本来の労働に一切支払いがなく、規定に何も明記されていない「努力賞」が恩恵的に出されました。これに対して、組合は、入試手当を要求し、以来、これが実現しています。女子職員の出産・休暇への差別的な扱いにも抗議の声を挙げました。年次有給休暇を、前年度の残り日数から消化していく制度も、組合の主張で実現しました(労使の「確認書」1998.7.8)「ボーナス支給式」などは異様でした。私たちは、整列させられ、名前を呼び捨てにされ、一人一人賞与を受け取らされました。組合は、このような制度を廃止させました。

 こうした待遇のささやかな改善、恩恵としてではなく仕事への対価の支払い、産前産後の休暇や有給休暇の制度的保障、「支給式」の廃止等は、いずれも、団交の場でとりあげたり、組合大会で主張し、あるいは組合のビラで訴えたり、地労委に訴えることで得た成果です。そして経営側も認めてきた結果です。労使で協議して勝ち得たものです。私たちは、大学の一構成員として、発言し、行動してきました。

「評議員会は大学の構成員」だから経理を公開する、という発言は二重、三重に問題です。

 第一に、組合も大学の構成員でありながら、組合には公開していない点です。教職員への給与、賞与は、大学全体の予算の一部です。経営が苦しいというのならば、その理由を明示するべきです。全体の予算を示し、こういう観点から減額をしたいというのであれば、そこで初めて交渉が始まります。全体予算はおろか、役員報酬を減らしたのかどうかも示さずに、教職員の給与のみを減らすのでは、経営者としその能力が疑われます。

組合も大学の一構成員です。但し、その立場は、文部省に二度も「虚偽報告」をした理事会には、批判的な態度をとらざるを得ない、一構成員です。 私たちは、<大学>を批判してはいません。理事会の姿勢を問題にしています。大学の中に、違う考えを持つ人々がいて、きちんと批判をする力があることが健全な組織のあり方であると考えています。「理事会の批判=大学の批判」と捉えているのが現理事会です。

 第二に、大学の構成員であろうとなかろうと、経理は広く国民、市民に率先して公開すべきものです。それが学生の授業料と国民の税金(補助金)で成り立つ私学の義務です。いわんや、現在は文部省の指導中です。文部省は次のように指摘しました。「理事会が大学運営を独断的に処理している」「学校法人が全額出資している会社が、大学に無関係な企業グループに出資、資本参加し、役員を兼務させる等、関連企業との関係不明朗である」「評議員会が監査機関として機能していない」等々。大項目のみではなく、まともな経理を公開するべきです。

 

A 経理公開: 私立学校法、本学規定集も命じる

 更に、私立学校法第 47 条は次のように謳っています。「学校法人は、毎会計年度終了後に財産目録、貸借対照表及び収支決算書を作り、常にこれを各事務所に備え置かなければならない」

  北陸大学規程集も以下のように定めています。「この法人の財産目録、貸借対照表及び収支決算書は、毎会計年度終了後 2 ヶ月以内に作成し(略)常にこれを事務所に備え置かなければならない」(寄付行為第33 条)この条項は、経営者自らが定めたものです。法人は、自己点検、自己評価をするべきです。自分で決めたことを自分で守れない人間が、何で他の点検・評価ができるでしょうか。

 

 

2)

法人側の提案

経営者は、経理の公開もせず、役員報酬の減額も示さないまま、次のような提案をしてきました。

 

教育職員: 5.7 ヶ月(一律)内訳:夏 2.4 、冬 3.3 ヶ月
        (昨年:夏
2.5 3.3 7 万円【一律】)

事務職員: 5.5 ヶ月 内訳:夏 2.3 、冬 3.2 ヶ月+人事考課(最大:夏 0.2,冬 0.3 ヶ月)
        (昨年 :夏
2.5 3.3 人事考課)

支給日 6 30

 

この提案に対して、組合執行委員会は、組合員の皆さんの意見を聞きたいと思います。

次の要領で臨時組合大会を開催します。 多くの組合員のご出席を期待しています。

日時: 2000 年 6 19 日 18:30 より

場所: 薬学キャンパス 102 PN