北陸大学教職員組合ニュース第 152号(2000.6.1 発行)

 

真に開かれた経理公開を!!

 

 今年も経理公開が近づいてきた。今年こそは誠意ある、開かれた経理公開をしてほしいものだ。ひろく学生・父母にも公開するべきである。

 昨年はじめて行った経理公開はまったく期待を裏切るものであった。大項目のみ示し、肝心なところはまったくわからないようにしていた。たとえば、総人件費がいくらかかったかは大項目で示していたが、その内訳はまったく示していない。その総人件費には教育職員の給与、非常勤教員の給与、事務職員の給与、役員報酬などが含まれるのだが、それが総人件費として示されるだけだからいったい役員報酬がどれぐらいなのかはまったくわからない。特に北陸大学の場合、数年前まで理事長をはじめとして数名の理事が文部省からの助成金を削減されるほど高額の役員報酬を取っていた。組合が入手した資料では4000万円近くの報酬を理事長および1理事が取っていた(文部省のガイドラインは2200万円)。大学の私物化を指摘され、文部省からの厳しい行政指導があったあとはたしてそのような不当な高額の報酬が是正されたのかどうか、私たちは大きな関心をもって初めての経理公開を待った。そしてさんざん待たされたあげくの公開はまったく中味のない、公開したという事実を作るためだけのものであり、また、その公開した分すら、学生や父母には一切知らせようとしなかった。 With 誌の一番目立たないところにこっそりとひっそりと示したのであった。実になさけない「経理公開」であった。

 昨年の給与改定交渉において、理事会側は財政の逼迫を理由に賞与の削減を行い、ベースアップも最低水準しか行わなかったが、いったい、たとえば理事長の報酬はどうなったのか、最後の最後まで理事会は隠し通した。組合側は再三再四団交で減らしたのかどうかたずねたが、理事会側はとうとう答えることを拒否した。これでは減らしていないから答えられないとしか考えられない。すると昨年理事会側は財政逼迫を理由に教職員の賞与を減らしベースアップを最低にしておきながら理事長の報酬は減らさなかったということになる。経営者の資格はない。

 北陸大学は父母からの納付金と税金とで運営されている。経理公開はかぎりなく透明でなければならない。金は本当に公正に使われているのか、誰が見ても納得する形で示されなければならない。今は受験生が大学を選ぶ時代である。それは法人理事会がいつも With誌で主張するとおりである。受験生・社会が大学を見る眼は今までにもまして厳しくなっている。そういうときに、私物化が横行し、まともな経理公開すらできず、金の使い道をひた隠しにするような大学に受験生が集まるだろうか。

 北陸大学の危機を招いているのは法人理事会である。

 

 

法人ふたたび行政指導を無視  :

  学部長を理事にせず

 法人理事会は今年もまた学部長を理事にしなかった。いったい大学経営というものをどう考えているのだろうか。現在の法人理事会の大学運営の仕方は教員の声をできるかぎり排除して、経営者側のみの判断で大学運営をしようとしているとしか思えない。つまり教員の声を大学運営に生かそうという態度がさっぱり見られない。

 評議委員会にはいまだに薬学部長、外国語学部長は入っていない。しかも、教員の声を大学運営に反映させよという文部省の行政指導があるまでは学部長は評議員会の一員であったのが、現在の吉藤教授、櫻田教授が選挙により学部長となったとたんに、理事会は両学部長を評議員会に入れないことにした。これは教員の声を代表できるような学部長が評議員会に入っていてはまずいと考えているとしか思われない。法学部の初谷教授が法学部長としてかろうじて評議員とされているのはアリバイとしているにすぎない。本当に教員の声を反映させた大学運営を考えるなら当然公選による三学部長の全員が評議員になるべきであり、さらに理事となるべきである。

 河島学長は学部長が理事になるよう努力する旨全学教授会で明言したが、今回も実現しなかった。現在理事会に教員を代表していることになっているのは学長の河島氏ただ1人である。もう1人の元教員の理事は専門は薬学でも外国語関係でも法学でもないだけでなく、学部の代表でもない。残り8名は大学の現場での教育、研究とは無縁の理事たちばかりである。つまり、10名の理事のうち教員の代表は1人だけである。

 大学本来の機能は教育、研究である。だからふつう大学の理事会というのは半分以上は教員からなる。教育、研究に関する現場での経験なくして大学運営などできようもないからである。

大学は今未曾有の氷河期に入りつつある。定員割れの大学はぞくぞくとその数が増えつつある。経営者側、教学側双方の叡智を結集してことにあたらなければならないことは明白である。ところが法人側は頑強に教員を理事会から排除し続けている。教員の持つ経験や学識が理事会運営に生かされ、ひいては大学全体の発展に生かされることを頑として法人理事会は拒否し続けているのである。

 理事会がかわらないかぎり北陸大学は生き残れない。

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組合5周年記念パーティーのお知らせ

北陸大学教職員組合は本年7月5日に創立5周年をむかえます。現在記念パーティーを企画中です。組合員の皆さんからのご希望、ユニークな企画案などありましたら、法学部の田村執行委員長、薬学部の落合執行委員までご連絡ください。企画に加わりたいという方も大歓迎です。